井上あずみ(歌手) ・歌い続けて40年
1965年石川県生まれ。 1983年「STAR STORM」でアイドル歌手として、デビュー、1986年、宮崎駿監督のアニメ映画『天空の城ラピュタ』のエンディングテーマ「君をのせて」を歌い、翌年『となりのトトロ』の主題歌を、『魔女の宅急便』ではイメージソング『めぐる季節』を歌い、老若男女から人気のある歌手として活躍しています。 これまでファミリーコンサートを中心に全国を回っています。 このインタビューは7月26日に収録したものです。 その後井上さんは8月26日に40周年コンサートの当日、本番直前のリハーサル中に脳出血で倒れ、救急搬送されました。 幸い手術も成功し、現在はリハビリ中です。
*「君をのせて」(『天空の城ラピュタ』のエンディングテーマ) 歌:井上あずみ
37年前ですから、21歳の時に歌った曲です。 2世代、3世代でコンサートに来てくださる方もいます。 2007年から『NHKみんなのうた』を、13年間担当。 40年前にアイドル歌手としてデビューしました。 自分では歌はうまいと思っていましたが、音楽の先生からちょっと音が外れていると言われ、ピアノの音に合わせて声を出して欲しいと言われてやったら外れていました。 小学校3,4年生で下手だったんだという事が判りました。 それで児童合唱団に入って勉強して、段々歌が上手くなってきて、地元ののど自慢大会に出場して、審査委員長だった乙田修三さんから、「君は歌手になれると思うから、僕のところでレッスンしないか。」とスカウトされました。
デビューするまでレッスンを受けました。 中学・高校時代は演劇部に入っていました。セリフを言うのと歌うのでは発声が違うので、演劇を頑張っていて、声がガラガラだと音楽の先生から怒られてしまいました。 オーディションが一杯あり、「君こそスターだ!」(フジテレビ系)で、2回出演したことがあります。 参加していました。 「スター誕生!」(日本テレビ系)では、決戦大会に出場しましたが、いずれも最終的には不合格だった。(14歳) 決勝大会の前に下見会みたいなのがあり、合格すると東京に行くことになるが、良いかどうかを母親が聞かれて、「相談して見ます」、と言ったので、これがマイナスになってしまったのではないかと、後になって考えました。
私がデビューしたのは1983年で、同期の人がみんなレコード会社の一押しなんです。 私もリバースターレコードという会社の一押しで、1億円ぐらいかけてもらって、シングルとアルバムの同時発売してもらいました。 デビューも急に決まりました。 レコード会社がカバー曲をやろうという事で、「ゆうべの秘密 」(小川知子)を歌う事になりました。 歌の仕事がどんどん少なくなってきました。 タレント業みたいな歌以外のことをやっていました。 事務所もなくなり、フリーになって、その時たまたま宮崎監督や高畑勲監督(『天空の城ラピュタ』の音楽監督だった)が私のカセットテープをきいて、この子だったら歌えるかもしれないと思った曲が「君をのせて」でした。
映画は8月2日公開だったが、私に話があったのは6月でした。 レコーディングしたのが7月7日でした。 この曲はいい曲なので絶対歌いたいと思いました。 『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』があって3作関わられたという事が40年歌えたんじゃないかと思います。 ファミリーコンサートに舵を切りました。 当時はまだアルバイトをしていました。 自分から行動しないといけないと思いました。 聞いてもらえる場を作りたかった。 どうやったら子供たちにアピールできるか、と思った時に歌だけではなくお話もうまくないと駄目だと思いました。 子供と視線を合わせようと思いました。 子供達が好きだと思う曲を練習して歌うようにしました。 コンサートの回数も増えて行きました。 夏休みでは毎日歌っていました。 コンサートもいろいろ工夫してやるようになって、今はライフワークのようになっています。 オーケストラともやるようになりました。
加藤登紀子さんと共演しましたが、登紀子さんみたいな曲を歌ってみたいなと思いました。アダルティーな曲を歌ってみたいです。