坂井智宏(金剛頂寺住職) ・現代に生き続けている空海
室戸岬 今から1200年前、空海が修行した場所として有名。
白装束、白杖のお遍路さんの姿が絶えませんが、ここ数年、自分探しの旅、定年を迎えた癒しの旅、そういった方が多いようです。
全国に3000ある真言宗豊山派宗務の総長として、東京と高知を行き来され、高知県の観光特使としても活躍されています。
「現代に生き続けている空海」 金剛頂寺67代目住職 78歳 に伺いました。
金剛頂寺は807年にできる。
空海が室戸の洞窟で修行する。
不動堂があり、本当はそこで修業した。
室戸ジオパークがある。
空海は19歳前後から京都に勉強に行く。 奈良の方にも勉強に行ったりして、自然の中を歩きながら密教と言う世界を追っかけて行ったと思います。
おしえの中では最終的には即身成仏という考え方が出てくるが、空海の場合は死を言葉で入定、釈尊の場合は涅槃、往生、いろんな言葉が出てくる。
平安時代になって、空海は密教、最澄は天台宗。
お遍路さんの姿は時代によって違ってくる。
お大師さんが修行されたところを、お大師さんの跡をたどって行くという事で最初起こってくるが、江戸時代になってくると、生活の苦しみ、病気の事から一生を過ごす事もある。
昭和39から40年前後、自分を見つめるための遍路、供養のための遍路が生まれてくる。
今は年間20万人近くが回っていてそのうちの5000人が歩いて回っている。
自分を見つめようとか、定年退職したので新しい人生を歩んでいくと言う方もいる。
子供さんが亡くなられて供養と言う事で回っている人もいる。
般若心経を中心にして回っている。
「色即是空 空即是色」 考え方の基本 空 執着してはいけない。
600卷のお経を短くしたものだし、素直に拝んでいればいいのではないか。
他の事を考えずに無心に拝む。
杖の意味 宇宙を構成している地、水、火、風、空 (五大)書かれていて お大師さんの教えと、お大師さんと一緒に歩いているんだよという感じで回って行く。
遍路の中途で亡くなると、杖を卒塔婆の代わりに立てて終りになる。
無縁の御墓はかなりあります。
歩いて行って最低60日掛かる。
当寺も年間4000人ぐらいは泊っている。
バス会社が昭和38年ごろからバスのお遍路さんを始めるが、当初は旅館が無いのでお寺を開放してほしいという事で宿として提供するようになる。
自然の中に生かされているという感覚をもつと、柔らかくなる。
おもてなしを受けると、自分も変わる。
空海と名乗ったのは20歳前後 唐へ渡ったのは30歳頃
如実に自身を知るという事は大事。
生き方は四恩を中心に 父母への恩、国への恩、衆生への恩、仏法相三品に対する感謝。
人生というのは生まれたからは死にますから、その間にどのような生き方をするかで、それぞれの歳に応じた段階で生きて行くかしか、しょうがない。
府中八十八か所、多摩川沿いの八十八か所、豊島区の八十八か所、巣鴨の八十八か所があります。 大阪にもあります。
素直に生きたら楽ですよ。