2022年11月30日水曜日

鎌田敏夫(脚本家・小説家)         ・ヒットドラマを生み出す秘けつ

 鎌田敏夫(脚本家・小説家)          ・ヒットドラマを生み出す秘けつ

1937年徳島県生まれ。 早稲田大学卒業後シナリオ研究所で学び、脚本家の井手俊郎さんに弟子入りします。  1972年飛び出せ!青春』の脚本でデビュー、俺たちの旅』シリーズ、金曜日の妻たちへ』、男女7人夏物語』などの大ヒットドラマの脚本を担当しました。    又『戦国自衛隊』『里見八犬伝』などの映画の脚本なども手掛けています。  1994年ドラマ29歳のクリスマスの脚本で芸術選奨文部大臣賞、第13回向田邦子賞受賞。  NHKでは大河ドラマ武蔵 MUSASHI』や『逃げる女』などを手掛けています。  

アメリカでは歳の話は全く出てこない。  他人の歳は気にしないようにしています。  他人の歳を気にしなければ自分の歳は気にならない。   「マヌエラ」の脚本を書き終わったところです。   ダンスは好きです。  戦前にSKDにいたマヌエラさんが上海に駆け落ちする。  国籍不明の大人気ダンサーになったというストーリー。  元宝塚の珠城りょうさんが主演を演じます。  歌とダンスは芸能の原点だと思っています。   未開なところに行っても必ず歌とダンスは有ります。   

徳島県の農家でした。  農家での経験が今になっています。  小学校3,4年生のころ、農家では共同作業で昼頃には終わって一杯飲んでいて、エッチな話をしているわけです。 「金妻」などの原点はそこに有ると思っています。  何十年も経ってあの時の風景だと思ってやるわけです。  就職口がなく、食うために脚本家の道に進みました。   脚本家になったらたまたま食えたという感じです。   シナリオ研究所で学び、卒業制作が初めての脚本でした。  脚本家の井手俊郎さんに弟子入りし6年いました。井手さんの「これが青春だ」にいれてもらいました。  フリーライターとして飛び出せ!青春』がデビュー作となりました。  それまで青春ものは、根性ものでした。  それを辞めようと思いました。  俺たちの旅』シリーズになって行きました。  青春の頃って切ないんですね。  いろんなものを引きずったものがありましたから。   テレビでは結果的に数字が出ますが、気にしてもしょうがないですね。  たまたま視聴者にヒットしたら、当たるというか時代にヒットする。   一番大事なのはキャラクターです。  その一つが視聴者に対して面白い。  時代にあっている。   自分の中の何かと合っている。  この三つないとキャラクターがつっかえる。  

29歳のクリスマス』  時代を読むのではなく、時代のなかにいるという気がしますが。  女性が責任を持たされるようになった。   いろいろ難しい問題もかぶさって来る。  偶然周りに助けられてヒットする気がします。   

NHKでやった『逃げる女』 女性たちは個性的に強かった、強さの質が違うような気がしましたが、やはり芯が強い女性ですね。   スタッフ、周りなどとは会社と違って上下関係がないから、ちゃんと平面で話し合わないといけない、それが一番大事だと思います。  この人に出会わなかったら、という人は4,5人ですがいますね。  その人たちに出会えたことが凄くよかったと思います。   連続ドラマで締め切りがあるというのは大変です。  掛け持ちはしたことはないです、仕事にしたくないから。  楽しくやっているという事は伝わりますよ。  過去の作品とおなじようなことは書きたくない。   今でも手探りでやっているので、ドラマって判らないです。  ドラマの中で、自分の不幸は自分のせいだと思って生きている人が多いから、強いかもしれないです。