高橋洋子(歌手) ・〔時代を創った声〕
*アニメ 『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」
テレビアニメが放送されて25年以上たった今も知名度が高く、多くの人に歌われています。 作詞:及川眠子 作曲:佐藤英敏 歌:高橋洋子
『新世紀エヴァンゲリオン』がテレビで放送されたのが、1995年、その後映画化される。 「残酷な天使のテーゼ」が発表されてから28年になります。 バブルがはじけて社長が何人も変わるようなめまぐるしい時期に、社長と共に移動することになり、1995年の春にロサンゼルスに歌の勉強に行きました。 半年後戻ってきた時には浦島太郎状態でした。 『新世紀エヴァンゲリオン』のエンディングの歌の企画があり、主題歌も歌うという事になりました。
東京都出身、21歳のころから父親(国鉄職員)にピアノを習う。 合唱は、父は大人になってもやっていました。 自分の夢を子供に託したといったタイプでしょうか。 兄、姉、私、弟の4人兄弟です。 小学生時代には滝野川少年少女合唱団のメンバーでもありました。 そこが歌のスキルの基本になっています。 小学校2年から高校2年まで在籍しました。 大学には行きましたが、途中で辞めて、バンドはやっていました。 バンドオーディションを受けて、優勝できませんでしたが、歌が歌えるということでレコード会社が推薦して、バックコーラスグループ「LOVE MACHINE」のメンバーとして久保田利伸さんのサポートをすることになりました。 オーディションの時には物凄く緊張して100%落ちると思っていました。 審査員10人中9人が×を付けていて、久保田さんだけが〇をつけてくれました。
不器用で歌いながら何かをすることができないタイプです。 歩きながら歌えないんです。 何故緊張するのかを考えましたが、人に評価される、その評価されることに自分がコントロールされるのが嫌だという事が判ったんです。 父は厳しかった。 話しているうちに父と喧嘩になって、父が殴ろうとしたように見えたので、「殴るんだったら殴れ。」と大声で頭を出しました。 「私はただ褒められたかっただけだ。」と言って、厭だった父に自分から抱き着いて行って、泣いたんです。 そうしたら父も泣いて、「お前はよく頑張った。」といってくれて、そこで初めて和解が出来ました。 昔気質の父であったので褒めてもらうという事はなかったです。 和解以降は褒めてくれるようになりました。
1991年民放のソロとしてデビュー。 1992年には「もう一度逢いたくて」で第34回日本レコード大賞新人賞(最優秀新人賞ノミネート)を受賞、同年には「P.S. I miss you」で第25回日本有線大賞新人賞も受賞しました。 1997年に映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の主題歌も担当した。
*「魂のルフラン」 作詞:及川眠子 作曲:大森俊之 歌:高橋洋子
『新世紀エヴァンゲリオン』という作品が世の中に認知されて、ヒットしたと認識していて、私が売れているわけではないという事を自分でも理解していました。
2000年から歌手活動を停止。 上げ底してもらっているような感じで、このままでは勘違いして、もしかしたら人として駄目になってしまうかもしれないと思うようになりました。 子供には自分の足で立ってしっかり生きている姿を見せたいと思って、5年間別の仕事(介護職)をしていました。 学びの多い充実した時間になりました。 音楽療法もやらせてもらって音楽の力を再認識することもできました。
一人でも歌ってくださる人が居たら、どんなところへ行っても歌おうと決めました。 仕事を始めたら、びっくりするほどの仕事が入るようになり、歌の世界に戻って来ました。 若い人に対しては、やるもやらないのも自分次第なので、自分で納得するまでやりたいんだったら是非やってほしいと思います。 私は歌手として毎日の自分の練習のルーティーンがありまして、自分のなかのルーティーンを是非作るといいと思います。 頑張ってきたけど躓いたという人が居たら、一番嫌いだと思う事にチャレンジすると、割と答えが早く出ると思います。 嫌いなことを言葉化して人に説明できるようになると,もう一個先にいっている現状と出会っているという事なので、何か違ったことをやってみるという事はいいことだと思います。
*「罪と罰 祈らざる者よ」 作詞:高橋洋子 作曲:大森俊之 歌:高橋洋子