2023年5月24日水曜日

いがりまさし(植物写真家・ミュージシャン)・〔心に花を咲かせて〕 スミレから始まった植物写真の奥深さ

 いがりまさし(植物写真家・ミュージシャン)・〔心に花を咲かせて〕  スミレから始まった植物写真の奥深さ

植物写真家と言っても単に撮るだけではなくて、植物そのものにとても詳しくて、特にスミレに詳しい事から「スミレのいがり」さんと言われています。   又ミュージシャンとして活動していて、自然の中での演奏活動もしています。   その経歴もユニークで、学生時代に日本一周・・・(しばらく音声が途切れていました。)

旅のプランをそっちへシフトしてスミレを見て歩きました。   旅をすることはイコール自然を見る事だったので、そのなかでも一番自分が楽しめるのはスミレでした。  北海道から南西諸島迄何種類も固有種があります。  60種類ほどあります。  変種迄加えると120種類ぐらいあります。   牧野富太郎さんはスミレを沢山発表しています。 「マキノスミレ」というのがあります。  赤紫のスミレで日本海側、東海地方は太平洋側にもあります。    自分では自分の名前をつけないんです。   今では植物学に関係のない人の名前も付けるのは辞めましょうとなっています。   それをネタにお金を儲けようとする人が居るからです。    スイス人の植物学者のボアシエという人がビオラマキノイという学名を付けました。  ボアシエさんは何も書いていないので、牧野富太郎を記念しているのかどうかはよくわからない。   翌年牧野富太郎がボイシアナというヒメミヤナスミレをボアシエさんを記念して献名するとちゃんと書いてあります。

土屋文明さんという歌人がいますが、歌にはすみれがいっぱい出てきます。  スミレ研究家の宮地数千木(みやじやちぎ)さんというスミレの染色体の研究をした方ですが、アマチュアの歌人でした。  お互いが師匠同士でした。                       

写真をちゃんとしたものにするためには、スミレをちゃんと知らなければいけない。    どんなところにどんなスミレがはえているか、これは旅をすることと関連するので、そこが自分は面白いです。   雪国が好きなスミレ、嫌いなスミレ、陽の当たりところが好きなスミレ、嫌いなスミレ、いろんな好みがあります。   どちらかというと陽当たりが良い明るいところが好きです。  半日陰でないと駄目なスミレもあります。 「ヒカゲスミレ」はちょっと大きめな白い花で、葉は細長い三角形で毛深いです。 高尾山の「タカオスミレ」は「ヒカゲスミレ」の変種になります。  

キスミレ」 黄色い花で、山梨県から西に生えるスミレで、山で一日中日の当たらないと生きていけない。  日本にはキスミレが生える環境は余り無い。  九州の阿蘇の1000m級の山焼きをするすすきの草原、山焼きが終わってすぐあとぐらい、4月には一面黄色くなります。  人が山焼きをするから生えていられる。  記録では阿蘇の山焼きは800年前ぐらいからやっています。  1万年前ぐらい前からすでに縄文人が山焼きを始めていたことが、地質学の研究から判ってきたそうです。  少なくとも2万年前はキスミレの天下だった。(今とは気候が違う 最も地球が寒かった  雪は降らなかった)   当時は山焼きをしなくても適した自然の草原が沢山あった。  2万年前は姶良(あいら)火山(桜島)が噴火した後で草原になっていた。   6400年前にも噴火があり西日本一帯に火山灰が相当積もったらしい。  草原になっていた。  キスミレの原産地は東アジア一帯にありました。  

世界には600以上のスミレの種類があります。   低木状になるスミレがあります。  ギリシャのクレタ島とか地中海の反対側にもあります。  スコルトイディシュ?というスミレです。 1cm程度の黄色い花が咲きます。   乾燥地帯に生えています。     サボテンみたいなスミレもあります。   ムシトリスミレ(食虫植物の一種はスミレではないです。   

心に届けたいと思っています。 そのためには全力で対象のことを知らなければいけないと思っています。  心に届けるものに仕上げる。  アートに大事なものは理念だと思います。  そのためには対象を正確に知らなければいけない。  自然のすばらしさを表現したい、それを伝えたいという思いです。