森 功至(ナレーター・声優) ・【時代を創った声】
森さんは子役出身でサイボーグ009や科学忍者隊ガッチャマンなどのアニメの主役を演じると共にナレーターとして多くの番組のナレーションを担当してきました。 声優と呼ばれる事に抵抗を感じるという森さんにこれまでの苦労を始め声の仕事の魅力などについてうかがいます。 自動車レースのアニメマッハGoGoGo(第1作)の主役三船剛、サイボーグ009(第1作)の島村ジョー、科学忍者隊ガッチャマンの大鷲の健役など多くのキャラクターを演じてこられました。 又多くの吹き替えやナレーションなどを務められ現在も活躍中です。
7月に無観客でのトークショーをやりました。 ゲストで井上和彦さんもお迎えしてネット配信でやりました。 あがり症というか、ナレーションをやっていましたが、しゃべる前に手にびっしょり汗をかいてしまいます。 何年やっても緊張してしまいますが、しゃべり始めると忘れて行っちゃうという感じです。
ある放送局で主役のオーディションがあって、母親が応募しましたが、オーディションが終わった翌日に届いて、母親が交渉してまたの機会にしてくださいと言われてしまいました。
又親に連れていかれた処があり、そこの児童劇団の面接に受かっていまに至っています。
映画の仕事をしていましたが、子役から段々歳を重ねていって壁を感じて、ある時に大人のプロダクションに入っていきましたが、人生経験が浅いため自分の引き出しが少なくてどう表現していいかわからない。 役者としてはへたくそな役者でした。
この世界は向いていないのかなあと思って、一時期この世界から足を洗ったことがあり、床屋さんの専門学校に1年間勉強して、卒業試験に2000円必要だったが2000円がなくて卒業試験を受けられなくなって断念しました。 また戻ってきましたが、もう一回辞めたい時期がありましたが、デスクをやらないかと言われて、やっていたらマネージャーに配属されましたが、そこがとても面白かったです。 人の気持ちを自分に振り向けさせることが面白かったです。
外国映画のホームドラマがあり、オーディションを受けて以来この世界にどっぷり浸かっています。
何でもかんでもポジティブに考えています。
アニメマッハGoGoGoの主役を担当することになりましたが、楽しくてしょうがなかった。
顔出しの仕事はそういつまでもいい役ばっかりやれないなあと思っていましたので、役者生命として考えるとどうしたものかと思っていたら、アニメマッハGoGoGoと出会って、声だけなのに芝居がすごくて、声だけでこれだけ表現できるんだと思って、先輩たちの所属している事務所に入れてもらいました。
マッハGoGoGoの翌年、1968年がサイボーグ009、タイガーマスク、科学忍者隊ガッチャマンの大鷲の健役、宇宙の騎士テッカマンの主役、など担当してゆきました。 恵まれていたんだ、ラッキーだったと思いました。 今だったらたくさんの人がいてオーディションには受からないと思います。
先輩たちは役者で声の仕事もしていたので、声優という言葉ができても俺は役者だというように言っていて、私も同様にこだわりがあります。
アニメは夢を売る仕事で、僕が声のお手伝いはしているが、僕がその役ではない、アニメのほうのキャラクターで、顔なんか出すべきではないと思っていましたが、インターネットなどの時代になると古臭い概念は捨ててもいいんじゃないかなあと思うようになりました。
40歳ぐらいからナレーターの仕事を始めましたが、まったく違います。
ナレーションは僕そのものです、演じているんではないんで、自分がこれを表現する。
歳をとればとるほど同じ原稿を読んでいても滲み出てくるものが全然違うので、常に勉強だと思います。
その時その時感じたことを声に出しています、ハートがないと伝わらないんです。
いかに自分を客観視できるかどうかが大事です、でも教えるという事は難しいです。