横森美奈子(デザイナー) ・50代からこそ思い切りおしゃれに
1949年(昭和24年)東京生まれ、国内ブランドのデザイナーとして50年以上にわたりファッションの最前線で時代をリードしてきました。 着痩せブームの仕掛け人としても知られています。 50代からのおしゃれの楽しみ方について伺います。
小さいころからファッションには興味があったようです。 5,6歳の頃にはお下がりでも絶対着たくない服はありました。 中学、高校は制服で紺色が大嫌いになりました。 高校の頃から自分の服を作りだし始めました。 高校卒後、桑沢デザイン研究所(リビングデザイン科、グラフィックデザイン専攻)に入りました。 子供ころから絵が好きでした。 卒業後グラフィックデザイン事務所に勤めましたが、2か月しか持ちませんでした。 手作りのものを自分でやってみようと思っていたら、菊池先生のお店から声がかかりました。
その後ニットの会社を作るからやってほしいと言われました。 ここ10年テレビショッピング、ネットショッピングのオリジナルデザインを手掛けています。 齢を取ってきていろいろな体形になっても、プロのモデルさんとは違う良さをアピールしたくて、自分で着て説明すると、とっても喜んでくださいました。 リアルモデルという事にもなってしまいました。
着痩せの本を出したのは私が最初ですが、着瘦せという言葉が世の中にあまり浸透していませんでした。 太っていたのでいかに細く見せるかいろいろ工夫していました。 小物、靴なども考えた方がいいです。 自分の若いころを基準にしてしまう方が多いですね。 50代以上の人たちを見るともったいないですね、もっとおしゃれが出来るのに、と思います。 おしゃれはまず自分のためだと思います、テンションも上がります。 緩い=だらしないではないです。 スニーカーがおしゃれの一部になっているというのも実感して、そういったこともおしゃれになれるポイントです。 人を観察するといろいろ参考になります。
40代に差し掛かったころには働き盛り頃でしたが、母の介護がありましたが、仕事が辞められない状態でした。 認知症になっても花の名前は判らなくても、「ああ、綺麗」という感性は有るんです。 介護する側のユニフォームについてやらしていただきました。
50代以降の人は子育てなどから解放されて自由になっているので、自分の格好ももっと自由になって良いと思うんです。 私は一昨年乳がんになりまして、全摘しましたが、その時にもいろいろ経験しました。 毛が抜けると剃髪しました。 髪形もいろいろ挑戦しました。 ウイッグ(髪の薄くなった箇所に、人工の髪で作られたネット状のものを被り使用する方法。)も楽しみます。 髪とお化粧は流行があります。 服よりも髪というぐらいです。 世間というものをあまり気にしなくていいと思います。 お金をかけなくてもおしゃれは出来ます。 全身鏡で1.5m離れたところから見なさいとアドバイスしています。 3m離れたことになり、挨拶し合う距離なので全体をチェックできる。 バッグ、靴とのバランスもチェックできる。 後ろも合わせ鏡などでチェックする必要があります。 笑顔も努力です。 おしゃれでいるためには健康でなければいけないというふうには思っているので、健康には気を付けています。 どんな状況でも楽しみを捜すという事は出来ると思います。