2021年10月18日月曜日

川瀬露秋(地歌筝曲・胡弓演奏家)     ・【にっぽんの音】

 川瀬露秋(地歌筝曲・胡弓演奏家)     ・【にっぽんの音】

進行役:能楽師狂言方 大藏基誠

師匠が川瀬白秋で秋を頂いて、自分で「川瀬露秋」と考えました。  

1967年福岡県久留米市生まれ。 母親の影響で小学校1年生の時にお琴を、小学校2年生の時に三絃の三味線を習い始める。  中学2年生の時に地元の合奏会で演奏していたところを、琴古流尺八奏者の第一人者の川瀬順輔さんにスカウトされる。  15歳で生田流筝曲川瀬白秋さんの内弟子となる。  

将来芸大に行って戻ってきてお琴の先生になりたいという思いはありました。   川瀬順輔さんにスカウトされ単身上京して、三絃、胡弓、歌舞伎三曲を学ぶ。   2009年に川瀬の家の芸を継ぐために師匠夫婦の養子になる。  川瀬露秋」を襲名する。  現在は生田流筝曲白秋会の代表として演奏会や舞踊の地方、伴奏での演奏、歌舞伎三曲の演奏、編曲、音楽史などを行っている。  

歌舞伎三曲は江戸時代から続く3種類の音楽の総称で、筝曲(琴)、地歌(三味線)、尺八音楽で独立して演奏することもありますが、合奏するそれが三曲と言われています。   日本三曲協会があり広報部を6年間勤めました。   三曲は能から来た曲がとても多いです。   能を見るようにして能とのつながりを勉強しています。  

*胡弓 音色を披露  弦を弓で擦って音を出す楽器   本体は三味線よりも小さい。 胴を回して演奏する。

*「鶴門」 作曲:川瀬順輔  胡弓奏者:川瀬露秋 尺八だけの演奏だったが川瀬白秋先生が胡弓の手をつけて尺八と胡弓の合奏の形にしました。 

内弟子時代は稽古は厳しかったが、可愛がっていただきました。  歌舞伎の舞台では黒御簾というところ(舞台の下手にある部屋)で三味線や鳴り物の方と一緒に演奏します。  「縁切り」、「あこや」、「朝顔日記」など胡弓での有名な演目があります。  市川猿之助さんのお芝居の時に17歳で初めて師匠と一緒に黒御簾で弾きましたが、21歳のときには一人で初めて黒御簾で弾きました。  添うように演奏するよう心掛けています。

*「雪」 地歌   胡弓奏者:川瀬露秋

日本の音とは、春は鶯、夏はお祭りの音、秋は虫の音、冬は除夜の鐘の音です。

*「夕焼け小焼け 変奏曲」 作曲:野村正峰  胡弓奏者:川瀬露秋  ほか琴、十七弦