かみじょうたけし(高校野球大好き芸人) ・高校球児の熱い思いを伝えたい
甲子園球場で開かれる春、夏の大会は勿論、全国の地方大会や練習試合にも足を運んで、高校生の活躍や成長を見つめてきました。 年間の観戦試合数は100を超えるそうです。 去年の秋にはこれまでに出会ったこのない高校生たちとのエピソードを綴った「野球の子」を出版しました。
年間試合は100~150試合ぐらい観ますかね。 劇場へは8回というような感じの時もあります。 今は春の大会をやっていて、大阪大会の3位決定戦、決勝戦、大阪桐蔭が大阪府56連勝でストップしてしまった。 あの試合は金光大阪の応援が凄かったような気がします。 春、秋の大学のリーグ戦も観に行きます。 自分が敗れ去った後でも、負けてなるものかという立ちあがるところが、高校野球の一番の神髄だと思うんです。 挫折を教えてくれる場所だと思います。
この間北海道の春の大会にも行きました。 北海道の独立リーグを観に行っていて、仕事が終わってから高校野球を観に行きました。 行った時には6回裏で8-1でコールドゲームになるかもしれない時でした。 光星高校が負けてしまいそうでした。 コールドを免れて、次の回も免れて、結局1時間ぐらい観ることが出来ました。 知らなかったけれど背番号1の柳沼君という選手の活躍がありました。 背番号1なのでどっか怪我でもしているのかなあと思いました。 夏の大会にはもう一回観にいってやろうかなと思いました。
大学生の時に競輪場でアルバイトをしていました。 先輩に誘われて松竹のオーディションを受けに行きました。 合格したのがきっかけとなりました。 芸人になる前から高校野球は観に行っていましたが、或る番組に出た時に「あんたどれだけ高校野球のことを知ってんの。」と言われてそれからですね。 板東英二さんの物まねをやります。 相方が辞めてしまって、どうするか考えていたところ、或る人から板東英二さんの物まねをやったらいいんじゃないかと言われて、やったら似ていると言われてやり始めました。 物まねを始めて1週間で板東英二さんと共演しました。
普段遊んでくれていた人が高校野球の大会に出て、それを観た時に豪速球を投げているのを観て、吃驚しました。 これがあのお兄ちゃんの本気な姿だったんだと思って、僕のなかに熱くなる始まりでした。 甲子園で一番好きなのがアルプススタンドです。 一番熱が熱い場所だと思います。 城東高校で永野さんという女の子がノックしていましたが、女子部員によるノックの第一号になりました。 中学時代は吹奏楽部だったそうで、練習して豆も何回もつぶして、野球部員からノックバットをプレゼントされたというエピソードもあるようです。
「野球の子」を出版。 いろいろなエピソードが詰まっている本です。 うまくいっている人がすきなんじゃなくて、うまくいっていないのに、もっとうまくいきたい、頑張りたい、人生を豊かにしたい、必死にもがいている背中がきっと好きなんだなと思います。 そういったエピソードを集めて書きました。 沖縄で出会った子ですが、「このまま野球をやってもいいんですかね」と初対面で言われてしまいました。 「野球はもういいというまでやり切れと、それから次の道に行っても素晴らしい人生になると思うから」、と言いました。 就職を辞めて福井県の独立リーグに入って、NPB(日本プロフェッショナル野球組織)を目指すという人生を送るわけです。
最後にはNPBには行けませんでしたが、リーグでもトップの成績を納めました。 彼はピッチャーでしたが、僕に声をかけて来た時にはイップスという投げられなくなる病気だったみたいです。 当時回りからの声は「絶対無理です」と言われていたようです。 高校時代の最速球が146キロで、リーグに入って148キロをだして、そのことを伝えてくれました。 この人は凄いと思いました。 今、彼は引退して群馬の方で働いていて、この7月に結婚することになっています。
甲子園は高校野球の一部であって、地方大会はその分母がもっとおおきい。 ヒューマンドラマが好きなのかもしれません。 夏は出来るだけ多くの地方大会を観に行きたいと思っています。 多くの選手と出会いたいと思っています。