2022年9月18日日曜日

寺本英仁(地方創生プロデューサー)   ・【美味しい仕事人】 グルメで地方を元気に!

 寺本英仁(地方創生プロデューサー)  ・【美味しい仕事人】  グルメで地方を元気に!

島根県邑南町、かつて消滅可能都市に数えられたこともありました。  しかし2004年からはじめた地域の食材を生かしたグルメの街作りの取り組みで820人ほどの若者が移住し、20数件の飲食店が生まれました。   その仕掛人は今年の春まで邑南町役場に勤務していた寺本英仁さん(51歳)です。   寺本さんは高原野菜や石見和牛など地元が誇る食材と料理人を結び付けて、町内に起業する人を呼びこんで、さらに研修制度によって料理人を目指す若者の育成も図っています。  28年務めた役場を退職した寺本さんは過疎という同じ課題を持つ全国の自治体を結び、現在地方創成プロデューサーとして活躍しています。 

公務員は退職しましたが、公務員という気持ちは捨てて居なくて、世の中のために働きたいと思っています。    自分が違う立場で公務員を応援できるような仕事が出来たらなという風に考えて今回決断しました。   現在は「にっぽんA級(永久)グルメ連合アドバイザー」に就任。   北海道鹿部町、島根県邑南町、壱岐島西ノ島町、宮崎県都農町の4町を永遠にこの地の農業と食を残してゆくというところの理念を共有して、一緒にやって行こうという事で盛り上げていっている状況です。   拠点を千代田区のプラットホームサービス(株)に移して、全国の50自治体と連携できるように目指して活動しています。  

邑南町も平成16年10月に市町村大合併をしました。(当時30歳ぐらい)   石見町の職員でしたが、人口減少も激しくこのままいくと地域経済が立ち行かなくなるのではないかと思いました。    食べることはみんなが関心があるので、食で街おこしを考えました。 本庁の観光課に異動になりました。   人口が減って来ると地域でお金を循環してゆくことが難しくなってきます。   当時宮崎県の東国原知事が地元の食材を東京にPRしているのを観て、田舎では特産品を東京にPRしなければいけないのではないかと思って、町長に外に(東京)物を売って行こうという事になりました。  特産品販売を自治体がネットショップをやってゆくという事を行いました。  故郷納税(平成20年)の前にやったことです。  石見和牛を売り込みに行ったんですが、要望の量を賄う事が出来ませんでした。1万人の町から市場に出すのは難しいと思いました。  

邑南町に食べに来てもらったらいいのではないかと発想を変えました。(平成23年)   20店舗ぐらいしかなかったが10年間で50店舗ぐらいになりました。    最初は魅力あるレストランが見当たらなかった。   直営の超高級のレストランを考えました。   東京のレストランの人に声を掛けてシェフに来ていただきました。   本当においしいものは地方にあると思っています。  ソムリエ、パティシエの方も呼んで平成23年にオープンして、銀座のランチよりも高いと評判になりながらも大繁盛しました。   料理人を育ててゆくことをやって行かないと長続きしないと思って、「耕すシェフ」という事で、農業と料理を3年間邑南町の農家の方と一緒に勉強できます、という事で研修制度を始めました。     総務省の「地域おこし協力隊」という事業があり、都会の方に3年間田舎で活動してもらうという制度を活用してうまく予算を使って行いました。   「耕すシェフ」の研修が終わっても地域に残れるというのがこの制度の画期的なところだと思います。  この研修生が10名起業していただいて、飲食店を増やしていただいています。  併せてほかの若い人が来て50店舗になっています。   

石原先生はそば通でそばを邑南町で広めたいという思いがあり、邑南町ではそばの文化はなく、稲作だったが高齢化が進み辞める方も多くなり、そばを蒔くことで耕作放棄地対策をしていこうという事で、そばの学校を作ってイタリアレストランと同じようにやればいいのではないかという事で、学校に弟子入りした人が7店舗立ち上げ、そばの普及をしています。

この町で事業をやって行きたいという覚悟を持てるような人材を作って行かないと、なかなか地方創成は進まないんじゃないかと思います。   食や農業を勉強するだけではなくて、起業のやり方を勉強することで、銀行と提携して「実践起業塾」という事をやったり、いろんな勉強会などをやる事によって邑南町で頑張ってゆくという人を増やすことをやってきました。   空き家を利用して地域の方がお金を出し合って、株式会社を作ったりして回収して、回収された空き家に移住者を受け入れてあげて、家賃だけを払ってもらって、「0円起業」という風に名付けて活動しています。  地域の方が一緒になって応援してゆくと、いろいろな形でのかかわりが出来てきて、地域で応援してゆくシステムが出来てきて、いろんな方を巻き込んでゆく方が長続きしてゆくのではないかと思います。  笑顔があるところに地方創成は生まれると思います。  邑南町では874人の若い人が帰ってきています。(人口の1割近く)  食をキーワードに日本の田舎を元気にしていきたいと思います。