石澤壽惠子(山椒園オーナー) ・【"美味しい"仕事人】山椒にみせられて
栃木県日光市で山椒園を営む石澤壽惠子さん(82歳)は600本の山椒の木を一人で育てています。
山椒園を始めたのは10年前、それまでは東京の銀座でワインレストランを 30年経営していました。
その店をたたみ実家のあった日光で山椒園を開こうと思ったのは、山椒が身体にとても良いと知って自ら栽培したくなったからだそうです。
山椒の収穫も終盤の6月に話を伺いました。
山椒園の広さは1300坪、そのほかに食べ物を作ったりするところもあります。
山椒の木は600本ぐらいあります。
季節により草刈りの人が入ったりしますが、管理が大変です。
6月初めは実が一番おいしい時です。
太陽が当たったところはヒリヒリ感が違うし、栄養価値が高い気がします。
若芽を摘む時には料亭に届けたりしていて、居酒屋を18店舗経営している人がいて1kgずつ送ろうかと思っていますが、まだです。
2時間で2000円の入園料をいただいて摘み放題です。
日光は山が多いので自生しているのを摘みに行くのが習わしだったようです。
素手で摘むのが理想です。
棘があるのでちょっとぶつかっても痛いです。
春は4月20日位から芽が吹き出してきて3cm位の芽を摘みます。
お酒と醤油で佃煮にして食べます。
実がなる木とならない木がありメスの木になります。
花山椒と言って花だけで実がならない木もあります。
花だけ集めて佃煮にする方法もあります。
69歳の時から苗木を集め出して70歳から植え始めました。
この土地は姉が酪農をやっていてその前はブドウ園でした。
昔から自生している山椒に気が付いて、始めてみました。
山椒は不思議な食べ物という気がします。
この辺の人は身体にいいと言っていました。
お風呂の中に葉っぱを入れると気持ちがいいです。
帝京大学の医真菌研究センターの処から山椒に関する論文が届き、その先生も見に来て下さいました。
老化防止に役に立つとか教えて下さいました。
菌に山椒が有効、山椒の葉っぱを傷口に摺り込むと一発で治ります。
ヒリヒリ感が神経の奥まで開いて来るような気がしますといったら、それなんですよと先生は言っていました。(学問上証明されると面白いと思います。)
40歳でドイツワインを専門に30年間ワインの店をやってきました。
ドイツワインが一番おいしかったこと、ワインの紹介の仕方がドイツは独特で、蔵の中で蝋燭の灯のもとで飲ませてくれました。
1967年ごろ醸造会社のワインツアーがあり付いて行きました。(問屋だけだったがもぐりこみました。)
興味を持って通い出しました。
ドイツ語を勉強して一人で歩けるようにしました。
セミナーにも参加して3~4年かかりました。
ワインの蔵を模したインテリアの店を作りました。
ドイツワインは北緯50度北国で酸味が綺麗です。
酸は身体にいいので日本人の体質と合うものだと気が付きました。
ドイツのグラスには必ずデコレーションがあります。
北国に育つ葡萄を表しています。
山椒の実の収穫は6月中旬位ですが、今年は1週間ぐらい早いです。
山椒味噌は実をすりつぶして味噌を入れてすりつぶして、砂糖を入れて、ワインを入れてすりつぶして自分の好きな味にしていきます。
サトイモを串に刺してに味噌を付けて食べる、この辺の昔からの食べ方です。
コンニャク、おでんなどもおいしいです。
ご飯の中に縮緬山椒をあえるとか、山椒の実だけを綺麗に洗って塩もみして炊き立てのご飯の中にパッと入れて混ぜ合わせ、それだけで香りがあり、食べると刺激があり目が覚めるような神経が開くような感じです。
香辛料としてなんにでも使えます。
粉山椒は作り方が難しい、皮だけを取ってすりつぶして粉にする。
葉山椒は鍋に塩をいれて炒ってほしておいて、粉状にしてふりかけとして使います。
いわし、さんまなどを煮る時に山椒の実をすこし多めに入れます、それがポイントです。
山椒の木の剪定しておかないといけない。
日光の山椒園にきて人から解放されたという思いがあります。
さみしさは全然なかったです。
山椒はお客様が増えることが楽しみです。
山椒が好きな方は何故か繊細な感じがします。
知らないことに挑戦することは好きです。
好奇心を持つことは大事なことだと思います。