2018年5月21日月曜日

里アンナ(歌手)             ・【にっぽんの音】

里アンナ(歌手)             ・【にっぽんの音】
能楽師狂言方 大藏基誠
NHK大河ドラマ「西郷どん」にメインテーマ歌で参加。
奄美大島の出身で島唄の歌い方で歌っている。
作曲家の富貴晴美さんがコンサートに来てくれて、NHK大河ドラマ「西郷どん」の音楽担当し作曲することになり、歌ってほしいという話をいきなりいただきました。
テーマ曲で歌わせていただくことになりました。
西郷さんが奄美で暮らしていたときを自分でイメージしながら歌いました。
奄美の皆さんにも喜んでいただきました。

鹿児島県奄美大島出身、島歌を習い始めたのは3歳からで祖父から教えてもらいました。
最初は祖母から機織りをしながら口ずさんでいるのを覚えました。
母方の祖父が三線も弾けるから一緒に歌ってみてはどうかということで習いました。
奄美民謡大賞などの大会で度々受賞、その後高校卒業後は歌手を目指して上京しました。
ポップスの歌手として歌っていました。
原点に戻って島歌を歌おうと考えました。
ミュージカルのオーディションがあると言うことを知って、悩んで居た時期でもあったので挑戦してみようと思いました。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』でファンテーヌを演じる。
奄美で島歌というと集落の歌を指していて、集落ごとに少しづつイントネーションとか言葉も違います。
メロディーが一緒でも50ぐらい歌詞があります。

*「朝花節」 歌を歌う時に一番最初に歌う歌、お祝いなどにも歌われる。

奄美大島で大きく分けて笠利節(かさんぶし)とひぎゃ節(東唄)があります。
私は笠利節の方ですが、一般の人には判らないです。
北の方は波も穏やかで高い山が無いが、南は波も荒いし高い険しい山が多くて、地形なども歌に影響しているようです。

*「糸繰り節」 大島紬の糸繰りしながら歌ったもので、糸は切れてしまっても結び直すことができるけれども、人と人との縁は簡単に結び直すことができないと歌っています。

薩摩の時代に作られた歌詞が多く残っています。
琉球王国だった時代のものは聞いててたのしいようなメロディーとか歌詞が多かったようですが、薩摩の時代に入ってからはやはり歌詞も生活の苦しみだとか辛さなどをポジティブに捉えて、書かれている歌詞も沢山あります。
豊年節は本土では豊作を祝うと言うことが多いと思うが、奄美では薩摩から運ばれてくる食糧などを自分たちの作った砂糖とか大島紬と替えて食糧を貰うという形で、舟が来るのを喜ぶという歌詞になっています。

西郷さんの二番目の奥さんの愛加那さんのお兄さんの奥さんの役、里千代金役で出演する。
この役に出演することによって歌詞の解釈だったりとかも、違うところから見えてくるものがあったりして良い勉強になりました、今後活かせていけたらいいと思いました。
奄美の三線は沖縄の三線とほとんど同じ大きさですが、弦は沖縄の弦よりも細いです。
皮は昔はニシキヘビでしたが、今はプラスチックが多いです。
バチは耳かきのような長さの道具です。
元々は竹でしたが、これはプラスティックです。
奄美では女性のキーに合わせて調弦するので高いです。
三線は男性が弾くものでした。
裏声も、女性が歌う時にキーに合わせてお囃子と掛け合いで男性が歌うが、その時に地声では出ないので裏声を使って歌ったことからはじまったという説もあります。

スイスにいって歌いましたが、日本の歌なのに日本語に聞こえない、そこが興味深いとか美しい音楽だと言ってもらえることが多かったです。
海外に行って音楽の伝統のものの力とか素晴らしさを改めて感じます。
*「行きゅんにゃ加那