阪哲朗(指揮者) ・〔夜明けのオペラ〕 更なるオペラの発展に向かって
去年琵琶湖ホールの芸術監督に就任、山形交響楽団の常任指揮者として6年目を迎える阪哲朗さんに話を伺います。 阪哲朗さんは京都市立芸術大学作曲科を卒業後ウィーン国立音楽大学指揮科にてK.エステルライヒャー、L.ハーガー、湯浅勇治の各氏に師事、1995年第44回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。 ドイツ、スイス、オーストリア、イタリアなどヨーロッパの歌劇場に招かれ成功を納めます。 2008年、2009年にかけての年末年始にはウィーン・フォルクスオーパー歌劇場で「こうもり」を指揮し、絶賛を浴びました。 ヨーロッパ歌劇場で指揮した公演数は25年間で1000回を越えました。 2017年にドイツから帰国、山形交響楽団の常任指揮者に就任、2020年京都府文化賞功労賞を受賞、2022年と2023年のNHKニューイヤーオペラコンサートの指揮も務めています。
指揮するだけではなく、各団体の楽譜を作ったりもしています。 小さい時から音楽は好きでした。 ピアノは4歳から始めました。 両親の出身は山形でしたが京都に住んでいました。 高校は普通の高校で野球部でした。 合唱部にもいました。 野球部で指を故障して合唱部に行く回数も増え、2年氏の時に先生から指揮者をやるように言われました。 京都市立芸術大学作曲科に入りました。 指揮をするのが好きで行動していたら、先生方が会議をして指揮者として卒業させるという方針になりました。 ミュージカルが流行って舞台芸術に触れたことが大きかったです。 オペラに興味を持って、学外の関西の音楽団体のところへピアノを弾きに行ったり、練習の指揮をしに行ったりしました。 大学の4年の学園祭で「こうもり」を上演しました。 男性が少なくて美術の人を動員して苦労しました。
*「こうもり」 作曲:ヨハンシュトラウス2世 頭の部分
ウィーン国立音楽大学指揮科に留学しました。(2年間) 24歳からオペラの現場に行くことになり、そちらの方が面白くてずっといることになりました。 オペラはシンフォニーとかとは違って実験的なものをやり過ぎるとお客はついてこないので、興業として成り立たないと忘れ去られてしまう。 オペラは演劇がもとにあってBGMの様に音楽があって、歌ってみようかという事で歌が入ってとか、芝居の延長線上であると思っています。 お客の集中力のコントロールを音楽でやっていて、聞いて欲しいところ、ぬいてもいいところがあります。(4、5時間のものもあるので)
1995年第44回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝した時は27歳でした。 このコンクールは小澤さんが優勝して有名になりましたが、ドイツでは知られていないですね。 2017年に帰国、山形交響楽団の常任指揮者に就任。 「ばらの騎士」は今稽古が始まっている最中です。 琵琶湖ホールでは「ウイーンの風」といタイトルで「フィガロの結婚」、「こうもり」もやり、その集大成が「ばらの騎士」です。
*「ばらの騎士」から「三重唱」 作曲:リヒャルト・シュトラウス