2022年10月16日日曜日

森田釣竿(鮮魚店店主)         ・【美味しい仕事人】 ロックで魚食文化を盛り上げタイ

森田釣竿(鮮魚店店主)  ・【美味しい仕事人】  ロックで魚食文化を盛り上げタイ 

2000年までは世界有数の魚食国だった日本では、急速な魚離れが進んでいると言われます。   そうしたなかで魚と音楽を融合させたフィッシュロックバンドが魚食文化の啓蒙活動を展開しています。   バンド名は「漁港」、リーダーの森田釣竿さん(48歳)は千葉県浦安市の鮮魚店3代目の店主です。  ライブハウスやコンサートのステージではマグロなどの解体や食べ方の説明をやって、若者たちへのアピールに手ごたえを感じると言います。  こうした活動に2016年水産庁からお魚語り部を任命されています。  魚を多くの人々にもっと好きになってもらいたいと活動をしている森田さんに伺いました。

NHKEテレの「「ギョギョッとサカナ☆スター」」総合テレビでも「超ギョギョッとサカナ☆スター」に時々出演。  サカナ君からは船長と呼ばれています。  森田釣竿は芸名です。 

祖父が鮮魚店を創業して72年目になります。   魚はしゃべれないので替わってしゃべってあげないと可哀そうです。  もし自分がアジだったらこう食べて貰いたいとか。  昔は個人店が多かったので食の情報交換があり、食文化が育っていたのではないでしょうか。   今はそういう機会がなくなってきている。  

バンド結成が2000年、メジャーデビューが2004年。 バンド「漁港」の合言葉が「日本の魚食文化を戻したい。」です。   父親から店を継いだがお客さんが来なくなってしまって、たまたま音楽が好きで音楽活動はずーっとやっていたので、遊びのバンドと仕事の魚屋を融合させてやってしまえばいいんじゃないかと思いました。   当時ハードスケジュールでしたが、苦に思わなかったです。  

*「マグロ解体マグロック」  バンド演奏:「漁港」

マグロの解体ライブをやったりします。   マグロはトロ、赤身などの一部に集中しますが、頭、心臓、胃なども美味しく、それでマグロ一匹なんだという事で、余すことなくいただくことでマグロは成仏するんだと言いうメッセージでライブをやっています。     代表曲には「鮪 マグロ節」「鮪 マグロ節」枕崎!勝男武士HUNAMUSHI」などがあります。  

2016年水産庁からお魚語り部を任命されました。  親からはこれからは魚屋は衰退するので継がないで、勉強していいところへ行けと言われていました。  親が苦労して魚を売る姿はかっこいいと思っていました。  美容師などの仕事もしましたが、似合わないのに似合うと言ったり嘘をつくんです。  でも魚屋は嘘を言わない。  やっぱり魚屋は気持ちのいい仕事だと思いました。   仕事とか、魚とかが好きじゃないとお客さんにばれちゃうと思うんです。   魚って正直です。  どんな魚でも目が可愛いんです、正直な目をしているんです。  うちでは魚を丸ごと買ってもらう事を推薦しています。    さばくと小さな魚が出てきたりして、生きてゆくためには小さな魚を食べるし、海の中の世界が見えてきます。  鰹はさばくのには手ごろではないかと思います。  マグロに似て身の部位ごとに調理法によって味が変わってくる。  

一匹の魚に集中して食べてしまおうという事を推奨しています。   一回の食事にいろんなものを食べることに皆さん馴れてしまっています。  例えば鯖だったら半身を酢でしめてしめ鯖にしたり残りを半分にして味噌煮、塩焼きで食べるとか。  アラで出汁をとればお吸い物になる。  昔はそうやっていました。  刺身もつけだれによっても色々楽しめます。  いろいろ試すことで食べ方が広がると思います。   ぶれない、媚びない魚屋さんになりたいと思っています。   一匹自分でさばけば、愛着は湧くし魚に対する思いも違ってくるし、何よりも自分でさばくと美味いです。