奥田佳道(音楽評論家) ・【クラシックの遺伝子】
*ブスタフ・マーラー作曲 交響曲第5番 第4楽章 「アダージェット」
ブルーノワルター指揮 ウイーンフィル管弦楽団演奏 1931年の録音。
作曲された時期はウイーン時代の「絶頂期」ともみられる期間に当たっている。
マーラーがなくなってから20年後。(マーラーを直接知っていた人たちの演奏)
ハープと弦楽器による第4楽章アダージェットは、ルキノ・ヴィスコンティ監督による1971年の映画『ベニスに死す』(トーマス・マン原作)で使われ、ブームの火付け役を果たしただけでなく、マーラーの音楽の代名詞的存在ともなっている。
19世紀末のウイーンの遺伝子息吹は作曲家にどんな風に伝わて行ったのか?
世紀末 爛熟期が終わりそこから離れてゆく、そういったものを嫌う雰囲気であったり、退廃的な独特な形式美みたいなものが美術の世界でも生まれる。
世紀末 美術界では クリムト 分離派の代表。
1897年はブラームス(63歳)が亡くなりクリムトが分離派を宣言する。(時代の節目)
同年5月ブスタフ・マーラー(36歳)が指揮者としてウイーン宮廷歌劇場にデビューする。(指揮者として頂点に立つ)
*交響曲第3番から第3楽章 ブラームス作曲(50歳)
映画『さよならをもう一度』で有名。
ブラームスはヨハン・シュトラウスと親交があった。
*ヨハン・シュトラウス作曲 ウエーベルン編曲 「宝石のワルツ」
当時としてはインパクトのある編曲だったが、今では古き良き時代のウインナワルツ。
*フランツ・レハール作曲 (世紀転換期の作曲家)「メリー・ウイドウ」「ヴィリアの歌」
「銀の時代」とよばれたウィンナ・オペレッタの第二黄金期を代表する作曲家となった。
世紀転換期における、レハールには響きに独特の哀愁、かげりがある。
ヘルメス・ベルガー ヴァイオリンの名手、コンサートマスター。
*バレエ 「イベリアの真珠」から「ロマの踊り」
*クライスラーの「ウイーン風小行進曲」
*ブスタフ・マーラー作曲 交響曲第6番 第1楽章