2023年11月16日木曜日

藤島 大(スポーツライター)      ・ラグビーから見えてくるもの~フランスW杯を終えて~

 藤島 大(スポーツライター) ・ラグビーから見えてくるもの~フランスW杯を終えて~

フランスで行われていた4年に一度のラグビーのワールドカップが10月下旬に閉幕しました。決勝では南アフリカがニュージーランドを破って2大会連続4回目の優勝を飾り、日本代表は1次リーグ2勝2敗で2大会連続の決勝トーナメント進出はなりませんでした。 今日はラグビーワールドカップを1987年の第1回大会から今回の第10回大会まで、全て現地で取材さているスポーツライターの藤島さんに今回のワールドカップの総括、自身のラグビー経験者とし得たものなどを伺います。 藤島さんは東京都出身の62歳、早稲田大学で監督を務めたお父さんの影響で高校からラグビーを始め、ラグビー人気が最盛期と言われた時代に早稲田大学でもプレーを続けました。 大学卒業後はスポーツ新聞社で記者として働く傍ら、都立高校や母校早稲田大学でコーチを務めました。 現在はフリーのスポーツライターとして活躍中です。 

決勝では南アフリカがニュージーランドを破って2大会連続4回目の優勝を飾りましたが、南アフリカは勝負強いというか、根性がありますね。 準々決勝の対フランスが29-28、準決勝がイングラドに16-15、決勝がニュージーランドに12-11と全て1点差でした。 雨も降ってボールが滑りやすくなり、キャプテンにレッドカードも出てしまって、50分ぐらいを14人で戦うという事もあり、勝ちそうになったが閉じたラグビーに引きずり込まれていました。 アパルトヘイトで第1回第2回大会は出場できませんでした。 第3回大会で初出場で優勝しました。  かつては映画にもなりました。 

今回日本はチリとサモアには勝ちましたが、イングランドとアルゼンチンに負けて2勝2敗で決勝トーナメントには進む事が出来なかった。 ちゃんと仕上げて来たなとは思います。チリとの戦いで直ぐディフェンスが良くなったと判りました。  アルゼンチンとは拮抗した試合でした。(27-39) アルゼンチンはベスト4まで行きました。  リーチマイケルは今回が一番状態がいいとある人が言っていました。 日本のスクラムも全く変わりました。 海外チームで活躍する選手があまり多くない。  日本を強くするためには環境の整備、遠回りかもしれないが、草の根のラグビーに投資をする。 女子のラグビーをしっかりサポートしてゆく。 地道に積み上げたところが最後には強いです。 気概、知力のある、情熱にある指導者を迎えることも大事です。 高校生の競技人口が少ないのは問題だと思います。 

父も叔父もラグビーをやっていました。 父は早稲田大学のラグビー部の監督をしていました。 中学まではサッカーをやっていました。 高校からラグビーを始めた。 慶応の練習方法で辛かったです。 早稲田大学に進学してラグビー部に入りました。  高校時代から目立った選手も入って来ました。 練習は厳しかったです。 部員は90人ぐらいいました。 補欠が多かったです。 ポジションはフルバックでした。 当時は電車で会場まで電車で行っていました。  3年の時に大西鐵之祐さんという日本のラグビーの名将、(ラグビー日本代表監督)が監督としてきました。  まず理屈を入れる、理論から入りました。 でも最後は理屈ではないと言っていました。 

大西監督から「お前はもっとボールを好きにならないと駄目だ」と言われました。 当時はタックルが好きでした。 よく見られていたのが判りました。のちにコーチになった時に凄くいい勉強になりました。 スポーツ新聞社に入りました。 勤務しながら都立国立高校のラグビー部のコーチを始めました。 この生徒たちと深くかかわって行きたいと思いました。 コーチをしたくて会社を辞めました。 卒業生が早稲田に行くようになって、早稲田大学のコーチをやるようになりました。  監督が石塚武生さん、ヘッドコーチが本城和彦さんでした。 

スポーツ雑誌などにコラムを書くことが大好きです。  1998年からずっと新聞へのコラムを書いています。  「自分だけが見たものが万人のものになるかもしれない。それが芸術である。」と坂口安吾が言っていますが、その言葉が大好きです。 ラグビーの魅力は、「極めて身体的な競技なのに、身体的な競技ではない。」という事です。 人間のいろんな要素が引き出されるので、意外と身体的ではなくて、意外とみんなに出番がある。  いろんな自分の役割を全うできるという事はあります。  「ラグビーは面白いね」と言われるよりも、「ラグビーっていいものだね」と言われる方が嬉しいです。 「ラグビーって50点差がついても感動する」とあるサッカーの著名な人が言っていました。