滝野文恵(シニアチアダンスチーム代表) ・人生も、弾んで踊って楽しんで
滝野さんは90歳、60歳の時にチームを結成し、今も現役で練習に励んでいます。 今年11月にはその成果を披露するチャリティーショーを開催するそうです。 チアダンスを始めたきっかけや新しいことを挑戦することの心構え、人生を楽しむコツなどを伺いました。
チャリティーショーでは10曲ぐらい出すので、ゲストを呼んで1時間半から2時間ぐらい、4組に分かれて1人が4~7曲踊ります。 全員で踊る曲が3曲あります。 私は全部で4曲踊ります。 メンバーは全員で23名、平均年齢は70歳です。 日本で最初に始めたシニアチームなので老舗と言った感じです。 入会資格があり、55歳以上、容姿端麗(自称)、という風になっています。 衣装は年に一回ぐらいは注文しています。 きらびやかな衣装を着たり、お化粧をしたりすると気分が違います。 練習は30分の柔軟体操と1時間半の踊りです。 その後1時間ぐらい自主練習をします。
先生が曲を選んで、年2曲を習います。 ビデオを撮ったり自分でメモ書きしたりしています。 練習は週一回で後は自宅で振りをやっています。 団体で踊るので合わないと問題なのでそこが大変です。 新しい方は振りは覚えてもフォーメーションがなかなか覚えられない。 結構頭を使わないといけない。 27年間やってきました。
チームを結成したのが1996年、63歳の時でした。 アメリカでチアのシニアのチームがあることを知りました。 やろうと思って郵便番号を書いてリーダーのところに手紙をだしました。 奇跡的にリーダーの方に手紙が渡りました。 その方がたまたま長くパートで郵便局に長く勤めていて、郵便局の人がきっとあの人だという事でリーダーさんに渡りました。 すぐ返事が来ました。 折り返し手紙を出したりしてやり取りを重ね写真などいっぱい送ってもらいました。
友達に話をしたら、4人ぐらいが乗ってきました。 青学に行って、教えを請いに行きました。 年に1曲ずつやっていましたが、7年目にチャリティーショーを始めました。 勇気、元気を差し上げることが出来ることをその時実感しました。 世の中への還元と言う思いもありました。 手土産のやり取りはいろいろややこしいのでそれはこのグループではやらないことにしました。 なかなかこれが難しくて徹底するのに数年かかりました。 年賀状、冠婚葬祭など一切禁止でやっています。 練習は夜6時から8時までで、早く帰宅したいという事でつるんでその後どこかへ行くという事もなく、それも長く続けられてきた要因かもしれません。
1932年(昭和7年)生まれ。 関西学院大学を卒業後、1年間アメリカに留学、25歳で結婚、2人子育てが終わって53歳の時に再度アメリカに留学、老年学を学び老年学修士号を取得。 両親から進学してほしいと頼まれました。 専門学校に行って1年行ったら短期大学に替わりました。 乗馬を見てこれだと思って、乗馬をするには関西学院大学しかないという事で関西学院大学に入ることにしました。 卒業後、父が自立できるようにならないといけない言うことでアメリカに留学することになりました。 色々あって52歳で家出しました。
父は世間から見れば成功した人生だと思いますが、最後の半年が寝たきりになり、自分の人生は無だったとかすごく嘆いて、これ以上食べると長生きするから食べたくないとか、言い出したらしいんです。 そのことは父が亡くなってから聞いました。 物凄いショックでした。 寝たきりになる前は、自分は寝た切りになっても絶対人生最後まで楽しむと豪語していました。 寝たきりになっても、スイッチボードを作って音楽が聴けたり、テレビが観れたり出来るように自分で準備していました。 でも嘆きの人になってしまいました。 関西にいたので月1回程度会いに行っていましたが、結婚生活もいろいろあって、子供のために犠牲になって愚痴ばっかりいう人生は厭だから、兎に角家を出ようと思って家を出ちゃいました。(息子が就職した年) 53歳の時に米国へ再留学し戻ってきてチアダンスチームを作りました。 スカイダイビング、ウクレレ、語学の勉強などいろいろ挑戦してきました。
世間の人がどう思うんだろうという事は比較的ないです。 自分の人生だからしたいことをしないと、周りの人から言われて辞めるという事は自分の人生ではないんじゃないかなと思います。 大事なことは相談しないです。 チアをやってきたことで友達も増えたし、身体も健康で、脳への影響もよかったのかなと思います。 娘は近くなのでちょこちょこ来てくれますが、息子はそれほどでもありませんが、今は子供たちとも仲良くやっています。 健康食はあまり好きではなく、食べたいものを食べて飲みたいものを飲んでいます。 面白くなくても笑えと、そうしたら楽しくなると思います。 笑顔を作るという人がいますが、或る程度本当じゃないかと思います。