鈴木深雪(プレゼン教室代表)・ 【みんなの子育て☆深夜便 ことばの贈りもの】もう一度、子どもたちから教えてもらおう
新型コロナウイルスで一斉休校になった2年前、鈴木さんは子供たちが先生となって、オンラインで受業を行う、ワークショップをはじめました。 自分たちが好きなことをテーマに選び、大人たちの前で授業をします。 鈴木さんは現在43歳、勤めていた会社で数百社へのプレゼンをした後独立し、経営者向けに思考を整理したりする仕事をしています。 ワーックショプは子供の思いを伝える力をはぐくむと注目され、小学校の授業でも採用されるようになりました。
2年前、小学校1年生の息子がいました。 休校になりずーっと家にいました。 何かしてあげられないか悩んでしました。 彼らにプレゼンテーションだったら教えられるなと思いました。 なんでもいいんですが、自分に詳しいテーマを集めて大人の人への授業してもらうというのが、子供の教える学校のコンセプトなんです。 私がプレゼンテーションのやり方を一か月間伝えて、最後は子供先生として発表するという風になります。
印刷会社で数百社へのプレゼンを経験しまして、その後独立し、経営者向けに思考を整理したりする仕事をしています。 子供向けに何かを教えると言うのは初めての経験でした。 私が大事にしているのは、貴方が一番伝えたいことは何、という事を表現していこうと言っています。 例えばテレビを見るのも、夢中になる何か心が動いているからこそずっと見ているんだと思います。 子供のボソっという言葉が意外と真理だなと思う事があって、原点に帰らせてくれるのが息子の存在で、どこの子もそうだと思いますが、大人の視点とは違う視点、価値観、ものの考え方に彼らは生きているという事で、そこから大人は教わることがきっとあるに違いないという仮説の元、子供が大人に教えたら面白いことが起きるんじゃないかと始めました。
最初は5人の子が発表しました。 コロナで暇な時間が出来て、どういう風に時間管理をしていったらいいかと言うようなことを発表した小学校6年生が居ました。 大事なことは主体的にテーマを選んでもらうという事が、大事です。 次に伝えたいことの一番ど真ん中は何なのか、という事です。 それをどう話してゆくとか資料の作り方は技術として伝えます。 本音の部分、感じている喜怒哀楽を知りたいところです。 2年間で480人の子供たちが参加しました。 授業の前後で子供たちは変わります。 積極的に堂々となって行きます。 大人たちの反応か、子供の話を聞いているようで聞いてはいなかったという反応が凄く多いです。 画面で初めて見た子供に涙したという事もありました。
私が立てた仮説が一段落したという事と、480人の子供たちと接することで自分のど真ん中を追求する人間に成って行っているなと思います。 私にたくさんのことを教えてくれているなあと思います。 活動を通して、自分の活動はど真ん中ではないのかなと気づきました。 本来の目的は彼らが持っている素晴らしいものを私たちは聞きたいし、教えてもらいたいから、そのための手段だったはずで、ひずみが出てきてしまっているかなと感じたのが、ブログで表現した違和感です。 技術的な発信力も必要だが、ど真ん中を人に伝えるという事が大事だと思います。 自分の活動のど真ん中も少しずつずれていったことと思います。 どの人も自分のど真ん中をあきらめないで生きて欲しいという事です。 そのことに貢献していきたいと思います。 自分の感性が全く違うように見れるようになってきて、480人の発表の子に見えてくるんです。 その子たちが持っているど真ん中を、今の社会のどこかに散らばっている、現実化してゆくものなんじゃないかと思います。 日常の毎日毎日の瞬間にそっちの未来につながる扉が用意されていると思っていて、イエス、ノーの分岐点がずーっと続いていていると思うんです。 夢につながってゆく方のドアを一つ一つ開けてゆけば、夢へと繋がってゆく。 子供たちの言葉の展覧会を開きたいと思っています。