島本須美(声優) ・【時代を創った声】
映画「風の谷のナウシカ」のナウシカ役、映画「ルパン三世 カリオストロの城」でのゲストヒロインのクラリス役などで知られています。
高校で演劇部に入ったことが演技に興味を持つきっかけだったという島本さん、来年で声優としてデビューして40年になります。
多くのアニメ作品 に出演しながら洋画の吹き替え、舞台などでも活躍しています。
映画「風の谷のナウシカ」1984年の宮崎駿監督の作品、戦争による科学文化が崩壊した後、汚染した大地に住む虫と人間たちと自然との共存について、風の谷という村の姫の役。
初めての主役を頂きました。
アニメーションって、「声出せ声出せ」とよく言われてたが、心の中をつくっていないんだ、薄っぺらな芝居をしているんだ、だから声を出しなさいと言っているんだと言うことが今は判ります。
大先輩たちに囲まれてやっていました。
1979年映画「ルパン三世 カリオストロの城」宮崎駿監督 初めての宮崎駿監督との出合いでした。
『赤毛のアン』の主役のアンのオーディションの最終選考まで残り、結果は山田栄子さんに決まったが、宮崎駿監督の指名で『ルパン三世 カリオストロの城』のオーディションに参加、結果クラリス役に決まりました。
クラリス役は声優デビュー1年目の時で、凄く緊張しました。
いろいろドジを踏んでしまいました。
高知県高知市出身。
おてんばで、気が強い子供でした。
高知商業高校で演劇部に入りました。
役者の道を目指そうと思いました。
桐朋学園大学短期大学は俳優座の受験資格が出来たので、そこに行こうかなと思い、受験して受かりました。
運動神経はよくて、中学は体操選手、高校では体操部が無くて演劇部に入りました。
人の前で演じるということと、それを見た人達の反応が生で感じられて、嬉しい気持ちがありました。
俳優座の受験資格は3年でしたので、専攻科に進みました。
その間、仲間と小さい劇団をつくろうと言うことになりましたが、色々大変なことが判ってきて、迷って、結果私だけ逃げて劇団青年座を受けました。
初井 言榮 (はつい ことえ)さんから私の付き人になって現場に付いてきなさいと言われて、1,2カ月やらせていただきました。
そこでは一杯色んな事を学びました。
青年座には10年いました。
色んな中の仕事の一つとして声優の仕事をやりました。
『ザ☆ウルトラマン』ではヒロインの星川ムツミを演じて初レギュラーになりました。
同じ年に劇場用アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』でゲストヒロインのクラリスを演じることになりました。(青年座で2、3年目の頃)
声優は声だけで表現しているから、一言に心を込めている。
映像の世界で頑張っている人が声の世界に来た時に、自分の姿が見えているうえでの声の出し方をしているので、アニメーションが余り描かれていない場合は声が薄くなってしまうことがある。
私達は補いながら心をこめて言っているので、そこに大きな違いを感じたりしています。
私は声帯が弱くて声が全く出なくなってしまった時も有ります。
声が出るまで1カ月ぐらいかかりました。(2回程ある。)
風邪をひかないように注意するように心がけています。(食べ物、予防措置)
自然の大切さ、人への思いやり、優しさ、色んなものを教える事が出来るということはいいなと思います。
そういったことが声優の一つの仕事なのかなと思います。
若い人たちはアイドル声優に憧れている。
アイドル声優は歌が歌えて、ダンスが出来て、イベントに参加してと言うふうに昔のTVのアイドルと同じようなことを声優に求めているところがある。
アイドルの期間は短い。
本当の自分の声で勝負できるところを見つけておかないと、ある時期で終わってしまいますよと言っています。
オリジナリティーが無いと残るのは難しいと思う、個性を大事にして欲しいと思います。
辛いと思いながら長い人生を過ごすよりも、毎日楽しいことを一杯考えて生活してほしいと思います。