田中啓昭(こども園理事長) ・【"美味しい"仕事人】食育は畑仕事から
大阪府寝屋川市の保育園では子供達が専用の畑で、子供達が野菜や米を栽培しています。
子供達は土に触れながら、小さな種がやがて食べ物へと姿を変えて、自分の健康や身体を作ってくれる、そんなプロセスを体験しています。
大阪府寝屋川市の認定子供園、ねやがわ寝屋の森こども園、ねやがわ成美の森こども園、ねやがわくこの木保育園では、食を通じて豊かな人間性をはぐくもうという、食育に実践的に取り組んでいます。
子供達が収穫した食材は、給食となりそのレシピは保護者にも提供されて、家庭での食育にもつながっています。
3つの園を運営している社会福祉法人大阪誠昭会理事長の田中さんに伺いました。
稲刈りをもうすぐします。
稲穂が成長する姿を子供達はズーっと見続けて来ました。
専用の畑は300坪ぐらいあります。
地元の農家の方からお借りしています。
全部で200名位います。
0歳児から6歳児迄います。
雑草抜き、水やり等も嫌がらずにやっています。
夏野菜はピーマン、なすび、きゅうり、トマト、オクラなどを栽培し、その後は大根、サツマイモ、玉ねぎ、シイタケもやります。
シイタケが原木から出て来ると子供達は吃驚します。
夏野菜の収穫は随時収穫しますが、嬉しそうにやっています。
自分が植えた苗から収穫すると、子供達の喜びもひとしおです。
住宅街にある畑では虫たちもやってきます。
苗床で農家の方が子供の見えるところで育てて、それを見学して、田植えの前段から見てもらっています。
田んぼに入る時の子供の声は凄くて、泣く声とかはしゃぐ声とか色々な光景が見られます。
稲を刈るときには鎌の説明などもします。
収穫した米は給食で使います。
他に農家で作った米を100%使っています。
保護者への販売もして貰っています。
農家の方には感謝しています。
夏野菜が使いきれない時には、野菜屋さんに販売させてもらっています。
その集めたお金で来年の苗を買う様に循環しています。
ピーマンが好きでなくても、畑から自分で収穫したものは食べます。
「子供を産み育てる感動を地域から社会に広げたい」
昨今幼児虐待などがあるが、密室の中で母親が行き詰まってしまうような閉塞感があるが、親子の絆を広げていただく、強固なものにしていただくという取り組みです。
根本の親子関係から見直しましょう、ということで色々提案しています。
6年間を預かる訳ですが、教育の根幹は家庭にやっていただきたい。
その一つとして食育があるわけです。
①コンビニとか自由に食材がはいるが、食に乱れが起きやすいので、正しい知識を入れて、旬のものを食べて行こうと言う事。
②食育基本法が制定されたが、感謝の気持ちを持つ事、色んな人のかかわりとプロセスがあって出来上がることを知ってもらう。
本当に小さな種から大根ができる、あんなに大きくなることが子供達は体験することになる。
ご飯が楽しくなるための7つの提案。
①季節感を肌で感じていただきたい。
②買い物に子供と一緒に行く。
③図鑑があると子供の探究心を育てる。
④母親とクッキングを一緒にやってお手伝いをする。
⑤プランターでもいいから家庭で育てていただきたい。
⑥作るだけでなくて、片付けもやっていただきたい。
⑦家族で会話を持って食べていただきたい。
取れた野菜やお米を使った料理のレシピを開発しています。
「保育園産のお米」というタイトルで、多くのレシピを掲載しています。
先生とか給食の業者さんを交えて、色々相談して本に纏めました。
色々反響をいただいて嬉しく思っています。
54のレシピを掲載しましたが、試作の段階では300を持ち寄りました。
美味しいものを厳選しました。
企画から4年間かかりました。
54のレシピは給食にも使われています。
園児の家庭とか、園と直接に関係ない方にも広がって嬉しく思います。
きゅうりと蒸し鳥の酢みそがけは一番のお薦めメニューです。
ジャコ、ピーマン乗せスライスポテト 子供が嫌いなものを、カルシュウムへの対応。
おやつは捕食ということで栄養価のあるもの、サツマイモミルクジャムとかがあります。
武庫川女子大学国際健康開発研究所と共同で監修を頂きながら、栄養学の部分を食育に落して保護者の方へ啓発するような活動をしています。
母が学校の先生で幼稚園を開きました。
小さいころから幼稚園の手伝いなどをしていましたので、この仕事に抵抗は無かったです。
普段の食から関係性を持って広げていただきたいと思います。(コミュニケーション)
食を通じて関わりが広がっていけばいいかなあと思います。