冨田節夫(ボランティア団体代表) ・「循環型ボランティア」を目指して!
冨田節夫さん(81歳)は定年退職後、もう群れたくないと一人ボランティアを目指して、おやじの社会参加を続けてきました。 6年前にこんなおじいちゃんでも身近で困っている人に役に立てることもある筈だと「ちょこっとお助け隊」を立ち上げました。 最近は様々なお助け要請が来て、それにこたえる仲間の輪も広がり、冨田さんが目指す循環型ボランティアも軌道に乗り始めてきたと言います。 どんな困りごとが来て、どんなお助けをしているのか、冨田さんが目指す循環型ボランティアとはどんなものなもか、伺います。
リタイアして社会とのつながりは持っていたいと思って、模索しながら始めました。 群れたくないという思いはありました。 ほとんど相手にされなかった時代が続きました。 2011年の東日本大震災があり、当時70歳ぐらいでしたが、4,5月にはようやく現地に入れました。 重いものを運ぶことはできずに軽作業で思ったほどお手伝いは出来ず挫折感を感じました。 年寄りが出来るボランティアを考えさせられました。 当時町田にいて、ウオーキングコースが沢山あり、ゴミが散乱していて、ウオーキングしながらゴミを拾おうと思いました。(クリーンウオーク) 一時12,3名になりました。
武蔵野に移ることになり、知り合いもいないので一人で出来る事を捜し、老人ホームのお手伝いなどいろいろしましたが、何か物足りなさを感じました。 「ちょこっとお助け隊」をやってみようと思いました。 又ファシリテーター講座があり福祉を促進する講座で、その中で年寄りも社会資源だという事に気付きました。 2017年に「ちょこっとお助け隊」を立ち上げましたが、6か月はほとんどお呼びがかかりませんでした。 或る時公営住宅の集会場に行って、こういうことをやってますと説明したら、翌日2,3件声が掛かりました。 お年寄りが多いところでした。
ゴミ出し、買い物、雨戸を閉める、クリニックへの付き添いなどです。 歳を取ってくると、足が不自由になるケースが多いです。 ゴミを出す日でも、玄関、ドアの外などにゴミが出ていなかったりして、心配になったりして、見守りも兼ねてるなという事に気が付きました。 もしもの場合はどうするかというルールを決めさせてもらって、「ちょこっとお助け隊」で10分100円のほうが気持の負担がなくていいと、無償の方が反って気が重くなるという事で進めることにしました。 病院の場合は2,3時間は覚悟しています。 一瞬で済ませられるようなこともあります。(テレビのリモコンの押し違いとか) 話し相手が欲しいような場合もあります。
ガラス戸に遮光フィルムの接着依頼がありましたが、難しくてギブアップしたことがあります。 ベッドの組み立て依頼も5時間ぐらいかかって大変苦労しました。 ペットの餌やり依頼もあり、猫は嫌いだったので、近所の猫好きの人が対応してくれて助かりました。 おばあさんから電話があり、倒れてしまったので来てほしいと言われ、救急車は呼ばなくていいから、一晩そばにいて欲しいと言われてしまったことがあり、別室で様子を見ることになってしまったこともありました。 翌朝おばあさんはちゃんと起きてきました。 「ちょこっとお助け隊」を逸脱しているレベルかと思いますが。
群れたくないと思って立ち上げましたが、仲間が増えてきて来ました。 本当の弱者はうちなどには頼めなくて、行政なり福祉なりのヘルプが必要になってくる。 頂いたものを回して、循環型ボランティアにしていければいいなあと思っています。 昨年に実績では689件でした。 約1/3はゴミ出しとなっています。 去年は年間45万円となり、12万円を若者の支援の方に回しています。 年寄りでもささやかではありますが、社会のお手伝いが出来るという事がありますが、もう少し組織的に広がらないかなあと言う思いがあります。 ここまでやってこられたのも仲間の協力ですね。