宮地尚子(一橋大学大学院教授・精神科医) ・【ママ☆深夜便 ことばの贈りもの】右も左も分からなくても
兵庫県生まれ、59歳 大学院ではトラウマやジェンダーなどをテーマに授業を行い、精神科医としては子育てや母親を取り巻く様々な問題に対してつづった著書もあります。 どうしたらもっと肩の力をぬいて子育てができるのか、また先が見えないコロナの時代、私たちはどのようにして生きればいのか、2歳と3歳と子供の母でもある江崎アナウンサーが聞きました。
不安であるということを共有しあうことが大事です。 体を動かすことをすると気もまぎれます。
死にたいと思う時はどんどん視野が狭くなっていきます。 些細なことでも他人と話をすることはとても大事です。
出来ないことのほうが人と繋がる力になるのではないかなあと思っています。 私は右と左が判らなくて、判る人が何で右と左が判るのかが判らないんです。 わからない人と話したくてホームページに書きました。 みんなの前で違う事をしたと言って笑うという事、そういうのは良くなかったんじゃないかと思いました。
ホームページを見てメールをいただいた身近な人で、非常に個性豊かで才能豊かだったりする人も多かったりします。
人間の心に興味がありました。 人について知りたいと思ったのがこの道に入ったきっかけです。 自分のことは一番わからないのではないでしょうか。 外から自分は見えない。
弱さ、コンプレックス、劣等感、などはその人の行動は本人が気づかないところで、規定しているんだなあと思うことが多いので、その人の弱みや欠点が実は長所だったりすることもあるので、ある程度はわかって来たんですかね。
「母が生まれる」 著書 子育ては本当に大変ですが、外から見ると出来て当たり前ですよね。 適当に手を抜くことは難しいし、手を抜くと罪悪感が生まれ、どう考えてもお母さんは時間が足りない。 違和感を感じて、自分の経験も踏まえてもうちょっと肩の力を抜いていいし、手を抜いていいし、もっと別のところに力を注いで楽しんだほうがいいと思って書きました。 母も初心者だし周りもそれに気づくことが大事です。
私の場合、弱みを子供に打ち明ける、失敗談をよくします。 完璧なものよりも抜けている親とか、そのほうがホッとするし、会話も弾むので失敗談をします。 大人との間でも失敗談をするとみんな失敗してい居るよね、といった感じでお互い繋がる感覚があります。
幼稚園受験、小学校受験とか、レールを敷くとやっぱり子供はつまらない。 人間はやっちゃいけないといいことのほうが楽しい、与えられたものだとつまらなさがある。
子供が好奇心を持って自分で言ったところには何か子供が求めているものがある可能性は高いと思います。 いろんな人に出会えたほうがいい。 勉強だけに縛られるの悲しいことです。 人生っていかに楽しめる能力を身に付けるかでとても違うと思います。
自分が役に立つ経験をすると、とっても子どもに取っては自信になったり、存在感を持てる、生きてゆくための核になると思います。
学生との間でも、与え過ぎないとか、変えようとしないとか、いろいろ特性を持っているので自分で自分を育てる能力を育てたいと思います。 本人から答えなり方向性を見出してもらう事を考えています。
悪いところを直さなければというような、自分にあるネアガティブな反省会モードに気付いてそれを変えてみて、出来たところに注目して丸のところをたくさん見るとか、変えてゆくと楽になるかなあと思います。
時には子どもの前で泣くのもいいと思います、泣いた後にこういうことがあってつらくて泣いたというように、子供に説明してあげることもとっても大事だと思います。