2021年10月10日日曜日

伊藤蘭(歌手・女優)          ・「普通の女の子に戻りたい」から44年

 伊藤蘭(歌手・女優)          ・「普通の女の子に戻りたい」から44年

1955年東京都生まれ。   1971年NHKの歌謡番組のオーディションに応募し、藤村美樹さんと田中好子さんとキャンディーズを結成しました。  歌手活動のほかバラエティー番組でも活躍しましたが、人気絶頂の1977年日比谷野外音楽堂のコンサート中に解散を宣言、翌年の解散コンサートと同時に芸能界から引退しました。  1980年に女優として復帰してからは、映画、舞台、テレビと活躍を続け、2年前にソロ歌手として再デビューしました。  今年9月44年ぶりに日比谷野外音楽堂のステージに立った伊藤蘭さんに伺いました。

ステージでは「春一番」をまず選曲して歌いました。  皆さんが一番なじみのある歌で一曲目にしました。   キャンディーズとして活躍したのは4年半ほどでした。  睡眠時間も5時間程度で目まぐるしかったことは事実です。  解散後は3人で国内、海外旅行をしていました。   お芝居も一からスタートしたいと思って始めました。  CDを出しませんか、という話はありましたが、歌に関しては後回しになってしまいました。   2019年にソロ歌手として再デビューしました。  毎日がチャレンジでした。  そこにサウンドがあるという事が一瞬のうちにその世界に連れて行ってくれる、イントロが始まった途端に音楽のすばらしさを味わいました。

9月に2枚目のアルバムを発表して、自身で作詞したものが2曲あります。  先にメロディーがあります。  「名前のないChristmas Song」は佐藤準さんが先に作曲していただきました。  

*「あなたのみかた」  作詞、作曲:トータス松本  歌:伊藤蘭

相手を励ましているんだけれども、逆に自分が励まされているという優しい歌です。

「振り」は練習してもすぐ忘れてしまったりして、藤村美樹さんに一緒に手伝ってもらったりして苦労しました。   自分の過去のヒット曲を歌うというのは、二人が居ないさみしさはありますが、歌う事によって二人の存在を思い出す事が出来るという嬉しい瞬間でもあります。  3人は一歳ずつちがっていて私が一番上になります。  

普段は隠れていたいようなタイプですが、そういった場所を与えられた時に、自分というものをそこに集約して出そうとしてあがくんでしょうね。  家ではお互いに軽い感想ぐらいは言いますが、ダメ出しをするようなことはしないと、それぞれが思っていると思います。先日のコンサートには主人は来ていましたが、娘はスケジュールの関係で来られませんでした。   「蘭さん歌をやってよかったね」と言ってくれました。  

44年を振り返って、間違いなく解散を理解してもらえたという事、後押しをしてもらえたという事で歩めている人生なんだなと、思いました。

*「家路」  作詞:森雪之丞,作曲:布袋寅泰  歌:伊藤蘭