2022年8月12日金曜日

亀山亮(写真家)            ・沖縄戦の記憶を写す

 亀山亮(写真家)            ・沖縄戦の記憶を写す

亀山さんは」戦争を理解したいという一心で、世界の戦場を撮り続けています。  アフリカを8年に渡って取材した写真集『AFRIKA WAR JOURNAL』は第32回土門拳賞を受賞しました。  沖縄で長期の撮影を始めたのは2015年からで、沖縄戦の体験者に出会ったのがきっかけでした。  沖縄本島や慶良間諸島で行われた集団自決には、沖縄戦が日本独特の戦争であったことに気づかされたと言います。  言葉では語りがたい体験をした人たちから当時の記憶を写真とインタビューで取材し、その記録を「戦争・記憶 沖縄戦と集団自決」にまとめ、去年出版しました。   現在、メキシコで取材している亀谷さんに電話で伺いました。

*電話でかつ早口のため聞きづらい状況で内容に齟齬があるかもしれません。

メキシコは2015年から始めていて、麻薬組織、移民の問題など取材しています。   北米自由貿易協定が1994年に出来て、メキシコとアメリカの関税がなくなって、日本の自動車工場がメキシコにいっぱいあります。   1996年から取材をしています。(20歳)   中東、アフリカの紛争地に取材に行きました。  2000年にコロンビアに行って、メキシコの状況と似ていました。 毎日人が殺されていて、なんで殺されたのか、誰に殺されたのか判らない状況でした。  パレスチナ地区で取材中に左眼を撃たれて失明しました。 

アフリカを8年に渡って取材した写真集『AFRIKA WAR JOURNAL』は第32回土門拳賞を受賞しました。  アフリカの7か国の紛争地を取材した写真集です。   バックグラウンドとか何が起きたかなどなかなかわからない状況でした。   僕の父親が、(僕が?)24歳の時に自殺してしまって、死に対すること興味を持ち始めて、アフリカに行っても表面的な争いよりもその人のなかにある存在する戦争みたいなもの、どこで起きたとか、時代とかは関係ない。

15歳の時からカメラを撮り始めて、三里塚闘争を続ける農家を取材したことを皮切りに活動を始めました。   現在は八丈島で暮らしています。  海が好きでもりで突いたりしています。   

沖縄には住んだことがあって、2012,3年に沖縄の北部で揉めている地域があって、オスプレイの発着所を作るという事でした。   沖縄に取材に来た時にたまたま沖縄の集団自決 の方にお会いして、取材を始めました。    なかなか話をしてくれる人にはお会いできませんでした。  座間味諸島というところがありますが、取材を始めました。  集団自決に関しての写真となると難しいです。   「戦争・記憶 沖縄戦と集団自決」にまとめました。  2021年9月に出版しました。  モノクロームの写真と実際に出会った体験をした方たちへのインタビューが一緒に文字として記載されている。 

集団自決とは、日本軍から、米軍の捕虜になることを禁止されたという事で、捕虜になるんだったら自ら命を断てと言われて、自分ではなかなか死ねないので、隣人、家族同士で命を奪い合ったというような、背筋が凍るような出来事でした。  若い男は戦争にいって、高齢者、女性、子供しかいなかった。   1945年3月にアメリカ軍が慶良間諸島,阿嘉島に上陸、阿嘉島では集団自殺はなく処刑されている。   慶良間諸島だけで自決した人は569名という数字がある。   

集団自決に軍の関与があったという事を認めた判決が平成23年4月です。  渡嘉敷島のKさんは当時8,9歳で自分と姉と母親と山に逃げて、自分だけは生き残れたが、家族は全員殺されてしまった。  体験したことは心の中にずーっとしまっておいた。   集団自決に軍の関与があったという事を認めた判決に至る時に、自らの体験を裁判の場で金城さんは証言しました。   金城さんとは2回会いました。  学校の先生をしていた方です。   身内にも話したことはなかったそうです。   キリスト教の宗教に出会ったことで乗り越えられたんだと思います。   沖縄キリスト教短期大学の学長まで戦後になった方です。

集団自決の最中に、首を激しく叩かれて、でも死んだふりをして生き延びた方もいます。  彼女は或るきっかけを機会に後世に残したいとしゃべってくれました。    遺骨をずーっと拾い続けている国吉勇さんという方がいます。   ガマ(防空壕的な役割)には今でも遺骨が眠っている。    今は体調が悪くなって遺骨の収取は出来なくなりました。 

日本人の精神構造の中にずーっと続いていて、その構造は一緒だと思っていて、忖度とか、長いものには巻かれろとかあり、戦争とか災害とか極度の状況が出来てくると、強烈なリアクションをして、強烈な結果を生む、それはこれからも起きる事だと思います。  善悪論とか人間論とかで判断できる問題ではなく、戦争が始まってしまうと勝ち負けは関係ないし、全員が敗者で・・・・・。