佐藤和哉(篠笛奏者) ・【にっぽんの音】
佐賀県唐津市出身、中学生の時、地元の祭り“唐津くんち”のお囃子の練習に参加して、初めて横笛に触れる。 少年時代は、ピアノ(小学校)、ドラム(中学)、ギターに弾き語り(高校)など音楽に没頭。 大学在学中に篠笛、和太鼓の演奏を聴いて笛でも普通に楽しめる音楽ができるんだという事を知って、篠笛をやっていこうと思いました。 現在は各地の演奏会で演奏を行うほか、作曲家としても活躍。
“唐津くんち”は江戸時代末期から盛り上がってきた祭りで、14台の山車が街の中を練り歩きます。 秋の例大祭で11月2,3,4日と3日間行われる日本でも有名な祭り。 お囃子のメインになるのが太鼓と笛と鐘です。 太鼓は大太鼓と締め太鼓を一人で、鉦も一人、 笛は7,8人が山車に乗ります。
“唐津くんち”が好きで中学生の時にお囃子の練習に参加しました。 笛というと祭りの為だけにやっていました。 唐津の笛も古典調なのでドレミができなかった。
大学生の時にドレミに調律されている笛があることを知りました。 大学卒業後、洋楽器をやっている自分に違和感を感じていて、海外(トルコのイースタンブール)に行ったときに日本人だという事を実感するときがありました。 そういう思いをガツンと覆したのが篠笛でした。 ドレミに調律された笛と出会って、これだったら自分の中から生まれてくる音楽を日本らしい音で表現できるんだと感じました。
自分の音楽が人の役に立てるかもしれないと思えた瞬間でした、それでプロになれるかもしれないと思いました。 どれだけ心を籠められるのかという事が必要不可欠だなあと思いました。
2013年NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』主題歌「雨のち晴レルヤ」(ゆず)には、モチーフとして自身作曲の「さくら色のワルツ」が採用される。
*「さくら色のワルツ」 作曲、奏者:佐藤和哉
とてもやさしく、癒される曲
曲を作る時には僕の場合は自分が感動することが第一で、笛の音がどんな風に流れたらこの景色が感動的になるんだろうと思った時に聞こえてくる感じがあります。 頭で聞こえてくる旋律を口笛にして録音します。 それから主旋律が出来上がってきます。
*「遠い雲の上」 作曲、奏者:佐藤和哉
僕が感じる日本の音は梵鐘です。 海外の自然の景色の中に梵鐘の音がゴーンと鳴ると、瞬間にその景色が日本を帯びるような不思議な力があると感じます。
コロナの為、オンラインサロンとして景色のいいところで演奏して、動画にとって配信しています。 笛で景色を彩る全国観光大使をやりたいです。
*「唐津曳山囃子」 奏者:佐藤和哉