2018年5月6日日曜日

加藤みどり(声優)             ・【時代を創った声】加藤みどり(2)

加藤みどり(声優)       ・【時代を創った声】加藤みどり(2)
サザエさん役を演じ続けて来年は50年を迎えます。
加藤さんがサザエさん役を務め始めてからの出来事や趣味の競馬を仕事にしてからの苦労などについて伺います。

サザエさんは1969年放送開始、来年で50年。
オーディションに行って男役かと思っていたらサザエさん役でした。
その時に来て居たディレクターが見ていて、物凄く明るいということが気にいったようです。
そそっかしいけど馬鹿ではない、明るいけどなんとかではない、サザエさんになる条件がいくつかあるらしくて、あれでいいということになったらしいんです。
私自身、そそっかしいです。
私が一番年下でキャリアも少なくて、スタジオでは緊張していました。
周りは全部押さえてあるから安心するように言われました。
余計なことを考えなかったのが結果として良かったと思います。
2代目のカツオの高橋和枝さんになった時に、先輩ですし可愛がってくれて、どうやっても受けてくれて凄くやりやすかったです。
サザエさん役を受けた時に他のアニメーションはやってはいけないと言われましたが、よく判りません。
役をやる上で明るくて素直さは大事ですよと言われました。
他のアニメには出たいとは思わなかった。

競馬の放送番組は厳しくて、放送は必ず自分で裏を取って来るように言われて、許諾を得
たものしか話してはいけないということで、確約をとる為に取材にゆくので、放送する為の必要な勉強が足で歩いてやって、騎手、厩舎、調教師、牧場、中央競馬界の全体のシステム 全部一つ一つ回って色々判ってくるのに20年かかっています。
朝4時半に起きて調教を見て、木曜日午後はサザエさんの放送、土、日は競馬があり、自分で全部資料を作ります。
徹底的に教育されましたが、面白かった。
ゲスト的な立場で番組には出ていましたが、そこまで勉強しないと出してもらえなかった。
一生懸命やる人間に対しては支えてくれました。
競馬は今では文化としてのスポーツになって来ています。
牧場にたんぽぽの花が咲き、木が生え、牧場は生命を作る場所なので、物凄く感動することが沢山あります。
良い人と良い馬がいれば必ず感動する良い話がいっぱいあります、だからやめられない。

周りの人がいてくれてサザエなんだと思います。
製作する人間、そういう人達のお陰でここまで来ているので、そういう人達の感謝は絶対忘れてはいけないと思います。
始まったときは私が一番下だったので我儘は通ったが、今は上の方になっているので、我儘は言えない、私は皆に気を使わないので皆が気を使ってと言いました。
若い声優の人たちには「自分たちで頑張んなさい」、ということと、ガラスの後ろにいる人達に帰る時に「ありがとうございました」というようにそれが礼儀だよと云うんですが、言わない。
逆にそういうことが出来る子はどんどん伸びて行く偉くなってゆく。
大切なのは礼儀ですよ。
オンエアを見ることです。
結果が出ない努力は努力ではない、方向が違う。
皆がやっている時にはスタジオからは絶対でなかったが、スタジオを出て行ってしまって人の演技を見ない、身になると思うが。
夢を追いかけて行く為には努力と良い先輩を持つこと。
遊びの中からは良い仕事は出てこないが、良い仕事の中からは必ず良い遊びが出てくる。
人間関係が大事だと思います。
上手くいかない場合が6割は自分にある、後の4割は典型的に合わない人がいる、それは割り切る。
何かして貰ったら「有難う」と感謝の言葉をいう、それが言える生活が健康で長生きが出来る。