村田裕之(東北大学特任教授) ・「2040年 高齢者人口がピークに~どう向き合いますか?~」
2040年、日本の高齢者人口がピークとなる一方で、労働力不足や年金、医療介護費料といった社会保障費の増大が、市民や高齢者層の暮らしへの大きな影響が懸念されています。 インフレ、物価高が続く中2040年を見据え、私たちは今からどのように準備をしていけば良いのか、また生き生きと働き続け健康寿命を伸ばしていくための具体的な方法などをお伝えします。
2040年と言うとあと15年後です。 結論から言うとちょっと厳しい社会になりそうです。 2040年に高齢者人口がピークに達します。 65歳以上が約3900万人と予想されています。 そして要介護、要支援を含めて988万人と予測されています。4人に1人が要介護高齢者になっています。 厚生労働省が中心になって、どのぐらいのスタッフ(介護士面倒を見るスタッフ)がいるか計算していますが、約272万人と言う数字が出ています。 今よりも32万人人多いですが、生産年齢人口(16歳から64歳まで働ける人の人口)が6213万人ですが、今から1100万人減ります。
1100万人減るのに、介護スタッフだけを32万人増やさないといけないわけです。 介護スタッフが少なくなって、良質な介護が受けられなくなります。 加えて、物価上昇、インフレが結構深刻になりそうです。 2%を政府目標にしています。 毎年2%のインフレが続くと、老後の生活費が、今現在が最低でも月に24万円(夫婦2人)必要です。 ゆとりのある老後生活をすると、月に39.1 万円と言う数字があります。 最低レベルのものが10年後29.1 円、15年後(2040年)には32.2万円、約1.3倍になります。 ゆとりのある老後の生活では今が39.1 万円、10年後は47.7万円 15年後52.6 万円、こちらも1.3倍になります。
95歳まで生きたとすると、30年間生活が必要になります。 高齢夫婦2人世帯30年で最低レベルの生活費で1億、21 54万円です。 年金は出ますが、物価が2%の上昇の時に年金が2%増えるかと言うと残念ながら増えません。 2004年の年金改正の時に法律で決まってます。 1.1%位しか上がりません。 年金が1億1011万円位になります。 差額が1143万円です。 それなりの老後資金を準備しておかないと結構厳しいです。
問題は介護費です。 在宅介護は見かけの費用は安いです。 在宅介護は大変な負担です。 精神的にも病みます。 介護する家族のコストが入っていないので一見安くは見えます。 介護をすると仕事を辞めざるを得ない場合もあるが、こういったものは入っていません。 介護費用とインフレで上がっていく。 できるだけ要介護にならないようにしていく必要があります。 この重要性がますます強くなります。
要介護になる要因は60代前に原因ができてしまいます。 中年期以降の生活習慣で決まってしまいます。 「スマートエイジング」と言うのは、今から20年前に考えたコンセプトです。 スマートは英語で賢いという意味で、エイジングは加齢、歳を離重ねる、賢く歳を重ねるという事です。。「アンチエイジング」は歳を取ることにあがらうと言うことです。 これは変な考え方です。 「スマートエイジング」は歳をとることによるいろいろな変化を受け入れて、その変化に適応していくと言う考え方です。
認知機能は脳を使う習慣を維持すれば実は衰えません。 病気もちゃんと手を打てば、ある程度は元へ戻れます。 自分が本当はやりたいこととか、こんなふうに生きたいいと言うことをずっと心に秘めて歩み続ける、これが「スマートエイジング」の1番神髄の考え方だと思います。 ①体の健康(自立して生きる) ②精神的健康(元気に生き生きと過ごす) ③社会的健康(辛いのは、社会的に孤立すること)
①有酸素運動 ウォーキングもできるだけ早歩きがいいです。 脈拍で言うと110から120、高齢者は6000歩歩きましょうと言うと基準ができました。 成人は1日8000歩。 有酸素運動は脳卒中の予防に1番効果的です。 要介護になる原因の1番が脳卒中です。 脳卒中の7割が脳梗塞、2割が脳出血、1割が雲膜下出血です。 特に共通しているのは動脈硬化です。 ②筋トレです。 転倒骨折予防です。 転倒骨折は女性の場合要介護になる1番です。③脳トレです。 脳を使う習慣を維持することが大事です。
要介護になるもう一つの筆頭が認知症です。 生活習慣を改善することで症状を減らすリスクを下げられると言うことがだいぶわかってきました。 有酸素運動も認知症に良いです。 大きな声で音読することもオススメです。 簡単な計算を素早くやると言うのがいいです。 手書きも脳のあちこちを使います。 前頭前野を活性化することがわかってます。 1日に15分程度やるだけで脳のラジオ体操になります。
次に心の健康の話です。①達成するとうれしい目標を立てる。 人間は目標がないとダラダラと過ごしてしまう。 目標を達成すると、脳の中にドーパミンと言う神経伝達物質を出やすくなります。 元気が出たりやる気が出たりします。 なるべく具体的な目標が良いです。 ②「自分軸」で生きると言うことも提唱しています。 社会的健康に関わるものです。 「会社軸」に対する言葉です。 「会社軸」は会社のリズムに引っ張られる。 自分の基準を中心に生きる、その真ん中にあるのが、自分で生きてゆく言うことです。 ③働き続けると言うことも効果がいっぱいあります。 お金がもらえるほかに何らかの形で誰かとコミニケーションがある。 これは脳を使う時間を維持することにつながります。 自分が達成したいこととか取り組みたいこと、そういうことをやる事は生きる目的になります。 そのためには健康でなくてはいけない。 高齢になると家の中でつまずきやすいので、片付けをするとか凸凹を減らすことが大事です。 家の中の転倒事故は階段、風呂場、居室です。 「エイジテック」(高齢者向け技術)AIもそう言ったものにどんどん使っていったほうがいいと思います。
元気な高齢者の方が増えれば、若い人もあんな生き方をしたいと言うふうに考えます。 私も当時そう思いました。 それでこういう仕事に取り組みました。 要介護人口が約1000万人になると言う事は、今をベースにしての仮説です。 この仮説を変えましょうよと言うことです。 私の好きな言葉は「未来を予測する最良の方法はそれを作ること」。 自分の未来は自分で決められる、人の未来は自分は決められらない。