2018年2月7日水曜日

柳田恭子( てーねん・どすこい倶楽部 理事) ・介護職試験 ことばの壁を乗り越えろ

柳田恭子(NPO法人 てーねん・どすこい倶楽部 理事)・介護職試験 ことばの壁を乗り越えろ
「てーねん・どすこい倶楽部 」は東京墨田区で活動しているボランティアグループで会社などで退職した人たち、70人が参加しています。
柳田さんは75歳、クラブのグループの中の一つ、日本語教育支援の代表で日本で介護職につこうとする在日外国人にたいして、無料の日本語講座を開いてサポートしてきました。
これまでに講座の受講者の中から介護福祉士の国家試験に3人の合格者を出すなど成果を上げています。
介護を担う人材が不足する中、言葉の壁を乗り越え新たな介護職を誕生させようという柳田さんの取り組みは、どの様に展開されているのか、そこにかける意味合いは、柳田さんに伺いました。
墨田区には国技館があり相撲の部屋が沢山あり、定年を迎えた方がきていますので、「てーねん・どすこい倶楽部」 にしました。
平成14年に発足しました。
平成19年にNPO団体として認証をうけました。
定年になって、やってきたことを還元出来たらいい、ノウハウを伝えていけたらいいと思って出来上がりました。
現在70名位が在籍しています。
色々な職業に携わってきた人たちが参加しています。
平均年齢は70代が一番多いです。
セミナー部、情報部、シニアー人材部部など色々あります。
私は日本語教育支援部でやっています。
介護の仕事に就いている人達に、言葉の読み方と意味を教えています。

以前私は自営業、柔道の畳の製造販売をしていました。(まだ半分やっていますが)
或る方に誘われて入りました。
日本語教育支援は早稲田大学大学院の日本語教育研究科の宮崎里司教授が外国人に対して、仕事をやらせてあげたいと云う思いがあり、介護の仕事にたいして力になれないかと言うことで、クラブが出来上がり、補佐する部署がほしいと云うことで私たちの事務所に来られて、こういうことをやる様になりました。
対象の方は日本人と結婚されている方がほとんどです。
フィリピン、タイ、ペルー、中国、ロシアとかが来ています。
介護をしている方がほとんどです。(介護2級をとられてから来ています)
介護で記録を付けますが、その記録したものを理解したいと云うことでした。
週一回2時~7時半まで私は行っています。
授業は最初自習復習、次に漢字の読み書き、試験の問題を解く練習、専門の先生が施設から来てくれて専門の話をして貰います。
授業に私たちも参加しています。(介護の経験知識がないので)

進捗レベルに応じてグループ分けられていて、そこにそれぞれについてサポートしています。
日常会話の中でもわからない言葉もありますから、それを理解してもらうこともやっています。
「褥瘡(じょくそう)」=床ずれ 「誤嚥(ごえん)」こういった言葉も難しい。
ひら仮名で書くにしても小さい「ょ」と大きい「よ」も理解してもらわなくてはいけない。
受かったことによって、自分に自信が持てるようになります。
より高度な仕事をするように希望を持ちます。
試験の内容は多岐にわたっていて(憲法などもある)、問題は125問になりました。
最初2013年3月に介護福祉士の合格者が一名出ました。
周りの人たちが私たちも夢ではないと、勉強を続けようと云う気持ちになりました。
その後、彼女は2014年10月にケアマネージャーに受かりました。
2015年3月には介護福祉士に2名受かりました。

受かった人達も他の人たちに、どうやって理解したかを母国語(タガログ語)で教えてくれたりしています。
広がりもより広くなってきていると思います。
試験のあり方について要望書を出しました。
厚労省に要望として、ルビーを振ってもらう事を要望しました。
EPAで来ている人は1.5倍の試験時間があるので、それと同等にして欲しいと要望書を出していますが、実現はしていません。
(EPA=経済連携協定(Economic Partnership Agreement))
働いた金も一部送らなくてはいけないとか、重圧を感じながら勉強しているようです。
彼女らが介護を担ってくれるという事は大賛成だと思います。
フィリピンの人達が一番多いのですが、フィリピンの人たちはコミュニケーション能力はあると思います。
「人には添ってみろ」という言葉がありますが、彼女たちからどれだけ彼女たちから教えられて、温かい気持ちになれたか、そういう思いです。
私達も寄り添ってあげたいと思います。
彼女たちが一生懸命やっているから、私たちも一生懸命に勉強して頑張っています。
今後について、伸び悩んでいることもあり、後輩を育てなくてはいけないと思っているし、新たに勉強したい人を連れて来てここに来て良かったと思えるように目指したい。