貴家堂子(声優) ・【時代を創った声】
貴家さんというと『サザエさん』のフグ田タラオ、タラちゃんの声でお馴染みと思います。『ハクション大魔王』のアクビ、『天才バカボン』のハジメなどを演じてきました。
2019年には「最も長くテレビアニメシリーズにおいて同じ役を演じ続ける声優」として加藤みどりさんと共にギネス世界記録に認定されました。 「サザエさん」は今年で53年目です。 オーディションをやって1年ぐらいと言われましたが、やっていたら50年過ぎてしましました。 風邪をひかない様に、病気にならない様には気を付けていました。 コロナ禍では1~3人と制限されたなかで、やってきました。 相手がいないでしゃべるのはつまらないですね。
兄弟が男ばっかりの一番下で、一番上の兄とは20歳ぐらい違っていました。 TBSのオーディションがあり友達から誘われていったが、私は受かって友達は落ちてしまいました。(高校卒業後すぐの頃) TBSに入った時にマイクの使い方からいろいろ勉強しました。 初めてアニメに出演したのが、1963年から1966年まで放送された「鉄腕アトム」でした。 吹き替えでは「わんぱくデニス」をやらせてもらいました。(30分番組) よく残され指導を受けました。
1969年に「サザエさん」がスタートしました。 小さい子役だろうと思っていてワカメちゃん役かと思ったら、その下のタラちゃん役でした。 4コマ漫画ではタラちゃんは出てきていませんでした。 ラジオのホームドラマですからねと言われました。 ちびちゃんの様子をよく観察していました。 ちびちゃんの気持ちになってあまり声は気にしませんでした。 『ハクション大魔王』のアクビちゃんも担当しました。 アクビちゃんは大魔王があくびをすると出てくる。 ハクション大魔王は大平透さんが担当しました。 昔はとちると頭からやり直しなので、迷惑をかけますよ、プロですよ、と言われました。 2020年に『ハクション大魔王』はリメークされて、50年後に放送されて人気が出てきています。 キャラクターがいいですね。
1971年には『天才バカボン』のハジメちゃんなど子供の役を多く担当してきました。 回りは子供役だと思っていたんでしょうね。 「おばあさん役をやってみたい」と言ったことがありますが、「魔法使いのね。」と言われました。 私は作らなくてもこんな声なので、気持ちを入れてゆけば、気持ちだけで出来るかなと思っています。 母の声に似ていると思います。 タラちゃんはいい子で、頑固、自分の考えを通す、間違ったらごめんなさい、とちゃんと言える子ですね。 声優の面白いところは自分で出来ないことができる、という事だと思います。 ラジオは自分で想像する、想像したものを声に出して何かする、それがやっぱり面白いですね。
声優を目指す若い人に対しては、舞台でいろんな経験をして、そういったものがないと駄目ですね。 舞台などでは基本が出来るんじゃないですかね。 身体で演じる。 舞台を見ることも大事だと思いいます。 「やりたい」という思いが大事だと思います。 好きであるという事が一番良いことだと思います。