2019年7月21日日曜日

棚瀬尚子(料理教室代表)         ・【"美味しい"仕事人】世界の食で異文化交流を

棚瀬尚子(料理教室代表)      ・【"美味しい"仕事人】世界の食で異文化交流を
外国の家庭料理を学ぶ人気料理教室。
料理の先生は日本に住む外国人です。
ユニークなのは先生の自宅が教室だという事、先生のお宅を訪ねていって本場の料理を教えてもらうというスタイルです。
レシピを学ぶことはその国の食文化を知ることにつながります。
日本語で学ぶことができますが、英語で教えてもらえば英会話の勉強にもなります。
この料理教室ができて20年、およそ2万人の会員が登録し、世界40か国の家庭料理を学んでいます。

世界の料理教室の場合は、東京を中心に約40か国の外国人のご家庭の家に日本人の方がホームステーをする感覚で料理を習いに行く、そういった料理教室です。
先生とだけではなくてご家族の方たちとも一緒に食べる場合もあります。
一番小さなグループで6名、大きいグループですと10名ぐらいが一回で習える人数です。
東京では60か所ぐらいです。
ほかには神奈川、千葉、埼玉、大阪、台湾でもあります。
台湾の方々から料理教室をやってみたいという問い合わせがあって、私が行ってみたのがきっかけとなりました。
教室が開かれるときには日本から台湾に出かけていきます。
およそ2万人の会員が登録しています。
日本語が半数、英語でも行います。
英語でも普段の会話が飛び交います。
英語も普段使わないとなかなか身につかないので。
インドの先生のご自宅に行ってヨガを最初に教えていただいたりもします。
チュニジアの先生にアラビア語の書き方を教えてもらったりもします。
2年前バターが不足している時には、アゼルバイジャンの先生が私の国ではバターを20個使うと言っていました。
みんなでバターを持ち寄りました。

2000年からスタートしました。
以前大手電機機器メーカーで働いていたところは、国際購買部の部門で日本から部品を買って世界各国の工場に送るという仕事をしていました。
世界各国の人々と話をしていました。
それぞれの国の違いを知ることが勉強になり視野も広がりました。
そういった方たちが日本に来るときに、一緒におにぎりを握って食べたり居酒屋に行ったりしました。
会社を辞めて英語能力が落ちてしまうのも寂しいし、いろいろな国の人たちとも繋がっていたいというのがきっかけで、料理教室を始めました。
教えてもらったパスタの料理にはまりました。

インドカレーを自宅で作ってもらたいという気持ちがあり、横浜のインターナショナルスーパーマーケットの掲示板にそういったことを教えてくれる方がいませんかと貼っておきました。
最初インドの方から連絡が来ましたが、知らない人を自宅に招いて教えることは怖いからできないと断られてしまいました。
その時にアメリカの米軍基地の方から連絡がり、やってみたいと電話がありそれがきっかけで料理教室を始めました。
最初3名でした。
いろいろトラブルだらけでした。
ケーキが凄く甘かったが、薄味にするのではなくて、味をそのまま伝えようと思いまし
た。(その国のままの味)

子どものころによく家にギリシャの方が遊びに来ていました。(祖父の友人)
小学校に入ったころ両親に世界の子どもたちをホームステーしたいと話したら、いろいろな国の子どもたちがショートですが、ステーしに来てくれました。
最初は母の友人のハーフのアメリカ人のお子さんが来てくれたのがきっかけです。
英語は全く話せませんでした。
しゃべれなくても一緒にいると楽しかったです。
一回の料理教室は短くて2時間、長いと11時から始まって夜の9時ごろまでやってることもあります。
南米圏、南欧圏の人たちはせっかく遊びに来たんだったら、料理教室を忘れて一緒に飲んで食べて遊ぼう、ダンスもしようという事になったりお喋りをすることになります。
一回でのレシピは4,5つぐらいです。
毎月料理は変えることになっていて、1年で60レシピ、3年で180レシピという事になると、料理の好きな方、探求心が強い方たちが集まってくるという事になります。
先生とは事前に打ち合わせをします。
ライスプディング、日本ではご飯を甘くして食べる文化が駄目そうで、牛乳を使うのが苦手なようです。

世界の料理となるとスパイスも違うし食材も日本で手に入らないという事もあります。
日本の食材を使って近いところまで再現してゆく作業があります。
皮付きの豚肉は東京だとなかなか手に入らないです。
中国、南米の方たちは皮をパリとさせて食べるとおいしいといいます。
郷土料理という事でおばあさんの時代の道具で作ったりするので、パスタを作るときにいろんな道具を持っています。
イスラム教の方はハラルで認定されているものを使います。
ヒンズーの方は牛肉は食べれないが、牛は私たちの神様よ、といった話を伺います。
イスラムのかたは豚肉を切ったことのあるキッチン、切っているキッチンでは料理することができない。
クリスマスは一番一年で華やかなシーズンですが、自分のクリスマスツリーを大切にするので、自分の国から運んできます。
雛飾りと同じような感覚があります。

タイの食事は右手にスプーン、左手にフォークを持って食べるのが一般的です。
マナーは厳格ではない。
イスラム教では食事では左手は使ってはいけない、不浄の手。
世界では手を使って食べる人たちは4割います。
手を使うことで香りを楽しめるし、手の方がおいしく感じることがあります。
先生はインターナショナルスクールのフードフェアーに行って、そこで料理上手な人を見つけてスカウトをしたり、料理好きそうな方を探してスーパーで声を掛けたりしています。
スターも誕生しています、ファン・インソンさんという韓国の料理研究家。
女性のようなかわいらしい方です。(奥さんが日本人)
キルギスの先生の教室が東京の羽村市にあり、羽村市が東京オリンピックのキルギスのホストタウンで、先生がその選手村の料理を作る事になりました。