今森光彦(写真家・切り絵作家) ・オーレリアンの丘から四季だより~秋
今森さんは滋賀県大津市琵琶湖をのぞむ田園風景の中にアトリエを構えて里山環境を取り戻すために活動しています。
カマキリは種類によって割と高いところ、木の上に住んでいるカマキリもいます。 樹上性カマキリと草地にいるカマキリがいますが、それも種類があります。 マンションの3階にいるという事は花に集まって来る昆虫を狙って待機していたものと思います。 晩秋になって来るとすべてのカマキリが卵を産み終わります。 一つの塊のな中で越冬します。 母虫はおおくは茎に卵を産み付けます。 セイタカアワダチソウは2mぐらいになって茎が硬くなりそういったところに卵を産みます。 草刈りをすると倒してしまうので卵を捜しながら気を付けて草刈りをします。
稲刈りをする頃に木が色づき始めて、ピークになるのが 11月中、下旬ぐらいです。 そのころが一番美しいです。 木ごとに色が違うので木の種類の多さを感じます。 蝶を多く住まわせたいという思いがあるので、蝶の食層であるかが結構大きいです。 雑木の環境にふさわしい植物を植えて行ったりしています。 冬は越冬しているので不用意には触らないです。 晩秋の時期は大事で生き物の締め括りの時期です。 オーレリアンの隣で里山を再生している一般社団法人の「めいすいの里山」と連携して5,6年活動してています。 凄く荒れている土地でした。 雑木林が多くて針葉樹林を伐採して広葉樹の幼木を手で植えています。 今年で3年目ですが、順調に育っています。 「おじいさんは山へ芝刈りに」とありますが、木の枝の伐採に行っていたんです。 「三分紅葉」という言葉があり紅葉が三分進んだら雑木を切りなさいという意味です。 それぐらい仕事をしないと雪が降って来るんです。
「めいすいの里山」に鳥の種類が増えてきました。 猛禽類が増えています。 ノスリ、チョウゲンボウ 、フクロウなどいろいろです。 鳥が実を食べたらどこかへ飛んで行ってフンをして種が芽生えるという効果があります。 里山作りを目指している人間にとっては相棒が増えたような感じです。 秋の米の収穫というのは大きいですね。 稲を干す作業がありしばらくすると来年に先駆けて土の中に空気を入れるために田起こしが始まります。 「めいすいの里山」の山の上には開けたところができ、琵琶湖と棚田が見下ろせて綺麗です。 その地面にヨタカが巣をつくり(地面にくぼみがあるだけ)巣立ちしました。
2006年「やまおやじ」という写真絵本を出版。 やまおやじはクヌギの古木のことです。樹齢は数十年ぐらいですが、背丈ぐらいのところで切れていていびつな形をしています。 *「やまおやじ」の内容の一部朗読。
「人が入って手を入れているからこそ、豊かに保たれている。」それが雑木林なんですね。やまおやじが人の営みを語ってくれている。
「クヌギがいる」という絵本を今年出版。 文のみ担当して、絵は画家の城芽ハヤトさん。*「クヌギがいる」の内容の一部朗読。
絵を描く人の感性と僕の感性がミックスするところがよかったと思います。 クヌギの古木は枯れてゆくが、そこは土が肥えてカブトムシの幼虫がいて、又新しい芽が生えてきていて、命が確実に受け継がれてゆく。