2019年12月12日木曜日

山口健太(会食恐怖症元当事者)       ・【人権インタビュー】 (4)『一緒に』食べられない僕はダメですか?

山口健太(会食恐怖症元当事者) ・【人権インタビュー】 (4)『一緒に』食べられない僕はダメですか?
会食恐怖症をご存じでしょうか?
代表的な症状は誰かと食事をする場面になると、極度に緊張してしまい吐き気を催すなどして食べられなくなるものです。
精神障害の一つとされ国内では専門医の少ない会食恐怖症、悩んでいる人たちをサポートしようと支援団体を立ち上げて活動をしているのが、自らも患者として苦しんだ経験のある、岩手県出身の山口健太さん(26歳)です。
おおくの人たちが日々普通にとっている食事が思うように出来なくなった時に人はどんな状況に陥るのか、普通とは一体何なのか伺いました。

何らかの症状が起きてしまって人と一緒に食事ができなくなって、半年以上続いてしまって日常生活に支障が出る。
症状もいろいろあり、多くが吐き気、ご飯を飲み込めない、動悸、汗が出てしまったり、手が震えてしまったり、しゃべれなくなる事もあります。
社交不安症がその上位にあり、その一つとして会食恐怖症があります。
医師も会食恐怖症に関することは詳しい医師は日本ではまだあまりいません。
10代の方が多いといわれます。
学校の給食などで間食を強要されたりして、強く言われたりしてなる場合が一番多いようです。
私は高校時代に発症しました。
野球部で合宿があり、体つくりを兼ねてご飯を朝2合、昼2合、夕方に3合食べようという事でノルマとして課されるわけです。
それが出来なくて、プレッシャーを感じる様になり、監督がそのことに対してみんなの前で怒ったんです。
又言われるのかもしれないと思うようになって、ご飯の匂いを嗅いただけでも食事が困難になって行きました。

教室で弁当を食べるとか、一緒にラーメン屋に行くという様な時でも食べられなくなりました。
いつの間にか一緒には食べられなくなってしまいました。
一番は将来が不安でした。
一度打ち明けたことがありましたが、理解して貰えなくて、その後は言わないようにしようと思っていました。
ネガティブな気持ちになって行きました。
家では普通には食べていました。
本当に仲のいい高校生で一緒に食べていた友達と、家族は大丈夫でした。
自分をさらけ出してもいいという様な関係の人たちだったように思います。
高校生の時にはインターネットで検索していたら似ているなという感じがしました。
あまり書かれてはいなくて克服するような内容などは一切書かれてはいませんでした。
まず食事をなるべく避けずに行くというところを大切にして行動していったという事を大切にして行動していったというのが最初のステップでした。

大学では前向きな気持ちも少し出てきました。
1年生の夏にアルバイトに行きました、日本料理屋さんでした。
まかないが定食の中でもがっちり出してくれるところで、店はやめたくないと思って店の人に打ち明けたら、無理せず食べられる分だけ練習するつもりで食べればいいといわれました。
最初はうまく食べれなかったが、半年後ぐらいには食べられるようになり転機になりました。
「食べなきゃ」ということが「食べなくてもいいや」という風に変わるとうまくいくようになりました。
ポジティブにとらえられるようになり、こうしたいという様にとらえられるようになりました。
悩んでいる方たちに伝えたいと思うようになりましたが、どうしたら発信できるのか、情報発信をちゃんと学ぼうと思うようになりました。

大学を中途でやめて、ウエブサイトを作るとか、情報発信し方をちゃんとやるとか始めました。
段々自分の仕事が成り立って行ってアルバイトも辞めてその仕事をするようになりました。
経営の勉強会に参加した時に、「山口君がやっていることは誰でもできるようなことなので、もっと自分がやるべきことをもっと追求した方がいい」といわれました。
会食恐怖症とかメンタルなことで悩んでいる人たちにメッセージを届けたいという思いで今の仕事のことを学び始めたという事を思い出して、やり始めようと思いました。
会食恐怖症について高校時代とあまり変わらない情報内容だったので、置き去りにされている分野だと思って、やっていこうという気持ちがますます高まりました。
今まで一人で悩んでいたことに対して、前向きに行動している人がいることを知ってよかったという声が多いです。

相談には2000、3000人の方がいらっしゃいます。
50代の方からのメールがありましたが、小さいころからの会食恐怖症だったんだと知ったという様な方もいました。
会食ができないという事で、その後の人生全般に直接的な影響が出てしまっている状態です。
症状のある人たちとの会食会などをして,食べれなくても構わないという事でやるわけですが、表情なども変わってきます。
親から、学校の先生などからの指導する側からの対応の仕方の相談もあります。
胃袋にも個性があるという思いで考えていただきたいと思います。
普通とは多くの場合という意味だと思うので、普通に当てはまることが正しいかというとそうではないと思うので、普通に当てはまらなくてもいいと思います。
違いを受け入れるという事が大事だと思います。