2022年11月13日日曜日

奥田佳道(音楽評論家)         ・〔クラシックの遺伝子〕

奥田佳道(音楽評論家)         ・〔クラシックの遺伝子〕 

*管弦楽曲「海」 作曲:ドビュッシー  

作曲家にならなかったら船乗りになりたかったというほど海が好きだったドビュッシー。  海の移ろい(時間)がテーマ。   出版された楽譜の表紙デザインには、ドビュッシー自身の希望により、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』の1つ「神奈川沖浪裏」(正確にはその左半分の大きなの部分)が用いられた。  ピアノの上には北斎の「神奈川沖浪裏」が飾られていたとされる。      ジャポニズムの時代だった。 

*「海」の「風と海との対話」の最後の部分  作曲:ドビュッシー  

*「イマージュ(映像)」から「金色の魚」  作曲:ドビュッシー

「イマージュ(映像)」の第2集に「金色の魚」という曲があるが、書斎にあったお盆、金粉で書かれた蒔絵の錦鯉から霊感を受けて書かれたと言われている。  錦鯉は静かなイメージがあるが、ここでは動であり立体的であり、音が跳ねている。

ドビュッシーは黒人のダンスにも関心を寄せていた。  

*「子供の領分」から第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」 作曲:ドビュッシー

ゴリウォーグ=黒人の人形のキャラクターの事。 ケークウォーク=黒人の楽しいダンス。

武満徹さんは兎に角、ドビュッシーが好きでした。 1981年のNHKのドラマ「夢千代日記」の音楽も武満徹さんでした。   

「夢千代日記」 作曲:武満徹

カウンターテナーの村松稔之さんが素晴らしい武満徹さんのアルバムを作りました。  

*「小さな空」    作詞、作曲:武満徹  歌:村松稔之             武満さんはジャズが好きだったのでジャズ的な感覚で演奏しています。  

*「〇(まる)と△(三角)の歌」  作詞、作曲:武満徹  歌:村松稔之      

ジョン・ウィリアムズ  日本を舞台にした2005年の映画「SAYURI」      1929年ごろ(世界恐慌のころ) 貧しい漁村の娘千代(9歳)が置屋に預けられて、芸者「さゆり」として懸命に生きてゆくというストーリー。   

映画「SAYURI」のテーマ  作曲:ジョン・ウィリアムズ