福田清治(市民グループ代表) ・【心に花を咲かせて】過疎化から脱却、木漏れ日の里に!
福田さんが暮らす山口県の北部にある周南市鹿野地区では過疎化、高齢化が進み、多い時には9000人もいた人口が10年後には2000人以下になると言われています。 このままではいけない、地域に人を呼び込もうと活動を始めた福田さんは、仲間と一諸にコナラの木を植えて、ゆったりとした時間を楽しめる木漏れ日の里を作ろうとしています。 どんなところでどんな思いで活動しているのか伺いました。
標高1000m以上の山が3つあります。 津和野、萩に約40分から1時間で行けます。 自然豊かですが、コンビニもなく不便な場所でもあります。 地域の周辺が高齢化して、人が少なくなってきている、という事で危機感を感じたというのが大きな原因かなと思います。 今は2850人で10年後には2000人以下になると言われています。 耕作放棄地はどんどん増えて美しい風景がどんどん失われて来ています。 空き家が廃屋になって行く。何とかしたいと思いました。 ある分岐点を越えると手が付けられなくなって地域の弱体化がどんどん進むことが予想されます。 次の世代には希望を持たせてあげたいと言う思いはあります。
カフェを長年やってきたので仲間もいるので、交流人口を増やそうと或る企画を立ち上げました。 地域の飲食店などと季節的な商品を使ってスイーツを作って期間限定で発信しようとしました。 マスコミにも知れ渡って沢山の人が来ました。 2年ほどやりましたがこのままでは長続きしないのではないかと考えて、地域の魅力を高める、磨き込むという事を宣伝するにはどうしたらいいかを考えました。 盛り返している地域を観察すると雑木林作りしているのを見受けました。(湯布院、黒川温泉など) そこに活動の原点を見出しました。 ゆったりとした時間を楽しめる木漏れ日の里を作ろうと思いました。 コナラを植えるのは湯布院、黒川温泉の流れを取って、統一感のある地域にしたいと思いました。
まずは一本のコナラを植えることにしましたが、人様の土地に植えるので理解してもらうのに苦労しました。 8年間をかけて30か所、本数で89本植えましたが、まだまだ足りなくて長い時間が必要だと感じています。 ボランティアで金がないので、東京の大手企業、財団などに声を掛けていくつか支援をいただいています。 3年前からオープンガーデンをやろうという事で開始しました。 「山野草のエキ」と言う森があり、伊藤芳高さんが92歳になるまで17年かけて築いた森なんです。 或る縁で我々が保存活動していて、これがオープンガーデンの核になっています。 「山野草のエキ」は今では四季を折々の花が次々と咲き、遠く県外からも見学者が絶えない無料で見られる西日本唯一の山野草の森です。 伊藤芳高さんは亡くなられて、保存活動は32名でやっています。 伊藤さんは75歳から始めて、苦労して植えてきたので、見る方もただ花がきれいだと言って観るのではなくて、伊藤さんの苦労も想像しながら観ていただいたら花の見方も全然違ってくると思います。 鹿野にはこんな素敵な場所があるのと、新たな発見の場所があります。
最終的な目標は高齢化と人口減少はオープンガーデンをしたからと言って解決する問題ではないので、人、金、もの、情報が循環し始めて、次の世代が希望を持てると言いう事を何度も考えました。 この地域が繫栄する一つとしてはカフェが10軒、20軒と増えた時に初めて地域の活性化が持続可能で行われる。 古民家の再生、他地域からの家族の移住、地域の食材を使って消費、など様々な恩恵があるので、地域の価値を高めて起業家できやすい環境を整えているプロセスの途中だと思っています。 2025年ごろには道筋を立てていきたい。 この2,3年飛躍的に目標に向かって前進しているかなと思います。 これからは行政とも連携しながら目標に近づけたいと思います。