2019年7月17日水曜日

河野匡(日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター)・【スポーツ明日への伝言】酷暑と闘う!ランナーたちの挑戦

河野匡(日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター)・【スポーツ明日への伝言】酷暑と闘う!ランナーたちの挑戦
今回のオリンピックの陸上競技、特にマラソンの長距離種目は暑さなどとの戦いが予想されます。
マラソングランドチャンピオンシップとはどんな大会なのか、選ばれた人たちは暑さをどう克服してゆくのか、河野さんに伺います。

2000年のシドニーに犬伏孝之が代表になったときは2000年の2月に東京マラソンで代表が決まりました。
2016年のリオデジャネイロオリンピックで伊藤舞が代表になったときには前年の世界陸上で入賞して早々と内定しました。
1年間の準備も経験したし、あっという間に準備しなければいけないというようなことも経験して、マラソンはオリンピックでは花形ですし、注目度が高い、相当プレッシャーがかかるという事はどちらの場合もありました。
年々マラソンを志して世界選手権、オリンピックで戦おうとか、戦えるというイメージがどんどんなくなってきているというのはあからさまに感じました。
メダルから遠ざかっているという現状でした。
2017年の夏から今年の4月30日までの指定されたマラソン大会に出場して条件をクリアするとその選手だけを集めてさらにレースを行って代表を決めていこうと、マラソングランドチャンピオンシップと呼んで9月15日に行うことになりました。
強化プロジェクトとしては瀬古氏がプロジェクトリーダーをやっています。

国内でも戦うイメージよりも選ばれるためのレースというようなイメージに変わってきて、シンプルに競争して勝ったものが行くんだという形を今回は東京オリンピックにもっていく、それで戦う意識が選手に育っていれば、可能性は見いだせるのではないかと思って仕組みを変えていこうと思いました。
何か変えないと日本のマラソンは変わらないという思いの共通認識はできたと思います。
男子が31人、女子は12人のレースが予定されている。
2時間11分が世界ランキング30位程度、世界で戦うには2時間8分30秒ぐらい、女子では2時間24分程度になるような仕組みを作っていけば、それを越えないと次のステージに行けないので、段階を追うという事が今の世代にはあっているのではないかと思いました。
ワイルドカード 国際陸連が世界記録を公認するような大会などに参加 マラソングランドチャンピオンシップの道にいろんな登り口を用意したかった。

しっかりとしたマラソンの経験値を持った選手をスタートラインに並べたいという意見もあったので、仕組みの中に取り入れていったというのがマラソングランドチャンピオンシップです。

2時間5分台の記録が出てきました。
2015年から1億円の報奨金を日本記録に出したのが強烈な飴だったと思います。
マラソングランドチャンピオンシップは鞭の部分でそれが合わさって良い記録が出てきたのではないかと思います。
9月15日はいい天気であってほしいとまず思います。
レースは誰もが予想できないマラソンレースになるのではないかと思います。
スタート1km地点からは本番とほぼ同じコースになっています。
女子は世界との距離にある程度の距離を維持していた。
日本記録は出ていないが世界とそんなに離れていない。
女子は早いレースになるのではないかと思います。

本番は女子が8月2日、男子が9日、暑さとの戦いもある。
①選ばれた選手が暑さに得意なのか、苦手なのか、個性をどう判断するか。(体質)
②暑さのなかでのコンディショニングをどうやれば疲労を残さず本番を迎えられるか。(トレーニング期) 
③当日の天候にどう対応するのか。(本番)
2時間走る中で気温が30度を超えるとパフォーマンスが5%落ちる。
2時間3分で走る人が2時間9~10分のレベルになる。
今日本では2時間5分程度ですが、3%に抑えると2時間9~10分のレベルになる。
2~3%に抑えることができればメダルも見えてくると思います。
スタート時間が午前6時になりました。
温度もありますが一番敵なのは湿度なのかなあとも思っています。