福原百之助(邦楽囃子方) ・【にっぽんの音】
1975年(昭和50年)東京都出身、母方のおじいさんは笛の名手として知られ、人間国宝となった6代目福原百之助さん後の4代目寶山左衛門さん。 お父さんは一中節の宗家12代目都一中さん。 おじいさんから手ほどきを受け10代から舞台で活躍、2009年に囃子方の名跡である福原百之助を襲名。 現在は長唄や日本舞踊公演での演奏を中心に新橋や赤坂など花柳界でのお囃子指導、東京芸術大学の非常勤講師として後進の指導に当たっています。
囃子は打楽器と笛で構成されています。 三味線、お琴、などジャンルを問わず伴奏させていただいています。 メインは日本舞踊、長唄、常磐津、清元などの三味線音楽に打楽器や笛で盛り上げています。 雅楽の要素、能楽の要素、祭囃子、祇園囃子などいろんな郷土芸能をちょっとお借りしたりして、いろんな場面を演奏しています。 歌舞伎から発生しているのでいろいろなシーンに合わせた囃子を、いろんなところから取り入れてきて、今に至っていると思います。 笛は専門職で打楽器はいろいろやります。 歌舞伎舞台に向かって左側、下手に黒い御簾があり、そこに部屋があり我々の仕事場になって演奏しています。 2006年に若獅子会結成した若獅子会。 勉強会として始めて創作も行ってきました。
*三社祭 演奏:若獅子会
父は三味線で母は笛をやっています。 弟は一中節の浄瑠璃をやっていてみんなジャンルは違います。 小さいころから父のお稽古の三味線など聞いて育ちましたが、余り好きではありませんでした。 祖父にうまいこと誘導されていつの間にか笛をやっていました。 最近楽しいと思いながら仕事をやらせてもらえるようになりました。
*若獅子Ⅰ 若獅子会創作 演奏:若獅子会 邦楽曲に与えられる賞、中島勝祐創作賞を受賞。 創作の一作目で面白いフレーズを組み合わせたものです。 振り付けも行って踊り付きで動画配信しています。
邦楽囃子朗読劇も上演しています。 (竹取物語、走れメロスなど) 最初に子供たちへの桃太郎を行ったら好評で、大人向けもやってみようちう事で竹取物語を上演しました。頭の中によりビジュアル化しやすくなったという効果があるのではないかと思います。 朗読の場面に合った音を出してゆく。(背景だったり、心情だったり)
鼓の音は色々使い分けます。 皮が薄いので湿度、気圧にとても影響を受けやすいです。 舞台で合間に乾燥して来たりすると、息を吹きかけたり、指に唾を付けたりします。 紐を左手で握ったり緩めたりして、皮の張力を調整しながら音を出し、波の音とかいろいろ表現します。 これは江戸時代のものですが、もっと古い室町時代のものもあります。毎回楽屋で組み立てます。 紐が消耗してしまいますが、麻紐でないと駄目です。
大太鼓でも風音も雰囲気でいろいろ打ち分けます。 波音もいろいろ打ち分けます。 日本の音とは小鼓だと思います。 日本の四季と能楽堂など木造の家屋に合わせ込んでいい音をだしてくれる日本固有の楽器だと思います。 小鼓は湿気を必要とする楽器で、大鼓は乾燥していなければいけない楽器が隣同志で打っているという事で不思議です。
*大太鼓 打ち出し