川口ユディ(フリージャーナリスト) ・日本の温泉交流で得たものは
ハンガリーのブタペスト出身、ヨーロッパの温泉大国と言われるハンガリーから来日したユディさんは温泉大好き。 これまで北海道から鹿児島まで200か所以上で日本の温泉を堪能、恵まれた自然の中で露天風呂や共同温泉に浸かり、会話を楽しみその土地の暮らしや人の魅力を感じると言います。 川口ユディさんに日本の魅力や人々との触れ合いから見えてきたことなどを伺いました。
ブタペストは「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい町で温泉も沢山あります。 地面が薄いために掘るとマグマに近づく、100m掘ると5℃上がり、簡単に見つけられる。 ハンガリーはヨーロッパの温泉大国と言われます。 病気療養で温泉に行きます。 医師からあの温泉のあのお湯で1日3時間入ってくださいとか言われて、全部保険付きです。 病院みたいです、だから小さい時には温泉に行ったことはないです。 町を歩くと飲める温泉があります。 温泉はハンガリー人にとっては大事なところです。
日本に来て温泉にはまってしまったのが、秋田県の乳頭温泉です。 ブナ林が凄いです。 乳頭温泉の色も白くて凄いです。 日本の温泉は硫黄の匂いとかして面白いと思いました。 濁り湯が多いです。 乳頭温泉は20回ぐらい行きました。 主人と私と犬2匹を連れて旅をしていて、データを持っているのが225か所です。 2010年から記録をつけ始めました。 東日本大震災があって東北の温泉地はお客様が減ってしまって、応援の意味でも、東北の温泉はたくさん行きました。
ハンガリーの映画学校で学び、アメリカ、イリノイ州立大学の視覚部芸術学科を卒業。 エミー賞を受賞した子供テレビ番組「マジックドア」の製作スタッフとして活躍。 日本に来てNHKの国際放送でリポーターしたり、報告したり、英字新聞のコラムニストとして20年以上各地を取材。 地方に行くと高齢者に会う機会が多く、年寄りからいろいろ学んで、礼儀正しい生き方を学んで、そういうおばあちゃんになりたいです。 日本はどこへ行っても道がしっかりしていて、安全だし、コンビニはあるし、綺麗な国です。
毎日がハプニングです。 犬を連れてゆくので日帰りが多いです。 車で行って何泊もするときもあります。 93歳で農業をやっているおばあちゃんとも話をしたりして、いろいろなことを語っていただきました。 おおらかですし、勇気を頂きました。 日本での裸の付き合いが出来ました。 ハンガリーの温泉では温度差が低いから水着を着て泳ぐようなところが多いので、日本のような裸の付き合いはないです。
共同浴場では200円、300円からは入れて高級な旅館でも入浴だけだと1000円ぐらいではいれて安いです。 共同浴場では個性があり面白いです。 同じ街でも違う温泉で、信じられないほどタイプがあります。 共同浴場も段々なくなる傾向があります。 世界ではどこに行きたいかと言うとみんな日本です。 日本ではその街でしか食べれないものとか飲めないものが沢山あります。 ですから温泉に行く旅が楽しい。 景色、歴史も楽しいです。
高齢化で旅館などの跡継ぎがいなくて無くなってしまう事もあり、コロナ禍で経営が苦しくなってやめてしまうところも結構あります。 外国人向けのホテルよりも古い旅館がいいです。 不便なところもあるがそれが楽しいです。 日本の地方の良さは全世界の皆さんは感じると思います。 山も海もヨーロッパとは違うし、そのままの自然だけで楽しいです。 今迄行った温泉にもまた行きたいです、だから終わりがないです。 はまってしまって人生は温泉です、みたいな感じです。
日本人は働き者です。 今の日本を復興させたのは、今の年寄りで、日本の宝物は年寄りだと思います。 疲れた身体を温泉に入って疲れを取る、そして日本の宝物に会いたいから温泉に行くというような感じです。