2012年5月14日月曜日

斉藤稔(ヨットマン・冒険家78歳)  ・単独航海に生涯をかけて


斉藤稔(ヨットマン・冒険家78歳)  単独航海に生涯をかけて
去年の9月ヨットによる単独世界一周を世界最高齢の77歳で達成して植村直己賞を受賞しました
この航海は困難な西回りで3年の歳月を必要としました  
50歳で仕事を辞めて、ヨットレースに専念するようになった斉藤さんはこれまで8回の単独世界一周に    成功しています    
この中には港に一回も寄港しない、無寄港単独世界一周も含まれています  

少年の様なつぶらな瞳を持っていますが→ 夢を持って夢に邁進している人の目は鋭いし、綺麗だと思います
今はヨットの修理をやらなくてはいけない  
2004年に廻った時のヨットがあり、この修理もパーフェクトに終わっていない
酒呑童子3世の修理(最後の行ったヨットの名称) 1986年に初めて自分のヨットを持った 
(酒呑童子1世)  酒呑童子2世は良い船で早くて、持っていたい 
いま横浜に置いてある   最近のヨットはコンポジットと言いまして、カーボン、ケブラー、マイラー、スペクトンを張り合わせてあるんです

本当はカーボンで出たんですけれども、カーボンだけだと波に叩かれると亀裂が生じてしまう  軽くて強い
39歳で本格的に取り組む  1967年のときに いつ どこでもいい どのコースを通ってもいいが 単独で世界一周したものにはゴ-ルデングラブ賞をやりますと、イギリスが企画した   
ロビン・ノックス・ジョンストン卿が315日掛って記録を作って世界一になった  
50万ポンドの賞金もでた その後危険だと言う事で止めてしまった  
その後もう一度復活させたのが1982年 イギリスのBOCがスポンサーになり同時スタートで3か所の寄港が認められ、スタート地点に戻ることが前提に成った

その後4年ごとにおこなわれた その後4つ止まれるようになり、現在は7つ止まれるようになった危険軽減のため、単独無寄港レースは1992年が第一回目で上記レースの間に矢張り4年に一回開催される  
私はストップする方に3回参加して三回完走している   
これまで8回の単独世界一周に成功 この中には港に一回も寄港しない、無寄港単独世界一周も含む 
無寄港はレースではなくて堀江さんの15日後に出航して抜いた  233日掛る
レースで船がボロボロに成って帰ってくる 
その姿を初めて見た時にはとてもできないと思っていた(プロ中のプロが行うレース)
1月~3月がケープホーンを回れる時期 この時期が比較的海が大人しいがそれでも非常に厳しい 
去年世界最高齢で単独世界一周を実現した  
西回りで一周した人は当時世界に5人ぐらいいた 
通常は東まわり 西回りは海流、風に対して逆に向かって船を操縦しなくてはいけない  
私の予定では10カ月有れば帰って来られると予想していたが、(2008年10月時点  2009年10月には横浜開港150周年に間に合わせる)
まさかあんなに掛るとは思わなかった 
第一は資金不足で希望したヨットがなかなか手に入らなかった  
酒呑童子2世では流氷にぶつかって壊れてしまって無理

横浜→真っ直ぐ南に降りてゆく→オーストラリアの南端のタスマニアを西に廻る→どんどん西に進む→ホーン岬を廻る(難所中の難所本来なら3月中旬に廻る予定
2週間遅れて4/6に廻った  大潮になる 低気圧 天候が荒れる 
 ホーン岬は36時間掛り一睡もせずに眠らずに航海する   
波は15m以上 波高は白く崩れる    風は風速30m~35m   
廻り終ってから漂流する様な状態で船を止める(ブレーキを掛けた状態)  
流氷がぶつかる音がしたが、2時間眠った
 
ロープが流されてしまって、引き上げたが青いロープが1本引き揚げられなかった   
スクリューと舵に絡まっていたようだ(真っ暗で判らない中) 
エンジンを掛けたが プツンと止まってしまう  ようやくロープがからんでいるらしいことが判る  連絡してロープを切って貰おうとしたが 漁船が来て曳航されて、船を差し押さえられてしまう  10カ月とどめられる   
記録を達成するためには曳航した時点まで戻れと言われる 
もう一度ホーン岬を回る事になる)→マジェラン海峡を廻る→北上→バルデビア(サンチャゴの南  
そこでチリの大地震に会う  船の修理をする  右腕を大けがする 
治療に2か月)→赤道通過、北上→舵のオイルポンプがおかしいのでガラパゴスまで戻って直す 部品待ち→去年の9月に横浜に戻ることができる  3年掛る
 
途中であきらめない 事をなしかけて途中で諦めるのは大いなる罪だと思っている  
これが私の信念    身体は余り強くはなかった 
1988年の時のレースで心臓発作を起こしてオーストラリアのダーウィンの病院に担ぎ込まれてしまう(8/31)  その後 世界一周レースに出ないかと誘われて、新艇をつくることになる 酒天童子2世  財産を全部つぎ込む  
のめり込んでしまうのは自由であること  前に向かって進む事  
何回も世界一周をして記録をつくった事   命懸けでやる 達成した時の想いは何とも言えない     
北海が残っている  温暖化で閉ざされていた北極海にルートが出来た  
今まで3人ほど挑戦しているが、皆失敗している
行きたいコースとしては シアトル、バンクーバ→アラスカ→ベーリング海峡→グリーンランド→ドーバー海峡→イギリス を廻ってみたい
資金を作り 挑戦したい   出来れば82歳から85歳で成し遂げたい