岡本茉利(女優・声優) ・【時代を創った声】
小学生の時に『喜劇・団地親分』という映画を見学していて、その場で声をかけられて、出演したのが女優、声優を目指すきっかけになったといいます。
アニメでの代表作には『ヤッターマン』のアイちゃん(ヤッターマン2号)、『いなかっぺ大将』のキクちゃん、『花の子ルンルン』のルンルン・フラワー役など数多くのアニメや、映画の吹き替えなど、現在も舞台でも活躍中です。
現在は待機状態で、7月に名古屋のほうで公演予定があります。 旅芝居という事で半月おきに劇場をかえて、旅回り芝居をやってきましたが、最長で2か月半家を空けます。 北海道で旅芝居をやっていて代役を立てていただいて飛行機で東京に戻ってとんぼ返りをして仕事をこなすようなこともありました。
大阪の大きな団地に住んでいた時に、『喜劇・団地親分』ロケーションで日曜日に撮影していました。 小学校の1年生の時でしたが、撮影が珍しいので母親と一緒に行きましたが、黒山の人だかりで見えないんです。 うろうろしていたら助監督から声をかけられて、即その場で幼稚園児として撮影の中に入れていただきました。 集合写真がありますが、渥美清さん、森繁久彌さん、伴淳三郎さん、大村崑さん、ミヤコ蝶々さんなど東西の喜劇人のそうそうたる方たちがそろって写っていました。
それがきっかけで京都の児童劇団、NHK大阪児童劇団で活動してラジオドラマなどに出ました。 東京に移ったのが中学3年生の時でした。 1971年に『男はつらいよ』シリーズ第8作『寅次郎恋歌』に旅役者の娘・大空小百合役で出演。 渥美清さんからは衣装のことでいろいろと指示を頂いて、私が29年生まれだと言ったら、僕も29年なんだよというんですが、意味がよくわからなかった。 実は片肺の手術をして生死をさまようようなことになり、29年に元気になって生まれ変わったから29年生まれだという事でした。 温かい言葉をかけていただきました。 大空小百合役で何回か出演させていただきました。
声優としてのデビューは1970年のアニメ『昆虫物語 みなしごハッチ』へのゲスト出演。 初レギュラーは同年放送のアニメ『いなかっぺ大将』の大柿キク子役。 アニメーションに出させていただくようになりました。
回りにはそうそうたる方たちの声優さんがいましたので、それだけで衝撃でした。 やればやるほど自分の駄目なところが気付いてきました。 『ヤッターマン』のアイちゃん役では自分自身うまくいっていないような感じで、暗中模索でいました。 アニメが一杯放映されるようになり、いろんなジャンルの人が参加されるような時期になりましたので焦りました。 声優は大好きでしたが、このままではだめだと思いました。 勉強しなおさないといけないと思ったのが20歳ぐらいの時でした。 山田洋次監督に相談して、いろいろな立場の人たちのことを含めて勉強させてもらいました。
アニメ『いなかっぺ大将』での愛川欽也さんと野沢雅子さん、渥美清さんと倍賞千恵子さんらの阿吽の呼吸の面白い演技、声の出し方とか見せていただき、間についても学びました。
沢竜二さんに紹介していただく機会があり、お芝居に出ないかという事で出させていただきました。 いろんなジャンルの人が出たので面白かったです。 時代劇の化粧の仕方、かつらの付け方、衣装、木刀を使っての演技の仕方など身に付くまでやりました。
声優の魅力は、自分ではないキャラクターとか、動物とか、全く違う表現の幅がありますが、それがすごく楽しいです。
これからやる人、今声優をやっている人は、やっぱり後に続く人がいるんだという事をちょっと意識していただいて、健康に留意して、いつかはチャンスがあるので努力して頑張っていただきたいと思います。
生活の中に笑いがあると元気になるので是非日々笑いを取り入れていくと変わってくると思います。