藤原稔三(映画監督・プロデューサー) ・「人生は生き直せる」
映画監督藤原俊三さんがメガホンを取った映画「ミックスモダン」はベルリン国際映画祭で注目されました。 この映画は、藤原さん、自身3本目の映画でメジャーデビュー作となりました。 映画「ミックスモダン」は少年院から出た少年を周囲が再生させて行くと言うもので、現在上映中です。 4月にはフランスでも公開される予定です。 藤原さんは23歳で黒澤明監督の「影武者」で俳優デビュー、その後様々な映画、テレビなどに出演して、俳優として順調に動き出しました。 しかし38歳の時に、舌癌を患い舌の1部を切除する手術を行って、それまでのような発声喋りができなくなりました。 俳優としての仕事は諦めざるを得なくなり、すさんだ生活をするようになりました。 しかし、それを救ってくれたのが映画だったといいます。 作ることならできると、プロデューサーや映画監督として仕事をするようになったのです。 映画監督であり、俳優、保護司でもある藤原俊三さんに伺います。
「ミックスモダン」 映画館で、自分の作品が一般公開は全く初めてです。 2月7日公開、今回が3本目の映画です。 映画のタイトルが「ミックスモダン」、「ミックスモダン」はお好み焼きに焼きそばを一緒に入れて焼きそを挟むように焼くものです。 映画の内容は、罪を犯すことでしか自分を感じられなかった少年が主人公ですが、お好み焼き屋の夫婦に会って、生きる意味を見つめていくヒューマンドラマ。 お好み焼きを営んでいる夫婦が、元受刑者や少年院の出身者を雇いながら、社会復帰の手助けをしている。 主人役を、私がやってます。
映画監督、出演俳優、脚本、プロデューサー、編集の5役をやってます。 学生時代は8ミリで自主映画を作っていました。 30年前ぐらい舌癌になりました。 放射線治療をやってました。 一旦収まったんですが、再発してしまいました。 舌の両側にできて片方を切除しました。 仕事ができなくなってしまいました。 23歳の時に、黒澤明監督の「影武者」でオーディションに出て受かりました。 「乱」にも出ました。 北野武監督の「あの夏、いちばん静かな海」にも出演しました。 俳優の仕事が順調に行くようになりました。 舌癌になってしまい事務所もクビになりました。 芝居の本を書くようになりました。 舞台の台本も書きりました。 ワークショップで、ユニットを作ってメンバーはいろいろ変わりますけれども、40歳の頃からだんだんやり始めました。 その後映画に取り組み、2002年に「シアター」、「空の裏側」を2014年、「ミックスモダン」が2025年と言うことになります。
1956年生まれ、現在69歳です。 大阪で綿織物の工場を営む経営者の孫として生まれました。(三男) 6歳の時に会社が倒産しました。 父親は働こうとせずやけ酒を飲んでました。 母親はため込んでいたへそくりを使って喫茶店を始めましたけれども、父親は邪魔をしたりしました。 中学、高校、大学と暇さえあれば映画館に通ってました。そこで本を書く事、映画に関することが勉強出来ました。 経験が今の本や映画になっていると言う感じです。
子供が犯罪を犯して周りがどう支えたらいいのかとか、悪い思いなんかみんなないのに、それが社会ではうまくいかないと言うような、すごく大きな問題を抱えた映画と言うふうに思います。 彼らのお父さんお母さんとまず仲良くなると言うことをすごく大事にしてます。 仲良くなることで絶対息子さんは変化があるはずだと僕は信じているんです。
僕は高校で停学するようなことをしましたけども、ずっと親は見てくれていて見捨てなかった。 それは今の自分のベースになってます。 僕が保護司として担当した少年の半分は、小学校、中学校で勉強があまりできなかった子です。 でもできなかったんじゃなくて、やる感情がなかったと本当に思います。 できない子じゃなくて、やるチャンスがなかったんだと、それだけなんです。 ちょっとした環境の違いで、やるチャンスをもらえなかったと言うのは、段々その子たちが集まって、悪さをし始めてしまうと言うことだと僕は思います。 映画を通して多少なりともこういうことをわかっていただいて、広がっていけばうれしいなと僕は思います。