2023年8月22日火曜日

小林一夫 (おりがみ会館館長)      ・ORIGAMIで"紙"ニュケーション

小林一夫 (おりがみ会館館長)      ・ORIGAMIで"紙"ニュケーション

 1941年生まれの81歳。 東京文京区湯島に156年続く和紙メーカーの4代目で、お茶の水折り紙会館の館長のほか、NPO法人国際折り紙協会の理事長も務めています。      30代から本格的に折り紙をはじめ、日本の和紙や折り紙の文化を伝える為世界を旅してきました。  会館では折り紙教室のほか、即興折り紙の実演を行っていて、外国人観光客がひっきりなしに小林さんのもとを訪ねています。  折り紙でコミュニケーションの輪を広げる小林さんにお話を伺いました。

色々夏らしい作品が並んでいます。   連鶴、一枚の紙でずーっとつながっています。   3cmの鶴が25羽ぐらい繋がっています。  手すき和紙が丈夫だからできます。     30種類ほどのご祝儀袋の折り方が展示されています。  貰ったものが折り方で何かという事がわかるんです。   そういう意味合いがあります。  壁一面に大きな世界地図があり、2cmぐらいの小さな鶴が貼り付けられている。 世界中からお客さんが来ています。  3階はショップになっていていろいろな折り紙が並べられています。   折り紙の実演コーナーもあります。    

初代文部大臣森有礼がドイツの教育者のフレーベルの弟子がアメリカへ移民して、そこでの出会いでした。  アメリカで教育に折り紙が使われているのを初代文部大臣森有礼が見て日本に戻りました。  幾何学的なデザインのものをやっていました。   日本は独自に発展していて、折り紙が教育に使われるという事が参考になっただけです。   最初は神様に奉納したりするのに熨斗紙などが誓われました。  室町時代になって来て、儀礼を各大名に教える流派が出来ます。   折鶴は昔から伊勢神宮にあるんです。  庶民の遊びになったのは江戸時代です。   明治時代に幼児教育に取り入れらっるようになりました。(富裕層)    1970年代に折り紙の文化を広く伝えようという事で折り紙会館を開設した。  本来折り紙は身近にあって楽しんで、皆を喜ばせる事です。 僕は偉い人は必要ないと思ったんです。  折り紙の文化史を書きました。  本格的に折り紙を始めたのは30代の頃です。  知らず知らず毎日やっているうちに出来ちゃったという感じです。 最初は箸袋とか身近な物でやっていました。   こういった紙がいいと思うと上が工場なのでどんどん作っちゃうんです。  

その後いろんな国に行きました。  マレーシアのペナンに行った時、聾唖の学校に行きました。  英語が喋れないので皆さんと同じだと言ったら、反響が凄かったです。 最後はみんなが見送ってくれました。  大きな紙を使って見せるとみんな判ります。  折り紙でコミュニケーションが取れます。  海外の方も多いです。  話が出来なくても目を見ればいいんです。   今年、スペインの人が来て、ここで愛を打ち明けたいというんです。   折り紙で薔薇を折って渡す、指輪を作ってあなたが渡しなさいという事をすればいいわけです。   そういったことは毎日のようにあります。  空いている時間で薔薇と指輪をたくさん作っておきます。   

道具を使わずに紙一枚で年齢性別を問わずに楽しむことができる。  きちんと合わせる必要がない、僕は空中で折っています。   折り紙の文化を正しく伝えたいという気持ち、誰が来ても自然と公平にやっています。