池内響(バリトン歌手) ・【夜明けのオペラ】新たなスタートに向かって
兵庫県姫路市出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。 同大学大学院修士課程音楽研究科声楽(オペラ)専攻修了。 2015年日生劇場「ドン・ジョバンニ」にてタイトルロールでオペラデビュー、2017年には「ラ・ボエーム」に出演、翌年からイタリアに留学、研鑽を積みながら様々なコンクールで上位入賞、ミラノで行われた第10回サルヴァトーレ・リチートラ声楽コンクールにて1位受賞。 一時帰国した2019年12月には兵庫県芸術文化センターのジルベスターコンサートに出演、2020年には兵庫県芸術奨励賞を最年少で受賞、今年の6月には日生劇場「ラ・ボエーム」で画家のマルチェッロ役で出演することが決まっています。
2020年12月に帰国しました。 自主企画で2月28日に姫路のホールでリサイタルを開きました。 コロナ禍の中であったので多くの宣伝はありませんでした。 1年1か月ぶりでした。 音楽を共有しながら演奏する、そしてお客さんに向けて何かを作りあげてゆくことがひさしぶりだったので 楽しかったです。 得たものがいっぱいあり満足しています。
イタリアではロックダウンもあり後退しないように毎日練習は欠かさないようにしました。
「ラ・ボエーム」はフランスのパリが舞台になっていまして、そこに画家のマルチェッロ、詩人のロドルフォ、音楽家のショナール、哲学者のコッリーネの4人の芸術家の卵が一つの屋根裏部屋で暮らしてゆき、屋根裏部屋での生活から物語が始まり、お針子のミミ、歌手のムゼッタなどが加わり、友情、恋愛、別れなどがある。 イタリアでの「ラ・ボエーム」の野外公演は初めてだったので楽しかったです。
リモートアンサンブルをイタリア、ミラノのメンバーでやっていました。 自分で音楽を楽しみたいと、そして音楽を共有する場所になっていたと思います。 姫路市にも展開しました。 1989年に姫路市市政100周年に作られた「夢ある姫路(まち)」という曲があり、やろうという事でリモートでやろうと友人に電話して、歌わせていただきました。 *「夢ある姫路(まち)」 歌:池内響 作詞・作曲:さとう宗幸
日本での仕事の話が来るようになって、今は日本なのかなあと思ってしまった瞬間があり、日本に戻ることになりました。
オペラ「アリア」 僕はリッカルドという役で、リッカルドはエルビラの父であるバルトンからエルビラとの結婚を約束されていた。 戦場から帰ってきたら、エルビラは違う人と結婚することが決まっていて、お城は結婚の祝宴ムードになっていた。 「ああ 私は永遠にあなたを失ってしまった」と歌い出すんです。 心の苦悩、葛藤を歌う。 *ベッリーニ: 歌劇「清教徒」から「私は永遠にあなたを失った」 歌:池内響
9月に姫路に新しいホールができて、開館記念として12月11,12日に新作オペラの「千姫」の生涯をたどった物語で、千姫の夫の本多 忠刻の父、本多 忠政の役をやることになっています。