2018年4月16日月曜日

林家彦いち(落語家)           ・【にっぽんの音】

林家彦いち(落語家)           ・【にっぽんの音】
能楽師狂言方 大藏基誠(案内役)
1969年生まれ、鹿児島県出身、国士舘大学文学部地理学専攻中退後、1989年林家木久蔵師匠に入門、1993年に二つ目、2000年には自ら作った創作落語でNHK新人演芸大賞落語部門大賞受賞、2002年真打ち昇進、冒険落語家としても有名。

落語はお寺の和尚さんから始まっているので、講釈の方は辻講釈などがある。
エベレストの5200mの所で落語をやりましたが、酸素が少なくほとんど声になっていなかった。(プライベートで行く)
酸素が半分でした。
時そば」 扇子を箸に見立てて、蕎麦をすする音。
「蕎麦」と「うどん」は微妙に違う。
「とろろそば」は又違う。(古典落語には出てこない)
普通海外では食べる時に音を出すのは失礼にあたるが、海外公演では音が出ると喜ばれます。
戸を叩く音、これも擬音で行う。
植木を剪定している音、開いたり閉じたりして剪定の音を扇子で行う。
雨が「ワーッ」と降って来るというが、おもむきでこれは音であってほしい。
京都で川舟に乗って酒を飲むと時間が「ほろほろ」と過ぎて行く、この「ほろほろ」ってたまらなく好きですね。
「ほろほろ」は様子であって欲しい。
酒を注ぐ時に「どぶどぶ」「ちょろちょろ」とか、行ったりします。

音が話の伏線になっている場合がある。
蕎麦のすする音は他の師匠に教わったりしました。
酒を飲む音も、喉を鳴らしたりするが、飲む量によって色々変化させる。
二つ目になると話をアレンジしたりするが、間のびしたりする時があるので、メトロノームを使ってやったり練習することがあります。
伝えたいところをリズムを壊すと、伝わりやすい。

創作落語を発表するが、隔月でやるが作らないといけない。
年間5~6本作ります。
「パラレルワールド」の創作落語 翼がある世界。
三遊亭 圓丈師匠に影響を受けていました。
最初唐突無稽な話をしましたが受けなくて、リアルなものを作ろうとして電車の風景の話を作りました。
今までに200ぐらいの話を作ってきました。
落語のある話の中で、花魁が客を追い払う時に中に立った喜助が右往左往するが、語る人によっては花魁の味方になる様な話っぷりになることもある、私もそうですが。
人柄がいい先輩がいて人をだます落語でも全員皆いい人で、意地悪な師匠の話はいい人までもちょっと意地悪になるんです。(性格が出て来ます)
話は同じ話でも長くなったり、はしょったりします。
お客さんの乗りがあまりない時は、くすぐりは言わないですね。
一言でガラッと変わることもあり、友達になれたという雰囲気がします。
そういった雰囲気は場所によっても違います。
国立はちょっと品がありますね。
弟子には前座のころから作らせます、その方が自由度があります。

演目「遥かなるたぬきうどん」 マッターホルンにたぬきうどんを届けるが、アイガー北壁を昇っているところから始まる。
扇子を2本使っているが、ピッケルの様子を表している。(2本の扇子を使う落語はこれだけ)
最小のもので最大の表現をする。
高田渡さん(ミュージシャン)が息子に「見えるものは皆のもの、見えないものが僕たちのものだ」といったが、この言葉は大好きです。
一番は想像力ですね。
古典落語で好きなのはシリアスな話は好きです。
今後挑戦したいと思います。
落語は笑うものだと思っているので、笑わせてなんぼだと思っています。
笑って楽しんでくれればいいと思います。