2018年11月10日土曜日

今成知美(イッキ飲み防止連絡協議会 事務局長)・若者よ!一気飲み・アルハラで命を落とさないで

今成知美(イッキ飲み防止連絡協議会 事務局長)・若者よ!一気飲み・アルハラで命を落とさないで
アルハラ→アルコールハラスメント
イッキ飲み防止連絡協議会は飲酒事故で大学生の子供を亡くした遺族らが 1992年に活動を始めました。
以来1/4世紀に渡ってポスター、チラシなど様々なグッズを配ってキャンペーン行ってi
ます。
これにはビールや焼酎など酒類業界が協賛、全国大学生活協同組合連合会も協力しています。
それでも学園祭や、ゼミ、バイト先の飲み会での飲酒事故、こういった場所で亡くなる若者は減っていないと言います。
学生だけでなく職場の飲み会、社員寮での行事でも事故は起きています。
遺族が裁判を起こし、幹事や参加者が責任を問われると言う例も相次いでいます。
お酒を短時間に大量に飲むことの危険性や、泥酔した人を放置することによって、引き起こされた飲酒事故の事例から、私達はなにを学ぶべきか、伺います。

毎年若者が亡くなっています。
一気飲みをさせる、これは氷山の一角のデータだと思っています。
1983年から2018年までの間に、156名が亡くなっています。
実際はもっと有ると思っています。
こんな事故を二度と起こしたくないと、東大阪の父親と私達と連絡しあってキャンペーンを始めました。
6大学合同のスキーの合宿があり、ウイスキーの一気飲みをさせられて東大阪の父親の息子の大学生は亡くなりました。
1991年に息子さんが亡くなられて、その翌年にイッキ飲み防止連絡協議会をたちあげ、実態を調査するために事例を寄せてもらいました。
大学向けのキャンペーンをスタートしました。

酔うというのは脳がマヒすると言う事で、先ずは「ほろ酔い」、次に「酩酊」で脳の内部まで麻痺が進んで、足がふらつく、ろれつが回らない、階段から落ちたりして事故が起きやすい。
次が「泥酔」でフラフラとして歩けない、脳の命をつかさどる部分にマヒが進み始めている状態、吐いたものを喉に詰まらせてしまったりして、窒息死が多い、寝ていて低体温になり凍死してしまうようなこともある。
先ずは酒類業界、全国大学生活協同組合連合会、ご遺族と私達のような予防活動をしている団体で一緒にやろうと言う形になりました。
でもまだまだ事故が起きていました。
1985年とんねるずの「一気」という歌がはやって、深夜のTV番組などで一気飲みコーナーなどががんがん飲んだりしてひどい状態でした。
ブームが去ったのかなと思ったが、一気飲みは浸透していきました。
アルコールハラスメント、人権侵害であると言う事で2000年からはアルコールハラスメントに関する注意喚起をしました。
2011年に大震災があり、コンパなどが自粛の時代で、1年後 2012年に又救急搬送が沢山あり、何件も事故が起きました。

1990年代、首都圏の旅行サークルの合宿で専修大学の1年生が参加して焼酎の一気飲みをさせられて亡くなっています。
同年早稲田大学の寮でウオッカの一気飲みで亡くなっています。
1996年に千葉大学新入生の勧誘コンパで焼酎の一気飲みをさせられて亡くなっています。
同年大同工業大学、ユースホステルサークルで日本酒と焼酎のブレンドの一気飲みで亡くなっています。
他に熊本大学医学部ボート部で1999年に焼酎の早飲み競争で、2008年に神戸学院大学ユースホステルサークルの幹部交替で焼酎の4リットルの回し飲みで亡くなっている。
アルコール度の強い酒の一気飲みで亡くなっている。
そのほかの大学でも飲み会で多く亡くなっています。
企業の寮でも同様な事例があります。

熊本大学医学部ではOBのドクターがいるような状況で新入生の歓迎コンパが行われた。
居酒屋で先輩が携帯、財布など預かる。(先輩から言うと酔って無くしたりするといけないので親切でやったということだが、新入生にとっては逃げられない状況 )
酔い潰れた子を運ぶ部屋を用意していた。
新入生は焼酎の早飲み競争をやらされ(新入生がたくさん飲まされるような仕組みで)1時間ほどの間に25度焼酎を8合以上飲まされた。
なかには病院へという指示もあったが、潰れ部屋の方に連れて行ってしまう。
潰れ部屋で巡回して見周りはしていたらしい。
病院に連れて行こうと言う頭をよぎった学生もいたが、また躊躇してしまった。
急性アルコール中毒による、喉に吐いたものを詰まらせたということで亡くなってしまった。
生きている側の学生は口をつぐんでしまう。
裁判に訴えるということになる。
嫌疑不十分ということになって不起訴になる。
民事訴訟で1審で負けてしまい控訴して、安全考慮義務違反と言うところをとって責任を問うと言うことになる。
最高裁まで行って勝訴ということで決着はついて行っています。
大きな一歩でした。

親御さんと活動をしてきましたが、胸がつぶれる思いです。
「なんで潰れ部屋に運んだのか、もし置いていってくれたら店の人が救急車を呼んでくれたと思う。」と言っていました。
助けられない場所に入れられてしまったと嘆いています。
体育系もあるが美術系などもあります。
集団の力は怖くて、先輩後輩、集団心理などで、役割をやらされていたと言うんです。
退学処分になったり、部の廃部、自責を背負っていかなくてはならない。
活動を開始した当時は、大学側も積極的に動いてくれない状況だった。
神戸大学では部活動のリーダーの研修がありました。
医師、大学事務当局から飲酒事故への注意がありました。
今は未成年には飲ませないと言う事で、1年生には飲ませないと言う形が出来てきています。
大学だけでは手が届かないないところもあります。
お断りグッツ等の展開もしています。
「かっこ悪くてくてもいいから逃げなさい」と言っています。
お酒だけがメインで沢山飲ませると言う様な設定があるところ、保険証を持って来いと言うようなこともありますので吃驚します。
潰すことが前提になっている様なところは怖いです。

絶対に酔い潰れた人を一人にさせない。(面倒をみる人がいない状態にはさせない。)
衣服を緩めて毛布等をかけて体温低下を防ぐ。
横向きにして自然に口の中の物を出るような体位を取る。
酔ってない人がちゃんと様子を見ていないといけない。
呼吸中枢が危なくなっている時には、一刻も早く救急車を呼ばなくてはいけない。
絶対に起こしてはいけないと言う気持ちで、このキャンペーンをやっています。