河野智美(クラシックギタリスト) ・ギターの"心"を奏でて「心地よい音楽」を
東京都出身、4歳よりピアノ、7歳よりギターを弾き始めました。 都立高校の普通科から日本女子大学人間社会学部現代社会学科に入学、卒業後はIT企業に勤めました。 この間もギターの勉強を続けてギタリストの江間さんらに師事しました。 2000年クラシカルギターコンクールで優勝してプロの道に入ります。 以後20年余りにわたって国の内外のコンサートやフェスティバルで活躍しています。 現在日本スペインギター協会の会長代理を務めるほか、音楽大学や自身が主催する音楽教室で後進の指導、育成にもあたっています。
去年11月にアメリカ東海岸ツアーを行いました。 ボストンとニューヨークでコンサートをすることが出来ました。 海外は3年振りとなります。 フラメンコのダンサー、ソプラノ歌手の方とかと共演することが出来ました。 コンサートは初めてでしたが、充実したツアーになりました。
2020年1月29日東京フィルハーモニー交響楽団との共演がありました。 私のギター人生で一番大きな出来事でした。 「アランフェス協奏曲」と「ある貴紳のための幻想曲」というクラシックギターのコンチェルトとしては一番いい曲ですが、オーケストラをバックに演奏するという機会を得ました。 その後コロナでコンサートも駄目になりました。 その時の指揮は梅田俊明さんでした。 レコーディングも兼ねていましたのでより緊張感がありました。
*「アランフェス協奏曲」 第二楽章アダージョ ギター演奏:河野智美
母が音楽が好きで、クラシックギターをやっていました。 自分でも習いたいと言って、横尾先生に習うようになりました。 小学校でも楽器が好きでいろいろな楽器をやっていました。 4年間妹と一緒に家にいてもらって横尾先生に習いました。 日本女子大学人間社会学部現代社会学科に入学しました。 当時はギターのコースがほとんどないし、プロになる意識もありませんでした。 IT企業に就職して、正社員としては2年間、派遣社員としても働き10年ぐらい働きました。 働くことは楽しかったです。 2000年25歳の時にコンクールで優勝、プロの道へと進む。 プロとしては遅い出だしでした。 東京国際ギターコンクールでも優勝、イタリアのトリノ音楽祭で3回リサイタル、オーストリアのルスト国際ギターフェスティバルに出演、2018年には現代の楽器によるバロックアンサンブルのコンサートに出演。 2019年スペインのガンディア国際ギターフェスティバルに招かれる。 スペインに行きたいと思っている時に偶然機会を得ました。 行くと自分を包み込んでくれるような自由な空気がありました。ギターの故郷的な地ですね。 スペイン作品集のCD「The Spain」が出来ました。
*「アルハンブラの思い出」 「The Spain」の中から。 クラシックギターでは、バリオス作「最後のトレモロ」「森に夢見る」と共に最も有名なトレモロ作品として数えられると共に、スペインにちなんだギター作品では最もポピュラーな作品である。
2017年 マドリードでの日本伝統芸能との共演、浄瑠璃の人間国宝の鶴賀 若狭掾さん、日本舞踊の花柳貴比さん、八王子車人形「西川古柳座」とのコラボレーション公演を開催。 150年以上伝統のあるアテネホールで開催出来ました。 鶴賀 若狭掾さんが「荒城の月」を歌って私が伴奏をし、花柳貴比さんがカルメンを踊って、皆さん大喜びしてくださいました。 芸術に国境がないという事を肌で感じました。
2022年ヴァイオリンの磯絵里子さんと「デュオ・パッシオーネ」というグループ名つけました。 あるばむ「グラシア」をリリース。 ギターは録音すると後ろに行ってしまい、ヴァイオリンは前に出てくるので、音質の違いがあるのでバランスのとり方が難しいところはありましたが。
ソプラノ歌手 奥脇泉さんともユニットを組んでいます。 何回かコンサートを重ねてきました。 クラシックギター自体心地よいものを求めたいという思いで演奏しているので、歌が入ってくることでギターだけでは表演できないものが、いろいろ幅が広がるのではないかと思います。 心地よさを感じて頂ければと思います。
2019年南米のボリビアで技術賞を受賞。 タイ、ベトナムでも活気のある若い街ですね。 ハノイでしたが若者が街にあふれていて、本当にこれからの街だと感じました。 ギター界も同じで、いいフェスティバルでした。 鳥取市とはご縁があって、大山の開山1300年祭で3年連続でお祝いのコンサートをさせていただいたり、ソロで行ったり、鳥取市長がクラシックギターのファンで自身も弾いて、共演もさせていただきましたた。 若い人にギターの魅力を知っていただくことは大事だと思って教えています。