2012年7月18日水曜日

安藤久蔵(珈琲豆卸売専門店店主) ・101歳途上国支援をフェアトレードで

安藤久蔵(珈琲豆卸売専門店店主101歳)  101歳途上国支援をフェアトレードで   
1911年生まれ 12歳で関東大震災を経験 大学卒業後貿易会社を経て家業の水産業を継ぎました 
戦争から復員後遠洋漁業で世界中を航海しました 
50歳で引退後は大学時代にやっていた登山を再開し世界各地を遠征しました   
この遠征で知り合ったアフリカの人達から頼まれてフェアトレードによる
コーヒー豆の輸入、卸、小売店を始めました  
 これが今から16年前安藤さんが85歳の時です
 
有名な登山家でもあり、現在は西荻の善福寺にある「アロマフレッシュ」という珈琲豆卸売専門店の店主さんです
フェアトレードとは発展途上国の農産物などを適正な価格で購入輸入し、消費しようとするものです 低賃金で労働を強いられる傾向の有る途上国に雇用を、生み出し貧困を解消しようという狙いがあります    
101歳の今も得意先に自転車で行く お宅の声と顔が見たい為 絆が違った形ができるんじゃないかと思って 又苦労して送るので品物を大事に使ってもらえる
九死に一生を得た事がある  
喫水線よりも多く獲れたものを持ち帰ろうとして 船がひっくり返った 
瞬間に板につかまり2日間漂流した 女浜に着いた
魚を取る家業を引退したのが50歳  3か月は短い方 半年ぐらいは船に乗っている  
自分として趣味をやってみたいものがあったので余生を送ろうと50歳で止めた 
 
山をやっていたので日本全国の山を歩こうと思った   感動です  
辛ければ辛いほど感動が大きい それを味わいたかった  
国内のみに捉われずに世界に目を向けた  キリマンジェロ アンデス とか    国内の山とは違う 気圧は低くなる 空気は薄くなる  幻覚症状を起こした
右の靴を左に入れようとしていた  友人に指摘されて判った  
気圧の関係だろうと思う 幻覚症状 
ポーターを雇って何カ月も一緒に過ごす  段々情が移ってくる  
マサイ族をポーターとして雇った  別れの時はお互いに涙を流して泣いていた
2~3人が日当は要らないという  要らないから日本に連れて行ってくれと言われる  
クリスマスが2度あったら又来るからまた会おうではないかと話す

その約束は守ってきたが段々と少なくなって84歳の時に私が行くが その時にコーヒーの話が出た   
コーヒーを貴方が売ってくれないかと提案してくる
コーヒー屋ではないのでと、断ってきた   
事情を聞いたら作っても作っても生活が良くならない 値段を叩かれる 
他の流通経路がないため、やるだけやってみようと思って了解した 85歳の時だった    
コーヒーの業者を調べて交渉するが 商社ではないので相手が不安を感じる  
見本の豆を見せて豆は好評だった  
焙煎屋は価格は何百分の一の値段を提示された 
いろいろ判っていたら断っていたと思うが知らなかった
何故そういう事をやるのかと言われた  
いきさつを話すが人情だけでは取引は成り立たないので止めなさいと言われる  
そこを何とかとお願いする

商売抜きにして人間と人間の話し合いになった 
100kgばかり情でやってみようかと言ってくれる  
戦後は打算が大きくなったが、まだまだいるものだと思った
フェアトレード制は一方的ではない 
生産者の賃金労働 生活を保証してやる事が必要、商売以上の人間性が必要  
人と言うのは欲に限りが無い、どこで抑制するかです  
それが段々緩んできて最後には赤い血を流すようなこともするわけです
生産者にも変化が出始めている  
経済的に身なりが 靴を履いたり洋服も良くなった   
マサイ族にアドバイス 個人対個人では駄目なので連帯性にして、(組合制)今は値段もそこで決めて取引をするようになった   
お互い共存するという事が大事

コーヒーを始めて350人の人と知り合いになった  その人達と花見を開催した  
老いるとどうしてもお年寄りはお年寄りで固まるがそうではなくて年寄こそ、若い人の事を吸収するようにする必要がある  之が一番大事だと思う  
年寄りだけ集まると歩き方も同じに成ってしまう   
話も皆愚痴になってしまう   
健康の話足が痛いだの 腰が痛いだのと言った話になってしまう   
若い人がなぜいいかと言うと前向きだから    ニートも来る その時に褒める  
遊んでて食べて行かれる  仕事が嫌いで勤めないのではない、殆ど人間関係
自分より若い人がああだこうだきついことを、言うとの事で こういうことは親にも言われたことはない  もう止めるという    
或る時に母親が来た  うちの息子が働き始めたと言ってきた
 
働く気になった心境はと聞いたら 旦那が100歳にもなって働いているのに自分が30歳足らずで遊んでいる訳にもいかないと働く気になったとの事
昔からある そういう教えは 無言の教えといって、背中を見せた、私の行動で  
口で言ったのではかえって反動になっちゃう
貰った給料を母親に渡して これをこずかいにしてくれと母親に言った  
人間もそういう風に変わる  
貰う時と人様に上げるのとどっちがいいかと問うたら、それは上げる方がいいと答えた   
人生それが良いと  人が喜ぶことが一番       
フェアトレードで今後やってみたい事   
一人でも多く喜ぶこと  ありがとうよ と  お客さん生産者に対して    
日曜日になるとお客さんと奥多摩に出掛ける  歩くという事は身体にいい