2019年1月15日火曜日

大江英樹(経済コラムニスト)         ・"定年起業"は自由への扉

大江英樹(経済コラムニスト)              ・"定年起業"は自由への扉     
66歳、新聞や雑誌への原稿の連載やTV出演、年間100回を越える講演で活躍する経済コラムニストです。
大手証券会社で個人営業の仕事をしていた大江さんはその後、社内で確定拠出年金に関する教育に携わりました。
60歳の定年後、会社の再雇用制度に応募したものの、僅か半年で会社を辞め自分の会社を設立、定年前に担当した確定拠出年金に関する教育やサラリーマンの定年後の生活支援を事業の柱にしました。
ところが仕事は簡単には来ない状態が続きました。
大江さんはこうした状態をどうやって乗り越え、経済コラムニストとしての道を切り開いて行ったのか伺いました。

現在新聞、雑誌の連載が10本抱えている。
3日に一回締め切りが来ます。
セミナーの回数も140回やっていますので、ほぼ2,3日に一回の割合でセミナーをやっていて、その合間に原稿を書くという、こんな日々です。
何を書くかという情報収集が大変です。
ネットで情報を得ると言う事も最近はありますが、中にはいい加減な情報もありますので、複数のニュースソースを調べたうえで原稿を書きます。
大手証券会社を志望した訳は等に無かったです。
就職しようとしていた1973年、日本列島改造論が叫ばれて景気もよかったが、株価も高かったですので、証券会社の採用も多かった。
支店に配属されて、個人を対象にした営業の仕事でした。
自分でお客さんを開拓していきました。
クレームが色々ありますが、一番大事なことは逃げずにお客さんに会うことです。
25年ぐらいは個人の営業をやっていました。(約3万人のお客さん)
お客さんから色々といい勉強をさせて貰いました。
本社に異動になって確定拠出年金の仕事を始めました。(2001年)
加入しているのは700万人位です。
個人型確定拠出年金に加入しているのが100万人位です。
管理運営を企業がやる訳ではなくて、個人一人ひとりが行うと言うことです。

資産運用をやったことのある人は非常に少ない訳です。
従業員に対して投資教育をしなさいと言う法律があるので、事業主は必ずやらなければいけない。
その投資教育の仕事をやっていました。
1500社の企業を担当していました。
投資教育をすることによって知識を広めて行って、新たな投資家を育成するとか、拡大する事になるわけで、当初頑張ってやろうと言うことになりました。
収益を生み出す事業ではないので本流というふうにはみられていなかったです。
50歳ぐらいからこの仕事をやっていました。
54,5歳ぐらいまでは定年が待ち遠しかった、定年になったら絶対仕事はやるまいと思っていました。
今忙しくてできなかったことを一挙にやろうと思っていました。(旅行、音楽、読書等)
毎日が日曜日になるとどうなるのかを考えると、微妙に変化していきました。
高齢者雇用安定法が改正されて、60歳以降の雇用については、自分が希望すれば最長65歳までは雇用を義務付けると言うことに変わりました。

会社の再雇用制度で65歳までは働き続けようと思いました。
管理職ではなくなり、責任権限も全く違うものになりました。
自分が想像していたものとはかなり違うものでした。
どうやって働いたらいいのか判らなくなりました。
起業するという事も真剣に考えた方がいいのかなと思いました。
定年記念旅行という事でクロアチアに旅行しました。
「どんなに黄金を積まれても、決して自由を売り渡してはならない」という言葉がありまして、雷を打たれたような気持になりました。
会社を辞めたら自由じゃないかと、定年を迎えるまで会社に雇われている必要は無いと思いました。
再雇用に応じたものの半年で辞めました。
起業するための準備活動を再雇用になってから始めました。

確定拠出年金に関する仕事をやっていたので、これを仕事にできないものかと考えました。
中立的な立場で情報提供したり、投資教育をするという事の方が事業主さんには受けるのではないかと考えました。
年金がもらえるので大変な決断という訳ではなかった。
最初の一年ぐらいは仕事はほとんどなかったです。
肩書きが無くなった人に対しては世間は冷たいです。
仕事以外の趣味の集まりなどの会合に顔出しているうちに、講師をやって欲しいとの依頼が来るようになりましたが、最初講師料は貰いませんでした。
そうこうしているうちに声がかかってくるようになり、講師料を払ってくれるような処が出てきました。
自分がどんな事ができる人間なのか知ってもらう必要がありました。
そのためには自分の専門分野について本を書けばいいのではないかと思いました。
出版社と交渉して75万円を出して本を書いて、その本を渡して行きました。(名刺代わり)
収入を伴う仕事が出てきました。
2015年ぐらいからぼつぼつ忙しくなりました。
人とのつながり、口コミ、評判とかがが意外と大きいです。

経済コラムニストとしては、人との出会いという事が一番の楽しみです。
地方を重視していて去年140回やりましたが、84回が地方でやりました。
「定活」 「終活」の前にこの「定活」があると思います。
50歳ぐらいから取り組むことによって、60歳以降の定年が豊かになる。
定年までに如何に充実した活動をやって置くかによって、定年後の充実した生活が決まると言い換えてもいいかと思います。
①会社以外の人との付き合いを増やす事がとっても大事だと思います。
②「ねばならない、べき論」とかをあまり気にしないという事。
私の場合は〔自由」がキーワードでした。
夢があってビジネス書は20冊ぐらい書いているが、小説を書いてみたいと思っています。