2018年11月4日日曜日

千葉 繁(声優)             ・【時代を創った声】

千葉 繁(声優)             ・【時代を創った声】
64歳、千葉さんはアニメ「北斗の拳」での悪役やナレーション、アニメ機動警察パトレイバーなど多くの作品に出演されていますが、主役を支える名脇役として知られています。
TV,映画,舞台、ゲームと多くの場で活躍されている千葉さんのスタートはスタントマンでした。

「ハイスクール!奇面組」、一堂零役「機動警察パトレイバー」 などに出演するなど TV、映画、舞台などで活躍しています。
中学ぐらいからアマチュア無線をやっていました。
自分で作ったラジオで色んな放送を聞いていました。
運動が好きで体操部に入って、直ぐに屋上でバク転しろと言われて、なんとか成功して先輩達もほーっと驚きました。
集団就職をしました。(16歳)
寮生活をやっていて、ある友人が歌手になると言いだして、オーディションがあるからついてきてほしいと言われた。
ロビーにいたら、成田三樹夫さんから声を掛けられて、君も受けなさいと言われて、気が付いたら審査員の前で朗読していました。
一週間後に僕が受かっていました。(彼は落ちていました。)
俳優と歌手を養成しているところで、プロの現場を体感していないとだめだと思い、辞めることにして、週刊誌にスタントマンの募集がある記事を見て、電話して事務所に行きました。
バク転が出来ると言う事で、いきなり忍者の恰好をさせられてやることになりました。
忙しくてバイトもできなくなりました。
朝5時半に起きて歩いていたら、ヤギがおいしそうに草を食べていました。
その時には3日食べていませんでした。
ヤギの食べているものを食べてみたが、どうにも食べられなかった。
そんなに食べるものにも苦労した時がありました。
仲間内でお弁当を分けあって食べたりしていましたが、みんな同じような環境だったのであんまりつらいとか思わなかった。

たまに役をいただけて、或る時レンズを見るように言われました。
余り知識も無くて、勉強しなくてはいけないと思いました。
1976年の「ドカベン」で最初の声の仕事をしました。
芝居をもう一度 一から勉強しないといけないと思いました。
研究生として入れていただきました。
徐々に舞台、TV、映画の仕事を貰えるようになりました。
プロダクションを作る話があり、即参加してそれからTV、映画、コマーシャルとかありとあらゆる分野の仕事をやらせていただきました。
TVで洋画をやっていて、声優がやっていることを知りませんでした。
新劇の俳優がやっていることを知りまして、自分でもやってみたいと思いました。
オーディションを受けて、それが「ドカベン」のオーディションでした。
夕方電話がかかってきて、受かったとの事でした。

アニメーションは芝居が決まっていて、間の取り方とか画面に合わせなくてはいけなくて、大変でした。
舞台で体験した感覚をアニメに取り入れたらどうなんだろうと思って、勝手に台詞などを変えて入れていました。
先輩などから怒られたりしましたが、或る方が面白がってくれました。
アドリブを良く言うと言われるが、このキャラクターだったらこんなことを言うんだろうと思って考えながら言っていました。
やっているうちに監督さんとかプロデューサーさんたちから、この線もあるんだよなあと考えてくれるようになりました。
『ニルスのふしぎな旅』 1980年NHKで放送。
それから押井守さんの作品に次々に関わらせてもらいました。
人の財産は人との出会いだと思います。
「北斗の拳」 悪役としての声優
ざこ役にも一人一人の人生があると思うので真剣に思ってやりました。
ナレーションもやる様になりましたが、テンションが上がって倒れたりしました。
あまたいる役者の中からこれやっていただけませんかといわれると、こんな有難いことは無いので、誠心誠意やろうと思っています。
今頂いている仕事を目いっぱいやる、それでいいんじゃないのかなあと思っています。

才能は直ぐ花開くものではなくて、色んな刺激を受けることによって、内在しているものが少しずつしみ出して、或る時パッと開花するもんだと思っていて、好奇心を持って色んなものをなんでだろうと思って、どんどん遊んでもらって、自分の中に表現者としての引き出しにガラクタを持ってきて、そのガラクタは貴方の仕事を助けてくれるのでガラクタを大事にして貰いたい。
一本映画を作ってみたいと真剣に思っています。