サキタハヂメ(作曲家・のこぎり奏者) ・〈1〉「笑いと泣きの音世界」
学生時代のこぎりを楽器の弓で演奏する音色を聞いて感銘を受け、その技術を独学で身につけて国の内外で演奏活動を行ってきました。 同時に作曲家としてTV、映画、舞台などの音楽を数多く手がけ現在放送中の、連続TV小説「おちょやん」の音楽を担当しています。 サキタさんはのこぎり音楽と「おちょやん」のドラマには共通する魅力があると話します。
*「はすの花」 のこぎり演奏
蓮の花は泥の中からできてきて、最終的には思いもよらぬような美しい花が咲くので、それにリンクして、千代は大変な目に合うがめげないで最終的に美しい花を咲かせてゆく、そのイメージがぴったりきて使いました。
ミュージカルソーと言っています。 西洋のこぎりで先に向かって細くなる、長さが70cmぐらいです。 ヴァイオリンに似た弓で弾きます。 弓は友達の楽器職人と一緒に作ったオリジナルのもので馬のしっぽでヴァイオリンと一緒です。
光が降り注いでくるような感じの音色です。 叩くと全く違った感じの音色になります。 ギター、ウクレレはずーっと弾いていました。 19歳の時に熱海の大道芸祭りに行って、都家歌六師匠が来ていて、のこぎり漫談で真打にまでなった人で、チェロの弓でこすって演奏していました。 音色がすごくてやってみたいと思ってそれがスタートになりました。 独学で習得し演奏して、アメリカで開催された「ミュージカルソーフェスティバル」で2度の優勝をしました。 私が行った時には30名ぐらいが参加しました。 世界で色々な演奏者がいます。 CDも出しました。 横山ホットブラザースと都家歌六師匠とサキタハヂメでテネシーワルツを一緒に演奏しました。
TV、映画、舞台などの音楽を手掛けて、NHK子供向け番組「シャキーン!」、木曜時代劇「銀二貫」、映画「妖怪人間ベム」など数多く手がけてきて、連続TV小説「おちょやん」の音楽を担当。 笑いと泣きがはっきりしていて凄く心が揺さぶられる。 大阪人としては光栄の作品です。 大阪嫌いな人にもちゃんと届けたいと思っていました。 監督からは笑いと泣きがはっきりしている、外はカリカリ中はトロトロのタコ焼きのようなものをと言われました。 曲数は140~150曲になりました。 そのうちのこぎりの曲は10曲ぐらいでしょうか。
*「Life is Comedy( ライフ・イズ・コメディー)!」 連続TV小説「おちょやん」の中から。 10パターンぐらいあります。
作曲をするときには感情が入ってしまって、泣いてしまったりします。 作曲活動でのこぎり奏者というのはすごくメリットがあると思います。
ラジオで横山ホットブラザーズは小さいころから何回となく聞いていました。 大学生のころ、蘇州夜曲とか、ナツメロ、日本の戦前戦後のジャズとかラジオからかかって来て、結構影響を受けていると思います。 聞いていただく皆さんが凄く胸に何かを感じて、泣いてくれたり笑ってくれたり、そういったことの話を聞いた時には凄くうれしいです。
*「かぐや姫~月とガラス玉」 連続TV小説「おちょやん」の中から。