2022年9月12日月曜日

石原良純(気象予報士・タレント)    ・【師匠を語る】 森田正光

石原良純(気象予報士・タレント)    ・【師匠を語る】  森田正光 

石原さんは1997年に気象予報士になりました。  その石原さんが師として仰ぐ気象キャスターの森田正光さんについて伺いました。

最近は異常気象とか天気の話題が多いですね。  大変な時代になって来ちゃってるよねというようなことは森田さんとは良く話に出ます。   2008年に環境サミットがあり、いろんな予想が出て、それが当たっているよねというような話も出ます。  

森田正光さんは1950年(昭和25年)愛知県名古屋市に生まれます。  財団法人日本気象協会を経て、日本で初めてフリーのお天気キャスターになったのは1992年(平成4年)、同時に民間の気象会社を設立して多くの後輩を育成する一方で、親しみやすい解説で人気を集めてテレビのお天気キャスターの代名詞のような存在になりました。

森田さんから「気象予報士になったらどう。」って勧めてくれたことに感謝しています。  空のことを伝えることの大切さを教えてくれました。   神奈川県の逗子市で生まれ育って、海辺に立つと水平線の上は全部空で、梅雨明けの頃に山には雲があるが街には雲がないことがあり、不思議に思いました。  年に何回もあるわけです。  気象予報士制度が出来たことを知り、或る時クイズ番組があって森田さんにお会いし、疑問に思っていたこととか天気の話をしました。  気象予報士制度が出来てそれを勉強すると疑問が解けるよと言われました。   一般気象学という大学の本があり、読んで勉強すれば気象予報士に成れる最低限の知識が得られると言われました。   森田さんは一回目の気象予報士試験に落ちたんですが、法律に関することなどは何も勉強しないで行ったようです。  森田さんが落ちなければこんなに気象予報士制度は注目されなかっと思います。  

地球にある水の97%以上は海水、次に多いのが氷、地下水、川、湖とかの水があって、動植物も水を含んでいて、その残りの0.001%ぐらいの水が空気中にあります。  太陽の熱エネルギーで大気が動くと、或る状況で水蒸気が集まる状況が出来る。  集まった水蒸気が飽和状態になると液体や固体になる、それが雲粒です。   上昇気流とかで雲粒がくっついて雨粒が半径1mm、雲粒が半径0.01mmです(雲粒が約100万個集まると雨粒になる。)。   太陽、地球、空気、水の4つがあるから起こる現象です。  雲になるのも理屈があるんだという事が判りました。  1995年(平成7年)3月に第3回気象予報士試験がありました。  3,4か月の期間があり受けましたが、落ちました。(学科は合格したが実技で落ちる。)  次の試験には合格しました。     森田さんとしてはみんなに天気予報に興味を持ってもらいたいという思いがあり、僕のような門外漢が天気予報士になることによって注目されることを願っていたんだと思います。   

気象情報を活かせて安全に暮らしたい、それには予報技術があって、伝達技術があって、避難してもらう事が大事で、この3つが連動しないといけないという事を森田さんは気付いていた。  島川甲子三さんという森田さんの師匠がいて、NHKの名古屋放送局のアナウサーでその前身が名古屋気象台の予報官なんです。 昭和34年の伊勢湾台風の時に危険だという事で情報をもって役所を回ったそうです。    土曜日でそのまま机の上に置きっぱなしとなり、日曜日の未明に大災害になってしまった。   そこで島川さんは予報だけやっていては駄目だと思ってアナウンサーになります。  森田さんも同じ道を進むわけです。

2000年ぐらいの時に癒し系のブームがあり、フジテレビのプロデューサーの方が私の言動を観ていたらしくて、「良純さんは空の話を楽しそうにしている。 是非空の楽しさを伝えてもらえませんか。」と言われて、自然の美しさ、楽しさの裏には凶暴な一面を持っているので、楽しさを知って貰って次に怖さを知って貰うということ、そういう事なんだと思いました。  空を観ようという事を伝えていきました。   空を観るという事は気分転換にもなるし、天気予報より有効な手段に使える。  森田さんが島川甲子三さんの思いを踏襲されていることと一緒だったなあと思いました。  

令和4年3月31日現在で、気象予報士として登録されているのは1万1251人です。    顔見知りに言われると行動に移るので、気象予報士の相談、仕事はこれからは増えてくるだろうと思います。   

森田さんへの手紙

「子供のころからの謎を、「科学が証明してくれますよ。」という森田さんの一言が、僕の気象学、そして気象予報士の始まりでした。  ・・・気象学は遥か宇宙から地球を眺める神の眼を持つ学問であることに感動しました。  ・・・僕のような門外漢にも優しく手を差し伸べてくださる、一人でも多くの人に天気の面白さを伝いたいという熱意が僕の合格を手伝ってくれたんだと思います。・・・天気の面白さ、楽しさを知って貰う、楽しさの裏返しが恐ろしさなのだから、楽しさを知って貰えればおのずと気象現象の怖さも理解してもらえる森田流のウエザーショーを僕も踏襲させてもらいました。  ・・・予報と、伝達と避難の3つが円滑にいくことに努力される森田さん同様、これからも現場に臨んでいきたいと思います。・・・」