2018年12月26日水曜日

糸井重里(コピーライター)        ・おもしろいを追いかけ続けて

糸井重里(コピーライター)        ・おもしろいを追いかけ続けて
1971年にコピーライターとしてデビュー、、数多くの広告を手がけてきました。
50歳の時に立ち上げたベルサイト、ほぼ日刊糸井新聞、通称「ほぼにち」、今年創刊20周年、ネット上の活動に留まらず、イベントの開催とか、学びの場の提供など更なる進化を遂げています。
加えて作詩、執筆、ゲームやアプリの製作等ジャンルを問わず,多彩な家活動を重ねてきました。
番組でこの秋お届けしたラジオ深夜便「あなたとわたし」の歌詞も糸井重里さんの手に依るものです。
時代の最先端を走り続けている糸井さんに「ほぼにち」糸井新聞の20年の励みと社長として面白い企画を生み出すヒント、新らたな年にむけての意気込みなど伺います。

ラジオ深夜便「あなたとわたし」の作詩
世の中全般の普通の言葉は愛しているとか、愛してないとかという事がすごく大事にされていて、愛が表現されていないと終わっているかのように思いがちだが、旅先で老夫婦を見るとあまり喋っていない。
こういう関係っていいなあと思っていて、いつか描けられたら良いと思って、それをやって見ようと思いました。
「ほぼにち」のウェブサイトを立ち上げたのが、1998年の6月6日でした。
50歳直前だったので、なんかこのまま終わるのはやだなあと思いました、ネガティブが非常に意識していました。
人が喜んでくれる方に歩きたいから、居場所を見つけて、若い人と同じスタートラインでやりたかった。
過去に作ったもの、自分は昔こういうやつだったというのは嬉しくないので、今日の何かで問いかけたいというのがあって、息を止めて方向展開したような気がします。
大事件の後は大変でした、震災後お金のことをなかなか書けなくて、それを書くのは半日かかりました。
全く冗談で終わるのがありますが。
「ほぼにち」からは色んな企画が飛びだして、次々に新しいものがあると言うイメージがあるが、こうしたら面白いのではないかというポジティブなことはやりたくてしょうがないが、今が苦しくない限り余り新しい事を生み出すことは人間あまり得意ではない。
不足感、心配、退屈しているなど、そういうタイプのものがアイディアです。

よわったなあから始めって、会いたいなあと思うことから、行けばいいなと、一人でくことから出来る。
小さい時から必要があって喋ったりして、喋るのは子供のころから得意ではなかった。
大人になると目的があって喋るが、目的があって喋るのは得意ではないです。
本当に心が動くかどうかみたいなところを、もう一回問いかけるが、「面白いと思います」と言えるのが大体新人なんです。
付き合いの長い人になると「そうなんですよね」というんです。
何なんだろうねと探して行くんです。
気持、感じ方が必要で、一番原始的なところに戻っていきます。(時間がかかります。)
考えの広がり、深さが出来て来ます。
何処の会社も同じかもしれないが、売れる商品が稼いでいる。
大福餅が名物の店で、色んな生菓子が置いてあっても、売り上げは大福餅が作っているが、大福餅しか置いてなかったら、大福餅も美味しくなくなるんです。
張り切って和菓子を作っているおじさんと喋って、一生懸命やっていると言うフレッシュさを感じる。
絶対良いんだというものがあればいいわけで、店を開けている日の稼ぎが、休んでいる稼ぎ日の稼ぎを埋めてくれるので、平行に平等に同じ様に一生懸命やるのはあまり意味がない。

父は68歳で亡くなりました。
父の歳を越えるときは少し怖かったです。
そこを越えたら、後はおまけかもねというような気持もあります。
やれる事が減っていると言うので数えたらきっと減っていると思いますが、減った分を他でカバーできるのではないかという事があるので、増えた分の方がおおきいんです。
一緒にやろうということで、自分では得意なことでは無くても、やれる人がいれば増えたという事なんです。
範囲がどんどん増えて行って喜ぶ数の人も増えていて、一人でやろうとしていたころと比べて、何倍にも増えて来ることが実感できる訳で、歳を重ねて行っても楽しいことばっかりです。
人生100年時代、俯瞰して考えることと、具体的な自分の実感とはあんまり混ぜて悩みを増やさない方がいいんだと思います。
自分を必要としている人がいると言うことは、うれしい事なんで、それを作ると言うのが退屈しのぎの最高のコツだと思います。

ボランティアではせっかくやってやったのにとか、愚痴は言わないことですね。
100年時代、押しつけると人は怒ります。
日常に会う人に、ご機嫌で挨拶される人になっていれば、それでいいと思っています。
いてもいい人になりたい。 いてほしいというふうに思われることは押しつけがなしくなると思う。
100%ではなくて、40%出来ればいいと思いいます。