松村雄基(俳優) ・還暦過ぎて、俳優も書道もまだまだ勉強
松村さん(62歳)は、1980年17歳で芸能界デビュー。 テレビドラマ「不良少女と呼ばれて」や「スクール☆ウォーズ」、「ポニーテールはふり向かない」などで人気を集めました。 今はテレビドラマのほか舞台やミュージカルで活躍、7月にはミュージカル「赤毛のアン」の出演が予定されています。 また松村さんは30歳の時にある本を読んだのをきっかけに、書道を本格的に始めました。 書道を始めて2年で師範の免許を取り、その翌年に東京新聞主催の第17回東京所作展で内閣総理大臣賞を受賞しました。
3月から始まったミュージカルがちょうど5月末で一段落つきます。「天使にラブ・ソングを」という日本では初演から12年目になります。(6回目の再演) 去年は舞台でミュージカルを含めて4本やりました。 ミュージカルは短くて1ヵ月長いと3ヶ月位練習をします。 泣いているように歌う、悲しいように歌う、嬉しいように歌うと言うことが必要です。 本当に感情を込めて歌うと歌えなくなってしまいます。 冷静な気持ちを持ちつつ、音符をしっかり、リズムをしっかり、メロディーをしっかり芝居と芝居の間にしっかりはめて踊りながら芝居をする。これは普通にする芝居の3倍労力がかかります。 初めて会った人と、いきなり恋人、親子、ライバル関係を構築するのは本当に大変です。 役者と役者のキャッチボール、スタッフとのキャッチボール、お客様とのキャッチボール、呼吸、駆け引きが舞台の素晴らしい魅力であり、難しいところであると思います。
30歳の時に初めてミュージカルの話が来ました。 14歳の時に、同級生から芸能事務所の社長を紹介されました。 社長が私を預からせて欲しいと言うことになりました。 祖母の一声で芸能界の道に入ることになりました。 「劇団俳小」に2年間通って演技の基礎を学びました。 その間公演に2回出ました。1980年高校2年生の時にテレビドラマ「生徒諸君」の沖田成利役でデビューしました。(大阪から来た不良の役) それから学校へは行かず、半年間ずっと撮影ばっかりでした。 留年しました。 手取り足取りの17歳でした。 ただただ現場で怒られ夢中にやっている日々でした。 1984年の放送の「少女が大人になる時、その細き道」で大映テレビドラマの初レギュラーに出演して、僕の運命がそこでぐんと動いたと思います。 「スクールウォーズ」と言う伏見工業高校の実話を元にしたスポーツ根性ドラマでした。 その後、いろんなテレビドラマに出演するようになりました。 「スクールウォーズ」は普通のドラマではないけれども、脚本家の方々がこの作品にかける情熱を言葉に託したその思いがあったからこそ、今40年経っても注目していただけると言うことに本当に感謝しています。
子供時代は内向的で小学校から4年から詩吟と剣舞をやってました。 絵が好きで運動は苦手でした。 中学1年の時に持久走をいつの間にかやらされることになって、1ヵ月以上練習して出場したら、学年で1番になりました。 やればできるんだと言う成功体験を学びました。 私は指導していただいた人たちに恵まれました。 最初は祖母、次が事務所の社長、剣舞の女の先生、書道の先生も女性で、お茶の先生も女性で、女性の先生にとても恵まれました。 うまく字を書くと祖母が褒めてくれて、字を丁寧に書くようになりました。 祖母からはいろんなことを鍛えられました。 事務所の社長からは、今はお前があるのはおばあちゃんのおかげだからと言うことを常に言っていました。 18歳の時に祖母が脳梗塞で倒れてしまいました。高校3年生の時 在宅が10年で10年間ほど特別老人ホームに入って合計20年です 在宅時には祖母の介護をしました。
書道に興味を持ったのは30歳の時です。 書店で「くたばれ日展」と言う本を読んで読んだらすごく面白かった。 著者の大渓洗耳先生のところの体験入学があり、そこに入ることにしました。 女性の先生の前で上手く書くことができなかったのは、あまりも悔しくて、それをバネにしてエネルギーにしました。 書道を始めて2年で師範になりました。 結構大変な試験でした。 当時は、書道の合間に撮影に行くと言う風な感じでした。
東京新聞社主催の第17回東京書作展で内閣総理大臣賞を受賞しました。 師範試験を受かった翌年でした。 書いた作品と言うのは、自分が映る時があります。 心理状態、自分の持っている何かとか、書は自己顕示欲の塊だと言われました。 良い書をを作ろうと思ったら、どんどん経験して失うと何かを得る。 そこにエネルギーが生まれて創作ができるんだと言われました。 なにくそと思って頑張ったときにエネルギーが生まれて得るものがある。
書いた自分の字があまりにも形だけだったりすると愕然とします。 芝居でも同じです。 舞台に立つときには役柄として舞台に立つ自分、客席で見ている自分、全部俯瞰して見ている自分、同時に3人ぐらいなさい、そうでないと自己満足だけで芝居したらお客様は喜ばない。 お客様に受けるだけの芝居をしても駄目、全部を見渡した中での役作りとかがあるべき。 冷徹な穂先の冷徹にある気持ちがないと書けない、情にほだされて書いたのはそれだけの書です。 そう言われたときには自分では何も考えてないなぁと思いました。 書の向き合いが自分の仕事芝居にも生きます。 冷静に見ると言うことが芝居にも必要であると言うことを改めて感じてます。 知らないことを知りたいと言う気持ちが湧いてきます。 もっともっと勉強しないといけないと思います。 音楽も書ももう一度勉強ですね。 学ぶと言うものは何か得られるじゃないですか。 そういう得られるものが嬉しいです。